【親会社と子会社の取引】税務調査で否認されないためのポイント
こんにちは!
税理士・行政書士・社会保険労務
の齋藤幸生です!
今回は・・・
親子会社間の取引について
税務調査でのポイントを解説します。
それでは、スタートです!!
親子会社間取引が税務調査で問題になるポイント
親子会社間取引はよくありますが
税務調査では問題になる可能性が
あったりします。
理由は、利益移転目的ではないか
と疑われるからです。
よくある取引としては
日本の子会社が日本で収益を
獲得して収益の○○%を
海外の親会社へコミッション
名目で支払ったり
仕入で支払ったりする
取引があります。
税金計算の主目的は
適正な税額計算です。
親子会社間取引では上記のように
儲けている会社から上納金のように
親会社へ支払っている取引があり
これが税額計算をゆがめている
のではないかという疑問がでます。
法人税法上で引っかかることを
前提にすると
寄附金課税
になる可能性があります。
寄附金課税とは対価性のない
取引が行われたときに
法人税の計算で寄附金として
処理を行い経費にならない
取引として扱う制度です。
こちらを
寄附金の損金不算入
といいます。
親子会社間取引で寄附金課税
として認定されると
日本の子会社では親会社へ
支払った金額の全額が経費に
ならなくなり
修正申告を行って本税の追徴課税
と過少申告加算税という罰金を
支払うことになります。
最悪、利益移転であると認定された
場合には重加算税の対象になる
場合があります。
寄附金課税されないために
寄附金課税の最大のポイントは
対価性の有無です。
対価性とは
・取引を行う合理的な理由があるかどうか
・金額が合理的かどうか
になります。
もう少し一般的な言葉で
申し上げると
その取引を行わないと
日本で売る商品がないなどが
取引の合理性になり
金額の合理性は第三者との
取引であっても同じ水準の金額
になるかどうかです。
親子会社間取引では子会社が
親会社へ支払う売上に対応する
コミッションは
仕入として処理を行っている
ことがあります。
すると売上に対応するのが
売上原価である仕入なので
親会社に支払う取引は
売上に密接に関係があるものと
考えることができます。
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金額については親会社が
子会社といった関係していない
まったくの赤の他人に請求する
金額と同程度の水準であると
子会社が親会社へ支払った金額は
合理性があると判断できます。
同水準という意味はまったく
同じ金額を意味するものではなく
おおむね同じような水準の
金額になります。
例えば、親会社から子会社への
請求金額は売上の45%だったと
仮定すると
第三者への請求が第三者の売上の
50%だったとしたらおおむね
同水準と判断可能です。
差額が5%ありますが
こちらは関係会社になるため
子会社育成のために少し低い
水準で親会社が子会社に販売している
と主張することは可能かもしれません。
このように取引と金額の両方で
合理性を担保する必要があります。
中小企業では金額と対価性に根拠をつくる
中小企業では移転価格税制よりも
寄附金課税に注意するほうが
メリットは大きと考えています。
というのは、移転価格では
価格の問題になり
日本と外国でどちらが利益を
取るのかという面倒なことに
税務当局が巻き込まれることに
なる可能性があります。
税務調査官の立場からすれば
よくわからない移転価格で
問題にするよりも
寄附金課税で対価性を説明
できないため修正申告を勧奨した
とする方が楽です。
では、取引の合理性を説明できた
としても根拠が必要になります。
以下の文書は最低限必要に
なると考えます。
①取引の契約書(なるべく日本語が望ましいです。)
②親会社からの請求書
③子会社からの支払いの履歴
契約書は日本語以外の言語では
英語であれば翻訳の必要はない
ことが多いです。
おおむねポイントとなるところ
だけを抽出してその場での翻訳
を求められるくらいです。
英語以外だと語学の問題があり
韓国語では全部翻訳を求められた
ことがあります。
これは税務調査官によって
対応は異なると思います。
請求書や支払の履歴は通常の
取引と同様に必須です。
これらの資料が必要なのは
事実認定を行うために必要です。
近年、税務当局では証拠資料の
コピーを持ち帰りましょう!!
という指導が行われています。
証拠資料と納税者との答弁との
整合性を取って事実認定をする
ということになります。
編集後記
中小企業では移転価格について
問題とされることは多くないと
考えています。
なぜなら、対応ができないため
ということがあります。
移転価格のベースとなる算定根拠
多国籍企業間取引での取引の水準など
いろいろと調べることが必要ですし
最終的には税務当局に
事前照会をしていないと
税務調査でもめることが
決定的になるからです。
しかし、一税務署の担当者が
移転価格について何かを
納税者に言える立場にはないと
考えています。
税務署ではなく国税局の
調査官でないと対応は難しい
と考えます。
では税理士・行政書士・社会保険労務士
の齋藤幸生でした!!
それでは、また!
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