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【建設業】令和5年のデータで国土交通省の取り組みと今後の対応を解説

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【建設業】令和5年のデータで国土交通省の取り組みと対応を解説

こんにちは!

 

税理士・行政書士・社会保険労務

の齋藤幸生です!

 

今回は・・・

建設業をやっている中小企業

ための対応を解説します。

 

それでは、スタートです!!

 

令和5年のデータと国土交通省が考える働き方改革等の推進

令和5年の建設業就業者を確認

してみると

・建設業就業者:483万人

・うち技術者:38万人

・うち技能者304万人

となっています。

 

全産業に占める建設業就業者

の割合は7.2%になっているようです。

 

建設業就業者の高齢化も進行

しているようで

36.6%が55歳以上になっており、29歳以下が11.6%

となっています。

 

因みに、全産業の55歳以上の

割合は31.9%になっていますので

 

高齢化という問題は建設業だけ

というわけではなさそうです。

 

しかし、29歳以下の割合を

確認してみると

 

全産業における29歳以下の

割合は16.7%ですから

 

建設業よりも5%多いことに

なっています。

 

高齢化という問題以外に

後継者不足のほうが問題なの

かもしれません。

 

次に産業別の年間出勤日数と

年間実労働時間数の比較を

確認してみます。

 

年間出勤日数の比較

・建設業:245日

・全産業:233日

となっており、建設業は12日多いことになります。

 

年間実労働時間数の比較

・建設業:2025時間

・全産業:1957時間

となっており、建設業は68時間多いことになります。

 

建設業における平均的な

休日の取得状況を確認すると

技術者と技能者で最も多い休日取得は、4週6休程度の枠

になります。

 

要するに月に6回の休日に

なっているわけです。

 

国土交通省が推進している

働き方改革等は次のものです。

①労働時間の上限規制に対応するための周知

②公共工事における週休2日工事の対象拡大

③適正な工期設定

④工事関係資料の簡素化による生産性の向上

 

上記の中で中小企業が知って

おきたいことは②と③です。

 

②は週休2日制の対象工事を

増やす取り組みです。

・国の直轄工事では令和5年度は原則すべての工事で実施

・都道府県の工事では令和6年度から原則100%を目指す

・市町村の工事では国と都道府県が連携して導入拡大を働きかけ

となっています。

 

この記事は令和6年7月18日に

書いておりますのですでに

都道府県レベルの工事では

 

週休2日制の工事が行われて

いないとおかしいことになります。

 

③では工期を延長するなどの

取り組みが行われています。

・中央建設業審議会が工事に関する基準を策定(令和2年度より)

・直轄土木工事において作業不能となる猛暑日分の工期延長の取り扱いを明確化

といったことがあります。

 

因みに、③の工期延長では

建設Gメンの拡充があり

 

体制倍増を行って労基署との

合同調査などの実地調査を拡充

とあります。

 

内部からの告発で

いきなり現地調査が行われる

おそれがあります。

 

国土交通省が考える賃上げに向けた取り組み

令和5年度の建設業労働者の

平均賃金は432万円と推計されています。

 

全産業労働者では508万円が

平均になっています。

 

公共事業では労務単価を12年

連続で引き上げているそうです。

 

令和5年度では22,227円となっており

令和6年度では23,600円として

労務単価を上げる予定のようです。

 

次に国と建設業4団体の申し合わせ

では技能者の賃上げについて

 

5%を十分の上回る上昇を目標

にしているようです。

 

他には以下の取り組みもあります。

・技能レベル別の年収を試算、発表

・1.2万社を対象に元下の取引を調査

・160社を対象に実地調査→賃金上昇が阻害されないように指導

 

以上のことからわかるように

今後は中小企業であっても

賃上げを求められることになる

と考えます。

 

 

 

国の施策としては今後

建設キャリアアップシステムを

使った賃上げを考えていると

思われます。

 

というのは、建設キャリアアップ

システムは技能・経験に応じた

適切な処遇をつなげようという

目的があるためです。

 

具体的には技能者の年収を今後

アップさせるように動くと考えます。

 

先ほど申し上げた

技能レベル別の年収を試算、発表

について

 

年収が試算されて発表されると

中小企業は技能者からレベル別の

年収を支給しているのかを判断されます。

 

建設キャリアアップシステムは

現在、130万社を超える技能者

 

