サイトアイコン 問題解決を後押しする都庁前のLiens税理士事務所 齋藤幸生

【インボイス制度】売手が負担する振込手数料の取扱と処理の変更の可否

振込手数料 インボイス制度

【インボイス制度】売手が負担する振込手数料の取扱と処理の変更の可否

こんにちは!

 

税理士・行政書士の齋藤幸生です!

 

今回は・・・

売手が負担する振込手数料

について解説した記事です。

 

それでは、スタートです!!

 

売手が負担する振込手数料を支払手数料とする場合

日本における代金決済では

買手は売手に請求代金を支払う

際に振込手数料を差し引いて

支払う商習慣があります。

 

実務上では売手は振込手数料

を支払手数料として

 

売掛金の減額処理を

行うことが多いと思います。

 

さて、この取引について

インボイス制度ではどうなるのか

という問題があります。

 

インボイス制度での考え方は

売上と振込は別々の取引として認識するため、売手は買手からインボイスの交付を受ける必要があります。

 

要するに、取引が分割された

と考えるわけです。

 

売上では売手はインボイスを

買手へ交付します。

 

買手はインボイスの請求金額

から振込手数料を差し引いて

売手に支払います。

 

このときの取引では売上取引

と支払取引は別ものとして

 

売手は買手から差し引かれた

振込手数料のインボイスの

交付を受けないと

 

仕入税額控除の適用ができなく

なるという流れです。

 

ただ、実務上では買手から

振込手数料のインボイスの

交付を受けることが難しい

と思われます。

 

この場合には、売手が差し引かれた

振込手数料の仕入明細書等を作成

 

買手の確認を受けて仕入税額控除

の適用を行う方法でも問題ない

ことになります。

 

 

売手が振込手数料の処理をインボイス開始後に変更した場合

上記のように振込手数料を

支払手数料として経費にして

 

インボイス制度上で

仕入税額控除を受けようと

すると事務処理が増えます。

 

これを回避する手段の処理

としては振込手数料を

 

売上値引として処理を行う

方法も認められます。

 

消費税法上では

売上に係る対価の返還等

と言います。

 

では、インボイス制度をきっかけ

にして仕入税額控除から

 

売上に係る対価の返還等に

変更しても問題がないのか

というと

 

国税庁は問題ないことを

インボイス制度に関するQ&Aの問30

で公表しています。

 

 

では、振込手数料を処理する

勘定科目は売上値引でないと

いけないのか?

 

という実務上の疑問が出てくる

ことになります。

 

 

 

これに関して国税庁は

インボイス制度の負担軽減措置のよくある質問とその回答の問18

では

 

会計上は支払手数料等にして

消費税法上は対価の返還等と

取り扱うことはできますか?

 

という問いに対して

 

ご質問のとおり取り扱って

差し支えないと回答しています。

 

会計処理上では支払手数料

として処理を行い

 

消費税の税区分や税コードで

売上に係る対価の返還等を

設定することで問題はない

ということです。

 

この処理を行うときの注意点は

会計ソフトでは支払手数料が

 

標準で課税仕入になっている

ため補助科目を使って

 

処理をスムーズに進めることが

必要になると思います。

 

 

振込手数料の消費税法上の考え方

振込手数料の消費税法上の

考え方は3通りあります。

 

①売手が振込手数料を売上値引とする処理

②売手が買手から代金決済上の役務提供を受けた対価とする処理

③買手が売手のために振込手数料を立替えたとする処理

 

①は先ほどの

売上に係る対価の返還等

で処理されるものになります。

 

②は支払手数料として

仕入税額控除の適用を

受ける処理方法です。

 

③は買手が振込手数料を立替えた

ということになります。

 

③の考え方は実務上ではあまり

見かけないと思います。

 

インボイス制度が始まる前までは

広く一般的に②の考え方をもって

処理を行ってきた方が多いと

思われます。

 

しかし、インボイス制度後は

①の考え方で処理を行う

行ったほうが

 

売手、買手の双方にとって

変更をすることがなくなるため

やりやすいと思います。

 

 


編集後記

そろそろ10月が終わるため

売上代金の処理では

 

振込手数料を処理することが

出始めると思います。

 

準備として支払手数料に

補助科目を作って

 

補助科目上で消費税区分を

売上に係る対価の返還等を

標準にしておき

 

実際の処理が出てきたときに

支払手数料の補助科目を

設定するようにしておくと

 

処理がスムーズに進むと

考えられます。

 

 

では税理士・行政書士の齋藤幸生でした!!

それでは、また!

 

youtube始めました!
税理士さいとうゆきおチャンネル
現在活動中止しています。

 

税務顧問や執筆などのご依頼はこちら↓

Liens税理士事務所 齋藤 幸生ホームページ

 

この記事は、その時の状況、心情で書いています。
また、法令に関しては、その後改正された場合には、
異なる取り扱いになる可能性があります。

 

 

モバイルバージョンを終了