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【働き方改革】中小企業は何をすればよいのかを解説

働き方改革

【働き方改革】中小企業は何をすればよいのかを解説

こんにちは!

 

税理士・行政書士・社会保険労務

の齋藤幸生です!

 

今回は・・・

中小企業向けの働き方改革への

対処方法について基礎部分を解説

します。

 

それでは、スタートです!!

 

働き方改革関連法案を理解する

働き方改革関連法案

では法律になっているものを

理解することから始まります。

 

まずは以下の手続や対応が必要な

ルールを挙げます。

①時間外・休日労働を行う場合の36協定の提出

②労働契約をするときの労働条件の書面等の交付

③労働者が10名以上の場合の就業規則の作成・提出義務

④賃金台帳、労働者名簿、年次有給休暇管理の作成・保存

⑤正社員と非正規社員との不合理な待遇差の解消

 

従業員が10名未満の会社を前提

にした場合には上記③以外は

対応する必要があるルールになります。

 

まずは、当社で対応しているものと

未対応のものに仕分けして確認する

ことになります。

 

厚生労働省の資料では36協定を

締結している事業場割合は55.2%

になっています。

 

大企業も割合に入りますが

残業をしていない業種の方が

少ないと思いますので

 

約50%の事業場では36協定の

締結をせずに残業や休日労働が

行われている可能性があります。

 

36協定の締結をせずに残業などを

従業員にさせてしまうと罰則が

ありますので注意したいものです。

 

現在ではあまりないと思いますが

労働契約については労働条件を

通知するルールになっています。

 

一般的には労働条件通知書によって

採用した人へ交付することが多いと

思います。

 

見落とされがちなのが賃金台帳

労働者名簿、年次有給休暇管理簿

の作成・保存です。

 

中小企業では専任の総務はいない

ことが常態化しているため

 

多くは社長さんが対応している

のが現実になります。

 

すると賃金台帳などの作成義務がある

ことを知っている社長さんであれば

ネットなどで書式を見つけて作成している

ことがありますが

 

こういった社長さんはまれなので

実際には従業員が退職するときに

 

離職票を作成するときに賃金台帳

の存在を知ることは珍しくないと

思います。

 

正社員と非正規社員との不合理な

待遇差の具体例としては

正社員には通勤手当を支給していて、非正規社員には通勤手当を支給しない

といったようなものです。

 

判例では賞与の不支給で争われた

事例もありますね。

 

要するに、正社員とパート労働者で

社会一般的に考えておかしな

待遇差はダメですよ!!というルールです。

 

最後に回しましたが就業規則は

従業員が10名以上になったときに

作成義務が生じます。

 

では、9名までなら就業規則は

作成義務はないのかというと

法律上は作成義務はないです。

 

しかし、会社運営上では作成して

おいた方がよいかもしれません。

 

中小企業が働き方改革関連法案に対応するには?

さて、現状で対応しなければ

ならないものを確認したと仮定して

 

中小企業で新たにルールになっている

ものがさらに3つあります。

 

この3つは働き方改革関連法案

と呼ばれているルールです。

 

①年次有給休暇の時期指定

②時間外労働の上限規制

③同一労働・同一賃金

 

実務上で優先した対応が必要

になるのは36協定と時間外労働の

上限規制になります。

 

先ほど申し上げたように

残業や休日労働を従業員に

してもらうためには

36協定の締結が必要になります。

 

36協定を締結すれば何時間

でも従業員に労働をさせてもよい

わけではないです。

 

以前から労働時間の上限規制は

あったものの2020年4月からは

中小企業でも以下のルールが

適用されることになりました。

 

残業時間の上限は原則として月45時間・年間360時間を超えることはできない

また月45時間の残業は毎月

できるわけではなくて

 

月45時間を超えることができるのは1年間のうち6か月まで

になっています。

 

まとめると

①36協定を締結して労働基準監督署に提出する

②残業や休日労働の時間の上限時間を守る

 

現実的には従業員の労働時間を

社長さんが管理することになります。

 

 

 

中小企業でなかなか難しいのは

有給休暇の消化になります。

 

年次有給休暇の時期指定とは

使用者は、法定の年次有給休暇付与日数が10日以上のすべての労働者に対し、毎年5日、年次有給休暇を確実に取得させる制度

になります。

 

現場に当てはめると従業員から

有給取得申請を行って有給を

取ってもらうのが通常ですが

 

時期指定の制度では社長さんが

従業員から有給休暇の意見を聞いて

 

なるべく従業員の意向に沿った

日にちで有給休暇にしてもらう

ことになります。

 

これを毎年5日は有給休暇を強制的に

従業員に取得してもらうことになります。

 

これに付随して年次有給休暇管理簿を

作成・保存する必要があることになります。

 

同一労働・同一賃金は

正社員とパートで不合理な待遇差を

なくしましょう!!という制度です。

 

実際には同一賃金ガイドライン

に沿った対応になります。

 

残業代の計算や有給休暇の取得でのポイント

上記の中で実務上のポイント

として残業代の計算や

有給休暇の取得に特化した解説を

 

実務上の視点から行って

行きたいと思います。

 

36協定を締結する場合には

残業をすることが前提になると

思います。

 

実務上では残業代の計算をする

必要があります。

 

残業をした場合には1.25の

割増賃金を支払う必要があるので

 

時給が1000円の人であれば

1000×1.25=1250円が時給になり

 

残業時間をかけて残業代を計算する

ということになります。

 

なお、給与明細では残業手当など

基本給とは異なる項目で表示する

ことになりますので

 

残業代はくれぐれも基本給に

含めて給与明細を発行しないよう

にしてください。

 

有給休暇は従業員を雇用した

日から6か月間働いて

 

この間の出勤率が80%以上だと

一番最初の有給休暇を取得する

仕組みになります。

 

6か月経過後の2回目以降は

その6か月の日から1年経過後に

付与され日数も増えていきます。

 

従業員が有給休暇を申請した場合は

社長さんが拒否することは原則できません。

 

社長さんが有給休暇の日を

変更する時季変更権というものがありますが

 

繁忙期で休まれたら困ってしまうとか

他の従業員からの有給申請が同じ時期

に重なってしまい事業に支障が出る

 

といった事情がないと時季変更権を

使うことは難しいです。

 

 


編集後記

労働時間について労働基準監督署

から検察庁へ告発されたケースでは

 

タイムカードの労働時間を仮装して

本当の労働時間では残業あるにも

かかわらず

 

残業がないことにして残業手当を

支給しないといった事例を見た

ことがあります。

 

労働基準法の罰則は刑事罰なので

もし裁判になり確定すると前科が

つくことになります。

 

前科がつくことと適法に行うのと

どちらがよいのかという判断に

なろうかと考えます。

 

 

では税理士・行政書士・社会保険労務士

の齋藤幸生でした!!

 

それでは、また!

 

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この記事は、その時の状況、心情で書いています。
また、法令に関しては、その後改正された場合には、
異なる取り扱いになる可能性があります。

 

 

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