25万社を超える事業者が登録

しているところです。

 

建設キャリアアップシステム

にて経験・技能に応じた処遇改善

を進める例があるようです。

 

因みに次のようなかたちで

キャリアアップ手当を支給

している例があります。

 

レベル キャリアアップ手当
4(金) 20,000円
3(銀) 15,000円
2(青) 10,000円
1(白) 5,000円

 

建設キャリアアップシステム

では就業履歴の蓄積と

能力評価の実施がありまが

 

能力評価を受けた技能者は

2024年2月時点で約9万人とのこと。

 

登録した技能者は130万人いるのに

9万人しか使っていないデータと

なっているわけです。

 

国土交通省としては就業履歴や

能力評価はさらなる拡大の余地が

あると考えています。

 

 

中小企業はどう取り組むのか?

国土交通省が作成した資料を

かいつまんでご紹介しましたが

 

こういったことを踏まえて

中小企業がどのように対応するのか

になります。

 

まず対応したいことは

2024年4月から規制が強化された

労働時間についてです。

 

原則、月45時間以内、年360時間以内

とされています。

 

臨時に上記が超える場合でも

・1か月45時間を超える残業は年間6階まで

・残業時間の上限は1年720時間まで

・休日労働と合わせても1か月100時間未満、2~6か月平均80時間以内

とされています。

 

こちらを踏まえて今後は

4週8閉所や週休2日制などを

考慮した工期の設定が始まって

くると考えます。

 

この場合に、問題となることは

日給月給制であるため職人への

給与が減るということです。

 

対応策としては月給制にして

現場に出勤してこない問題職人

対応としては

 

ノーワークノーペイの原則で

給与控除をするといった対応が

考えられます。

 

日給月給だと働いた日給を

蓄積して月給で支給する仕組み

になるわけですが

 

月給制では出勤しない日を

給与控除する仕組みにする

という逆の支給方法です。

 

職人が集まらないのであれば

規模を維持することが難しく

なってくると考えます。

 

この場合は、規模を縮小して

抱えている職人の人数にあった

規模の事業を運営するといった

考え方もあります。

 

労働時間の対応が完了したあとは

建設キャリアアップシステムでの

就業履歴と能力評価への対応です。

 

今は、これらをやっている場合には

経審で資料を出すだけになっている

ところですが

 

何年か後には建設業法に規定として

法制化されるとか

 

就業履歴・能力評価をしていないと

公共工事の受注ができないとか

といったことが起こる可能性があります。

 

対応は何をやったらよいのか

ということになりますが

 

現場で建設キャリアアップシステム

に直結するカードリーダーの設置で

就業履歴の蓄積ができます。

 

現状だと、まだ建設キャリアアップ

システムのカードリーダーが設置

されていない現場もあると思います。

 

今後は設置される現場が増える

ことになると思います。

 

能力評価は経験や資格に応じた

レベル判定です。

 

国土交通省の資料であるのは

・レベル1:未経験で資格なし

・レベル2:経験3年で玉掛け・技能講習

・レベル3:経験7年で1級鉄筋工技能士、職長経験3年

・レベル1:経験10年、登録基幹技能者、職長経験3年

といった感じです。

 

 

 


編集後記

職人からオーナー社長にという

人が建設業では多いと思います。

 

当時は、経験を10年積んで

建設業許可を取得して請け工事を

しながら

 

銀行から融資を受けて

といった感じで経営はうまく

行っていたのだと思います。

 

しかし、時代は変わってきている

と感じています。

 

労働時間規制、評価体制の明確化

が行われて対応しないと

 

人が集まってこないことで

会社から倒産する可能性が出てきました。

 

私が関与している建設業は

型枠大工が多いのですが

 

こちらはまだ単価が上がっており

生コンの価格の上昇もありまして

請け工事の金額も悪くはないですが

 

人手不足というのは以前からあり

受けることができない工事が

あったりします。

 

現代的な建設業に変化・対応できる

会社が今後周りから抜け出して

 

安定的な事業運営ができるように

なってくると考えます。

 

 

では税理士・行政書士・社会保険労務士

の齋藤幸生でした!!

 

それでは、また!

 

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この記事は、その時の状況、心情で書いています。
また、法令に関しては、その後改正された場合には、
異なる取り扱いになる可能性があります。

 

 

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