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【建設業】こんな処理していると税務調査で消費税が追加でとられますよ!!

消費税 相殺処理

【建設業】こんな処理していると税務調査で消費税が追加でとられますよ!!

こんにちは!

 

税理士・行政書士・社会保険労務

の齋藤幸生です!

 

今回は・・・

建設業に特化した税務調査で

やられてしまう

消費税の処理を解説します。

 

それでは、スタートです!!

 

建設業では相殺処理はダメ!絶対!!

建設業で頻繁に行われている

請求書上の取引は相殺です。

 

例えば、こんな感じです。

①請負工事 300万円

②常用・応援 50万円

③常用・応援控除 30万円

④差し引き合計額 320万円

という感じです。

 

あなたとしては請負工事と

人工代合わせて350万円を請求

したところですが

 

請負面積の都合上、他社から大工

を追加で入れたので

 

その人工代が控除されることで

最終的に売上の請求額が320万円

になってしまったという感じです。

 

こういった相殺が毎月行われて

処理していると

 

多くの場合には320万円として

売上に計上していると考えています。

 

法人税、所得税では320万円

であったとしても問題ないです。

 

利益は同じなので税額に

影響はありません。

 

しかし、消費税では大変な問題に

なる可能性があります。

 

なぜなら、消費税の売上の概念は

総額だからです。

 

つまり、消費税の本来の売上は

350万円になります。

 

30万円は外注費になるため

売上と相殺して処理できないです。

 

これがどのように影響するのか

を以下で解説します。

 

 

総額ではあなたは課税事業者になるかも

相殺処理をして確定申告書を

提出していたところ

 

あるとき、税務署から税務調査に

行きたいのですが?と

 

税務署の職員から電話が

かかってきました。

 

理由を聞いてもはっきり

言わないため

日程を調整してきてもらうことに。

 

調査当日に職員が売上を確認

したいとのことなので

 

売上の請求書と帳簿を確認

してもらうことに。

 

職員は、売上の請求書の金額と

帳簿の金額がずれていますね。

 

帳簿の金額の方が少ないので

内容を教えてください。

と聞かれました。

 

 

 

そこであなたは1次下請けから

交付してもらった支払明細を

職員へ見せました。

 

すると職員は

なるほど・・・外注費の相殺が

あって純額で売上の処理をして

いたんですね!!

 

ただ・・・

 

先ほど確認させていただきました

売上の請求書によれば

 

2021年のあなたの年間の売上は

どうやら1000万円を超えている

ようなのです。

 

これだとあなたは2023年から

課税事業者になります。

 

あなたのご認識としては

免税事業者で

 

2023年10月からインボイス

登録事業者になって

 

2023年分の消費税の確定申告書を

2割特例で申告していますが

これは間違いになります。

 

2023年1月から12月までの1年分の

取引が消費税の課税対象になるため

 

原則課税といって実額消費税の

計算をすることになりますね。

 

つまり、あなたは免税事業者で

インボイス発行事業者になった

ことで課税事業者になった

という認識を持っていたのですが

 

実は、総額の売上で計算すると

2021年には売上が年間で1000万円

を超えており

 

2023年1月から課税事業者に

なっていたということです。

 

こういった場合は2023年1月

から12月までの消費税の実額で

一度計算して

 

2割特例で支払った消費税を

差し引いた分の消費税を納付し

 

さらに過少申告加算税

という罰金も支払うことになります。

 

総額処理では簡易課税が適用できなくなるかも

上記の例では免税事業者であった

と思っていたところ

 

実は課税事業者になってしまった

という事例でした。

 

今回は、簡易課税を選択している

建設業になります。

 

前提は、先ほどと同様に売上と

外注費を相殺処理しているとします。

 

ある時、税務調査の連絡が来て

税務調査当日

 

2名の職員で税務調査が行われ

ました。

 

1名の職員が売上の確認ため

売上の請求書と帳簿を確認しています。

 

売上の請求書と帳簿の金額が

合わないため内容の説明を求め

られました。

 

支払い明細に基づいて処理して

いるためその旨の説明をしました。

 

その日は帳簿と書類の内容を

見て終了して税務調査2日目の朝

 

職員が社長さんに次のような

話をします。

 

社長さん、2021年3月期の

年間の売上で支払い明細から

 

外注費を相殺する前の

総額の売上を計算したところ

 

どうやら5000万円を超えている

ようなので

 

2023年3月期の法人消費税の

確定申告では簡易課税を使えません。

 

つきましては、消費税を計算

しなおして納税の場合には修正申告を

 

還付の場合には更正の請求書の

ご提出をお願いします。

 

簡易課税で計算するためには

法人の場合は、前々事業年度の

課税売上高が5000万円以下である

必要があります。

 

この会社では売上を外注費と

相殺処理した純額で処理していたため

 

簡易課税で計算できる売上を

超えてしまい強制的に原則課税

で計算する指導を受けたことになります。

 

 


編集後記

今回ご紹介したことは税理士が

ついていても起こりえることです。

 

税理士は売上が総額で処理されて

いるものと考えて資料の確認を

行わないことがあります。

 

ところが関与先ではそのような

ことを税理士から聞いていない

ため売上を純額で処理している

といった齟齬が生まれます。

 

私も過去に1度だけ相殺されて

いた処理を税務調査で発見された

ことがあります。

 

このとき、関与先は課税事業者で

原則課税で計算していたため

問題になることはなかったです。

 

よかった!!

 

課税事業者である1000万円のライン

簡易課税である5000万円のライン

では純額処理で問題が起こる可能性

があるわけです。

 

 

では税理士・行政書士・社会保険労務士

の齋藤幸生でした!!

 

それでは、また!

 

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この記事は、その時の状況、心情で書いています。
また、法令に関しては、その後改正された場合には、
異なる取り扱いになる可能性があります。

 

 

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