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【在宅勤務手当】所得税の取り扱いと割増賃金の算定基礎から除外場合とは?

在宅勤務 割増賃金

【在宅勤務手当】所得税の取り扱いと割増賃金の算定基礎から除外場合とは?

こんにちは!

 

税理士・行政書士・社会保険労務

の齋藤幸生です!

 

今回は・・・

在宅勤務手当について税金と

賃金の観点から解説します。

 

それでは、スタートです!!

 

在宅勤務手当の所得税の取り扱い

在宅勤務手当には大きくわけて

以下2つの支給方法があります。

①単純に在宅勤務手当として賃金で支給する方法

②従業員の実費弁償の性格として支給する方法

 

在宅勤務手当は基本的に賃金

の性格を有しているため

 

所得税では給与課税される

ことになります。

 

しかし、国税庁が公表している

在宅勤務に係る費用負担等に関するFAQ(源泉所得税関係)

では

 

在宅勤務に通常必要な費用について、その費用の実費相当額を精算する方法により、企業が従業員に対して支給する一定の金銭については、従業員に対する給与として課税する必要はありません

としています。

 

事業主として従業員へ在宅勤務

手当を支給する場合に

 

単純な手当として支給するのか

実費弁償として支給するのかで

課税関係が変わるのです。

 

実費弁償は最後に解説します。

 

在宅勤務手当が割増賃金の算定基礎から除外される場合

令和6年4月5日には

厚生労働省労働基準局長通達

として在宅勤務手当が割増賃金の

算定基礎から除外される取り扱い

が公表されいます。

 

結論から申し上げると

次のようになれば割増賃金の

算定基礎から除外されます。

 

①実費弁償として支給されること

②①とするために従業員が実際に負担した費用のうち業務のために使用した金額を特定すること

③就業規則等で実費弁償分の計算方法が明示される必要があること

④在宅勤務実態を踏まえた合理的・客観的な計算方法がある必要があること

 

以上のことから

実務上ではただたんに在宅勤務手当

として月々5千円を支給するといった

支給方法では通常の給与になります。

 

この場合には当然ながら

割増賃金の算定基礎に含まれる

ことになります。

 

 

 

さて、在宅勤務手当を実費弁償

として処理するために最も困難

を極めると考えられるのは

在宅勤務の実態を踏まえた合理的・客観的な計算方法

を一体どうすればよいのか

ということになります。

 

この点、次の3つの方法が

示されています。

①在宅勤務に係る費用負担等に関するFAQ(源泉所得税関係)で計算する方法

②①の一部を簡略化した計算方法

③実費の一部を補足するものとして支給額の単価をあらかじめ定める方法

 

以下、実費弁償の計算のポイント

として解説しますが

 

前提条件の知識として・・・

所得税では国税庁のFAQを基に

計算しないと給与課税される

可能性があります。

 

つまり、割増賃金の算定基礎から除外

するための計算方法で示されている

②と③では

 

割増賃金の算定基礎から除外

されたとしても所得税では

給与課税される恐れがある

という意味です。

 

所得税と労働基準法の取り扱いが

異なるという理解をしておく必要

があると考えます。

 

 

実費弁償の計算のポイント

すべてを解説すると量が

多いので重要なポイントに

絞って解説します。

 

国税庁のFAQにおける計算方法

①従業員へ貸与する事務用品費や環境整備に関する物品等の購入

②通信費・電気料金

について解説します。

 

物品等の購入

イ 企業が従業員に対して、在宅勤務に通常必要な費用として金銭を仮払いした後、従業員が業務のために使用する事務用品や環境整備に関する物品等を購入し、その領収証等を企業に提出してその購入費用を精算(仮払金額が購入費用を超過する場合には、その超過部分を企業に返還)する方法

ロ 従業員が業務のために使用する事務用品や環境整備に関する物品等を立替払いにより購入した後、その購入に係る領収証等を企業に提出してその購入費用を精算(購入費用を企業から受領)する方法

このようにすることで

給与課税されなくなります。

 

通信費・電気料金

イ 企業が従業員に対して、在宅勤務に通常必要な費用として金銭を仮払いした後、従業員が家事部分を含めて負担した通信費や電気料金について、業務のために使用した部分を合理的に計算し、その計算した金額を企業に報告してその精算をする(仮払金額が業務に使用した部分の金額を超過する場合、その超過部分を企業に返還する)方法

