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【所得税の間違いやすい事例】固定資産の処理で間違いやすいことを解説

間違い 所得税

【所得税の間違いやすい事例】固定資産の処理で間違いやすいことを解説

こんにちは!

 

税理士・行政書士・社会保険労務

の齋藤幸生です!

 

今回は・・・

所得税の確定申告において

固定資産の処理で間違いやすい

事例を解説します。

 

それでは、スタートです!!

 

消費税の経理方法で間違いやすい固定資産の判断

消費税の経理方法は2つあります。

①税込経理方式

②税抜経理方式

になります。

 

結論から先に申し上げると

固定資産の取得価額の判断が

それぞれ異なります。

 

税込経理方式では

取得価額は消費税を

含んだ金額で判断します。

 

税抜経理方式では

取得価額は消費税を抜いた

金額で判断します。

 

具体的に数字で確認してみましょう。

金額209,000円でパソコンを購入した。

この場合のそれぞれの取得価額の判断は次のようになります。

 

税込経理方式

209,000円で工具器具備品へ計上します。

税抜経理方式

本体金額の19万円で工具器具備品へ計上します。

 

取得価額とは勘定科目へ金額を

計上するときの金額です。

 

こちらが以下の

・一括償却資産の取得価額

・少額減価償却資産の取得価額

に影響を及ぼします。

 

 

一括償却資産の処理で間違いやすい事例

一括償却資産とは

取得価額が10万円以上20万円未満の固定資産を購入したときに、3年間で減価償却する制度

になります。

 

先ほどのパソコンを考えて

みますと消費税の経理方法で

適用が変わります。

 

すなわち、税込経理方式だと

税込金額が取得価額になるため

209,000になります。

 

一括償却資産にはならない

判断になります。

 

税抜経理方式では税抜金額である

19万円が取得価額になるため

 

一括償却資産に該当する

計算になります。

 

因みに、パソコンの耐用年数は

4年と決まっていますが

 

一括償却資産だと3年で償却を

終えることになるため

 

一括償却資産で処理したほうが

経費が前倒しで計上できること

になり所得税を減少させます。

 

細かな論点ですが購入した年

で減価償却をする場合に

月数按分をします。

 

しかし、一括償却資産では

かならず3年で償却になりますので

どの年も12/36で減価償却をします。

 

一括償却資産では月数按分は

行わないのです。

 

 

話は変わりまして申告での

判断の間違えを確認します。

 

一括償却資産を令和5年に取得し

令和6年に廃棄したとします。

 

通常であれば固定資産除却損を

計上して前年末の帳簿価額が

全額経費算入になります。

 

しかし、一括償却資産は廃棄しても

廃棄した年に帳簿価額を全額

必要経費にできません。

 

なぜなら、かならず3年間で

減価償却する制度だからです。

 

もう一つの申告での間違いは

次のようなものです。

令和5年で一括償却資産として処理をしたが減価償却せずに確定申告を行った。

ところが申告期限が過ぎたあとに、減価償却をしていないことに気が付いた。

この場合は、更正の請求にて

一括償却資産の減価償却を行い

所得税を取り戻すことができそう

と考えるかもしれません。

 

ところが、できません。

 

なぜなら、一括償却資産の

減価償却が認められる要件として

確定申告書に一括償却対象額を記載した書類を添付し、かつ、計算に関する書類を保存していた場合に限り、適用される。

とされています。

 

要するに当初の確定申告書に

一括償却の金額を表示させて

 

減価償却の処理を行っていないと

必要経費にできないという考え方です。

 

こちらを当初申告要件といったり

します。

 

少額減価償却資産で間違いやすい事例

少額減価償却資産とは

青色申告者が、取得価額10万円以上30万円未満の少額減価償却資産(「一括償却資産」の適用を受けるものを除きます。)を取得等し、その業務の用に使用した場合には、減価償却の計算をしないで、業務の用に使用した時にその取得価額をそのまま必要経費に算入することができます。

ただし、業務の用に使用する年において少額減価償却資産の取得価額の合計額が300万円を超える場合は、その取得価額の合計額のうち300万円に達するまでの取得価額の合計額を限度とします。

国税庁 「中小企業者の少額減価償却資産の取得価額の必要経費算入の特例制度とは」から抜粋

 

要件を整理すると

①青色申告していること

②取得価額が10万円以上30万円未満であること(一括償却資産は除きます。)

③少額減価償却資産として処理した取得価額の合計額は300万円まで処理できること

 

実務上では10万円以上30万円未満

の範囲に一括償却資産が含まれる

ことになりますが

 

少額減価償却資産で処理することで

一括経費計上ができるため

少額減価償却資産を選択して処理

することが多いです。

 

さて、消費税の経理方法を

確認してみましょう。

 

今度は、税込金額が319,000円の

パソコンを購入したという仮定で

確認します。

 

税込経理方式では319,000円で

取得価額を判断しますので

少額減価償却資産は適用できません。

 

税抜経理方式では29万円で

取得価額を判断しますので

少額減価償却資産になります。

 

このように消費税の経理方法で

判断が異なるのです。

 

次に300万円の判断で間違ってしまう

ことを確認します。

 

例えば、税抜経理方式で税込319,000円の

パソコンを11台購入したとします。

 

すると少額減価償却資産で処理

できる台数は10台までです。

 

なぜなら、税抜29万円×10=290万円

11台目を含めると3,190,000円になり

取得価額の合計額が300万円まで

という規制に引っかかるためです。

 

このように11台目まで

少額減価償却資産で処理をしてしまう

という間違い事例があるようです。

 

一応念のために申し上げますが

11台目の29万円のうち10万円部分

だけを少額減価償却資産にする

というのもできません。

 

最後に申告上での間違いです。

次のような間違いです。

令和5年に29万円(税抜)のパソコンを購入して通常の減価償却をして確定申告をした。

ところが、申告期限後に少額減価償却資産で処理ができると知って、少額減価償却資産で処理をしたいと考えた。

 

この場合は通常の減価償却より

少額減価償却資産で処理をした

方が所得税が減少するため

 

更正の請求により処理を改める

ことができそうです。

 

しかし、少額減価償却資産を

適用するためには

確定申告書に少額の減価償却の取得価額に関する明細書の添付がある場合、又は、添付する青色申告決算書に措置法28の2①の適用をうけること等一定の事項を記載し、その減価償却資産の明細を別途保管している場合に限り、適用される。

という要件があります。

 

一般的には青色申告決算書の

減価償却の明細書に

措置法28の2①

と書くことが多いです。

 

こちらも当初申告要件が必要

になります。

 

したがって、すでに通常の

減価償却の処理をして確定申告書を

提出している場合には

 

あとで少額減価償却資産に直して

所得税を取り戻すことはできない

ことになります。

 

 


編集後記

消費税の経理方法が問題になる

のはインボイス制度によって

2割特例が適用される事業者が

多いと考えます。

 

会計ソフトでは2割特例を適用

すると消費税の経理方法は

税込経理方式へ自動的になっている

と考えられるからです。

 

申告上での間違いは誰にでも

発生する可能性があります。

 

実務上では10万円以上の

固定資産を購入した場合は

 

少額減価償却資産の検討

一括償却資産の検討

通常の減価償却

といった順で行うと間違いを

減らせると考えます。

 

 

では税理士・行政書士・社会保険労務士

の齋藤幸生でした!!

 

それでは、また!

 

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この記事は、その時の状況、心情で書いています。
また、法令に関しては、その後改正された場合には、
異なる取り扱いになる可能性があります。

 

 

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