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【マイクロ法人】マイクロ法人の経費や将来の年金の問題点

法人化 マイクロ法人

【マイクロ法人】マイクロ法人の経費や将来の年金の問題点

こんにちは!

 

税理士・行政書士・社会保険労務

の齋藤幸生です!

 

今回は・・・

マイクロ法人の問題点を

解説します。

 

それでは、スタートです!!

 

マイクロ法人の経費の問題点

マイクロ法人とは

売上規模や給与を低く抑えて運営する法人

になります。

 

私見ですが年間の売上は

1千万円以下で

 

オーナー社長になる人の給与は

社会保険の最低額に設定する

といった運用です。

 

個人事業と大差はなく

個人事業を法人で運営する

といったイメージです。

 

さて、経費の問題点を指摘して

おきたいと思います。

 

法人税法上では一部の経費を

除いて法人で使われた経費は

損金に算入されます。

 

損金とは法人税の計算上で

経費になる概念です。

 

ここまでだと法人で使った

経費はなんでも損金になる

といった誤った理解になります。

 

そもそも法人の経費は事業遂行上

で必要なものであることが大前提です。

 

何が言いたいのかというと

社長への給与を社会保険が

最も最低になる金額にすると

 

必然的に給与以外の経費が増え

その中に個人的な経費が計上

されているのではないか?

と疑問が残ります。

 

税務調査で個人的な経費として

疑問を持たれるものとしては

飲食代

が例になると思います。

 

売上と比較してそこまで

飲食代がかかりますか?

という疑問です。

 

飲食代のレシートや領収書を

確認してみると

 

オーナー社長の自宅付近での

飲食が多くなっているとか

 

やたら接待を伴う飲食店の

領収書が多いとかなどが

考えられます。

 

自宅付近の飲食代が多い場合には

家族との食事代を法人経費にして

いるだけとか

 

接待を伴う飲食店が多い場合には

オーナー社長一人で行っていて

事業とは何ら関係がない飲食

という可能性も否定しきれません。

 

その他、毎年8月には旅行に

行っていて宿泊費が経費に計上

されている場合には

 

家族旅行では?という疑問も

あるかもしれません。

 

マイクロ法人ではそもそも

個人事業と大差がないわけ

ですから

 

経費は個人事業と比較して

法人だから多く計上できる

とは限りません。

 

事業遂行のための経費を計上する

という点においては

 

経費になる判断の入り口は

個人と法人でそこまで変わらない

ことになります。

 

もし、税務調査にて個人的な経費

であると事実認定されるとしたら

 

過去の申告において修正申告と

追徴課税+罰金がかかることが

あります。

 

 

マイクロ法人だと将来の年金額が不安かも

マイクロ法人の最大の問題点

はオーナー社長の給与設定額が

 

社会保険料の標準報酬月額

で最低ランクにすることです。

 

令和6年3月以降で最新の

健康保険・厚生年金保険の

保険料額表の東京都を確認すると

 

月額63,000未満にすることで

標準報酬の等級1になります。

 

このときの社会保険料は

次の負担額になります。

 

①健康保険:5,788(個人負担分は2,894円)

②介護保険料(40歳以上の場合):928円(個人負担分は464円)

③厚生年金保険料:16,104円(個人負担分は8,052円)

 

個人負担分の合計は

40歳以上と仮定すると

11,410円になります。

 

マイクロ法人でこのような

設定する理由は

 

個人事業主だと国民健康保険に

なり所得割が高額になる可能性

があることから

 

法人から給与を支給して

健康保険料を下げるという

スキームになります。

 

 

 

マイクロ法人から給与をもらう

手法によって健康保険料は

 

国民健康保険料に比べて

減ると思います。

 

しかし、問題は将来に受給する

年金額も減ってしまうことです。

 

将来受給する厚生年金は

老齢厚生年金になり

 

年金額は

報酬比例部分+経過的加算+加給年金の合計額

になります。

 

経過的加算と加給年金はおまけ

のような年金なので

 

大部分は報酬比例部分が占める

ことになります。

 

報酬比例部分は平成15年4月以降

加入を前提の計算だと

平均標準報酬額×5.481÷1,000×平成15年4月以降の加入期間の月数

になります。

 

平均標準報酬額は

平成15年4月以降の加入期間について、計算の基礎となる各月の標準報酬月額と標準賞与額の総額を、平成15年4月以降の加入期間で割って得た額

になります。

 

つまり、月給を6万円にしてずっと

支給継続し、賞与も支給せず

加入期間20年と仮定すると

 

6万円×5.481÷1,000×240か月=78,926円

と計算されます。

 

このように将来もらえる

老齢厚生年金の報酬比例部分は

雀の涙くらいの金額です。

 

マイクロ法人を廃業すると

生活が成り立たなくなる

と思います。

 

メリットとデメリットを比較してマイクロ法人を運営する

マイクロ法人のもう一つ

デメリットを申し上げると

 

住宅ローンの金額を多く

組むことが難しいことです。

 

というのは、お金を貸す側の

銀行の立場になれば理解しやすい

と考えます。

 

年収が1千万円のオーナー社長と

年収が72万円のオーナー社長で

 

どちらに多くの住宅ローンを

組ませやすいのかというと

 

年収が1千万円のオーナー社長

になりますね。

 

基本的に融資は資力という

返済能力の大きさで金額が

決まることが多いです。

 

このようにマイクロ法人では

健康保険料の負担は減ったり

 

マイクロ法人といえども法人

ですから対外的な信用力は

あるのがメリットです。

 

メリットとデメリットを比較して

マイクロ法人の運営を考えてみる

というのも判断材料です。

 

 


編集後記

最初はマイクロ法人であっても

その後売上を増やしていく

スタイルの法人であれば

 

デメリットの解消になると

思います。

 

売上が増えれば社員も雇う

ことになりますし

 

オーナー社長の給与も上げて

そもそも事務所も借りて

といった一般的な法人運営に

なりますね。

 

今の健康権料が高いとか

将来、年金をもらうことが

できるかわからないといった

 

社会保険対策という1点のみで

マイクロ法人で運用するのは

デメリットが多いような気が

します。

 

 

では税理士・行政書士・社会保険労務士

の齋藤幸生でした!!

 

それでは、また!

 

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この記事は、その時の状況、心情で書いています。
また、法令に関しては、その後改正された場合には、
異なる取り扱いになる可能性があります。

 

 

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