ロ 従業員が家事部分を含めて負担した通信費や電気料金について、業務のために使用した部分を合理的に計算し、その計算した金額を企業に報告してその精算をする(業務のために使用した部分の金額を受領する)方法

なお、詳しい計算方法は国税庁のFAQの問6以降で確認できます。

 

国税庁のFAQを簡略化した

計算方法

通信費(電話料金、インターネット接続に係る通信料)及び電気料金については、在宅勤務手当の支給対象となる労働者ごとに、手当の支給月からみて直近の過去複数月の各料金の金額及び当該複数月の暦日数並びに在宅勤務をした日数を用いて、業務のために使用した1か月当たりの各料金の額を(1)の例により計算する方法。

この場合は、在宅勤務手当の金額を毎月改定する必要はなく、当該金額を実費弁償として一定期間継続して支給することが考えられる。なお、「直近の過去複数月」については、例えば、3か月程度とすることが考えられる。

また、「一定期間」については、最大で1年程度とし、「一定期間」経過後に改めて同様の計算方法で在宅勤務手当の金額を改定することが考えられるが、電気料金等は季節による変動も想定されることから、労働者が実際に負担した費用と乖離が生じないよう適切な時期に改定することが望ましい。

ただし、この取扱いは、当該在宅勤務手当があくまで実費弁償として支給されることを前提とするものであることから、実費弁償の考え方に照らし、常態として当該在宅勤務手当の額が実費の額を上回っているような場合には、当該上回った額については、賃金として割増賃金の基礎に算入すべきものとなることに留意すること。

 

単価をあらかじめ定める方法

在宅勤務手当を実費の一部を補足するものとして支給することは、それが実費の額を上回らない限りにおいて、実費弁償になると考えられる。このため、実費の額を上回らないよう1日当たりの単価をあらかじめ合理的・客観的に定めた上で、当該単価に在宅勤務をした日数を乗じた額を在宅勤務手当として支給することは、実費弁償に該当するものとして差し支えない。

「実費の額を上回らないよう1日当たりの単価をあらかじめ合理的・客観的に定め」る方法として、通信費及び電気料金については、例えば、次のアからウまでの手順で定める方法が考えられる。

ア 当該企業の一定数の労働者について、国税庁FAQ問6から問8までの例により、1か月当たりの「業務のために使用した基本使用料や通信料等」「業務のために使用した基本料金や電気使用料」をそれぞれ計算する。

イ アの計算により得られた額を、当該労働者が当該1か月間に在宅勤務をした日数で除し、1日当たりの単価を計算する。

ウ 一定数の労働者についてそれぞれ得られた1日当たりの単価のうち、最も額が低いものを、当該企業における在宅勤務手当の1日当たりの単価として定める。

なお、アの「一定数」については、当該単価を合理的・客観的に定めたと説明できる程度の人数を確保することが望ましい。また、例えば、「一定数の労働者」を当該単価の額が高くなるよう恣意的に選んだ上で当該単価を定めることは、当該単価を合理的・客観的に定めるものとは認められず、当該単価を基に支給された在宅勤務手当も、実費弁償には該当しないこと。

 

在宅勤務手当を実費弁償にする

ためには上記のような計算方法

をとる必要があります。

 

このような計算方法をするのか

それとも単純に月々定額を支給

するのかについて

 

業務の効率性の面で比較して

より業務に即した方法を選択する

ことになると考えます。

 

 


編集後記

在宅勤務手当を実費弁償にする

ためには従業員から個人的な

支出のデータを事業主に提出

してもらうことになります。

 

それも毎月提出してもらい

金額も毎月変わる中

 

給与計算実務をする必要が

ありそうです。

 

これなら、給与課税や割増賃金

の対象になってでも楽なほうを

選択するのが現実的かもしれません。

 

 

では税理士・行政書士・社会保険労務士

の齋藤幸生でした!!

 

それでは、また!

 

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この記事は、その時の状況、心情で書いています。
また、法令に関しては、その後改正された場合には、
異なる取り扱いになる可能性があります。

 

 

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