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【退職所得控除】iDeCoなどはどうやって受給すればよいのか?税理士が解説

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【退職所得控除】iDeCoはどうやって受給すればよいのか?税理士が解説

こんにちは!

 

税理士・行政書士・社会保険労務

の齋藤幸生です!

 

今回は・・・

退職所得控除の見直しについて

令和7年税制改正大綱対応として

解説します。

 

それでは、スタートです!!

 

退職所得控除の見直しの問題点とは?

自民党が公表した

令和7年税制改正大綱

では、次のような退職金課税

の見直し案があります。

 

退職手当等(老齢一時金(確定拠出年金法の老齢給付金として支給される一時金をいう。以下同じ。)の支払いを受ける年の前年以前9年内に老齢一時金の支払いを受けている場合には、その老齢一時金等について、退職所得控除額の計算においる勤続年数等の重複排除の特例の対象とするほか、老齢一時金に係る退職所得の受給に関する申告書の保存期間を10年(現行:7年)とする。

 

これは何を言っているのか

というと

 

退職金の支払いを受ける前年

以前9年以内にiDeCoなどで

 

一時金として受給している場合は

その後において支払いを受ける

 

退職金に対する退職所得控除の

計算上で使う勤続年数について

一部制限をするというものです。

 

言い換えるとiDeCoなどで

使った退職所得控除について

 

退職金で控除する金額を減らし

所得税を課税するといった

イメージになります。

 

結果、iDeCoなどの一時金に

対しても所得税や住民税の

課税対象になるため

 

実質、iDeCoなどへの増税

という問題になります。

 

これが令和8年以降に適用される

ことになります。

 

 

現行の5年ルールを解説

話は変わりまして現行での

退職所得控除における制限を

確認してみます。

 

現行制度では令和4年1月1日以降

の退職金について勤続年数が5年以下

ものに対する

退職所得控除

への制限がルールになっています。

 

こちらを

短期退職手当等

と言います。

 

現在以下の方法により計算する

ことになります。

(1) 「収入金額-退職所得控除額」≦300万円の場合

退職所得の金額 = (収入金額 - 退職所得控除額) × 1/2

(2) 「収入金額-退職所得控除額」>300万円の場合

退職所得の金額 = 150万円(※1) + {収入金額 - (300万円 + 退職所得控除額)}(※2)

※1 300万円以下の部分の退職所得の金額

※2 300万円を超える部分の退職所得の金額

(注1) 上記により計算した退職所得の金額に1,000円未満の端数があるときは、これを切り捨てます。

 

ここでいう収入金額とは

税金を控除する前の

退職金の本体の金額になります。

 

要するに

退職金-退職所得控除で計算した金額が300万円以下と300万円超になる場合とで退職所得になる金額に違いがでてきます。

 

 

 

国税庁では、具体例が公表されて

いるので具体例を使って確認を

してみようと思います。

 

前提

従業員としての勤続年数:4年2か月 ∴金属年数5年以下のため、短期退職手当等に該当

従業員としての退職金:800万円

 

退職所得の計算

①退職所得控除:40万円×5年=200万円

②800万円ー200万円=600万円>300万円 ∴>300万円の計算へ

③150万円+{800万円-(300万円+200万円)}=450万円

といった形になります。

 

令和7年税制改正大綱では

退職所得控除の計算方法で

 

現行の5年以下の計算方法の

見直しはないので

 

今後、こちらの計算方法の改正が

ないと仮定すると

 

現行の5年以下のルールについて

10年以下ルールになり適用される

ことになります。

 

iDeCoなどはどうやって受給するべきか?

iDeCoなどはどうやって受給する

べきかを考えます。

 

iDeCoを前提にした受給について

では以下の3つがあります。

①一時金として一括で受け取る

②全部年金として受け取る

③一時金と年金を組み合わせて受け取る

 

所得税が現行のルールを維持する

という前提にすると

 

以下のように所得税では

計算されます。

 

①全部一時金で受け取る:退職所得になり、税率は20.42%

②年金で受け取る:雑所得(公的年金等)になり、累進課税になる

③一時金と年金を組み合わせる:一時金部分が退職所得になり、年金部分は雑所得になる

 

老後に発生するあなたの所得が

総合課税に分類される所得が

多くなる場合には

 

退職所得で受け取った方が

税金は低くなる可能性があり

 

総合所得になる所得が少ない

場合には総合所得で受け取った

方が税金は低くなる可能性があります。

 

令和7年税制改正大綱で射程に

なる人が多いと考えられるのは

勤務で退職金をもらう人です。

 

個人事業主であれば

小規模企業共済に加入しておき

 

iDeCoは一時金で全額受け取り

11年以上後に個人事業主を廃止して

 

小規模企業共済を一時金で

受け取ることで

 

令和7年税制改正大綱での

見直しを回避することができます。

 

問題は勤務で退職金を受け取る

人たちになります。

 

iDeCoを受け取った後で

受け取る退職金が多い場合には

 

iDeCoは年金で受け取っておき

退職金での課税を節税する

といった形がよいではないかと

考えます。

 

iDeCoを年金で受け取ると

厚生年金と一緒に所得税や

住民税の課税対象になるのは

仕方がないとあきらめるのです。

 

一般的に税金はもらう金額が

多くなればなるほど高くなる

傾向があります。

 

退職所得では税率が所得税で

20.42%、住民税で10%になります。

 

しかし、退職所得が100万円の人と

500万円の人ではかかる税金は

 

500万円の人の方が多くの

税金になります。

 

したがって、金額が大きくなり

かつ、一括で受け取る退職金に

 

退職所得控除を使ったほうが

税金は抑えられることになります。

 

 


編集後記

退職所得控除の見直しでは

ちゃぶ台返しといったコメント

もSNSであるようですね。

 

中小企業では中退共に加入した

退職金制度で運用していること

があるため

 

iDeCoと退職金をどちらも

退職所得で受け取っても

問題がないケースがあるかも

しれません。

 

まずは、iDeCoと退職金で

どちらが多い金額になるのかを

確認してから

 

あなたの老後の収入を検討し

iDeCoについてどういった

受取をするのかを検討したい

ところです。

 

 

では税理士・行政書士・社会保険労務士

の齋藤幸生でした!!

 

それでは、また!

 

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この記事は、その時の状況、心情で書いています。
また、法令に関しては、その後改正された場合には、
異なる取り扱いになる可能性があります。

 

 

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