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源泉徴収票等の電磁的方法による提供を解説

源泉徴収票等の電磁的交付

源泉徴収票等の電磁的方法による提供を解説

こんにちは!

 

税理士・行政書士の齋藤幸生です!

 

今回は・・・

源泉徴収票等のデータ交付

について概略と実務に沿った

解説を行います。

 

解説の都合上

給与の源泉徴収票と

給与の支払明細に絞ります。

 

それでは、スタートです!!

 

源泉徴収票等をデータ交付する概略

令和5年税制改正により

一定の要件の下で源泉徴収票等

をデータで交付することが

できるようになりました。

 

源泉徴収票等とは次のもの

  • 給与所得の源泉徴収票、給与等の支払明細書
  • 退職所得の源泉徴収票、退職手当等の支払明細書
  • 公的年金等の源泉徴収票、公的年金等の支払明細書
  • オープン型証券投資信託収益の分配の支払調書
  • 配当等とみなす金額に関する支払調書
  • 上場株式配当等の支払通知書
  • 特定口座年間取引報告書
  • 特定割引債の償還金の支払通知書
  • 未成年者口座年間取引報告書(契約不履行等事由が生じた場合に限ります)

国税庁 給与所得の源泉徴収票等の電磁的方法による提供(電子交付)に係るQ&Aより

 

源泉徴収票等をデータで交付する

ための3つの要件

①源泉徴収票等の受給者からの事前承諾

②データの基準を満たす

③受給者から請求があるときは書面により交付すること

 

受給者からの事前承諾とは

データの種類と内容を示して

 

メールなど又は書面で

データ交付の承諾を得ることです。

 

なお、給与の源泉徴収票と

給与の支払明細については

 

支払者(当社)が定める期限

までに承諾の回答がない場合には

 

承諾があったものとみなす通知を

行うことで

 

受給者(従業員)から何も

回答がなければ承諾したものと

みなされることになります。

 

データの基準は次のとおり

イ 映像面への表示及び書面への出力ができること

ロ 受給者等に対し、受信者ファイルに記録(電子交付)する(した)旨を通知すること
ただし、給与所得の源泉徴収票等データを、受給者等の使用するパソコン等に直接送信する場合や光ディスク等の磁気媒体等に記録して交付する場合を除きます。

国税庁 給与所得の源泉徴収票等の電磁的方法による提供(電子交付)に係るQ&A 問2

 

実務上はPDFになると

思いますので現実的には

出力の問題はないと思います。

 

通知については別途後述します。

 

 

源泉徴収票等をデータ交付する方法とは

では源泉徴収票等をデータ交付

するとして

 

交付方法には2つの段階があります。

①データを従業員へ送る方法

②交付するデータの種類

 

国税庁が公表している方法は

次の3つです。

 

①電子メール

②社内LAN・WANやインターネット等を利用して閲覧に供する方法

③CD等の媒体に記録して交付する方法

 

当社が従業員へデータを送る

方法が上記になります。

 

これらのデータを送る方法について

も次の基準があります。

 

  • 受給者等ごとに作成されたファイル(以下「受信者ファイル」といいます。)に記録されている記載事項について、受給者等が電子計算機の映像面への表示及び書面への出力ができるようにするための措置を講じていること。
  • ①及び②の電子交付の方法(ただし、電子メールを受給者等の使用するパソコン等に直接送信する場合を除きます。)にあっては、受給者等に対し、記載事項を受信者ファイルに記録する旨又は記録した旨を通知するものであること。ただし、受給者等が当該記載事項を閲覧していたことを確認したときは、通知する必要はありません。

国税庁 給与所得の源泉徴収票等の電磁的方法による提供(電子交付)に係るQ&A 問3

 

データ交付について改ざん

防止措置をする必要があるのか

というと

 

改ざん防止措置は法令上ない

というのが現行法令です。

 

ただし、一定の真実性を確保する

観点から電子署名と電子証明書を

添付しておくことを勧められています。

 

 

 

次に交付するデータの種類に

ついて確認してみます。

 

先ほどの事前承諾において

データの種類と内容を示す

必要がありました。

 

例えば、PDFで交付するにも

事前承諾で示さないといけません。

 

承諾の内容や方法は

国税庁が次のように公表しています。

 

①電子交付する書類の名称(給与所得の源泉徴収票、給与等の支払明細書の別等)

②電磁的方法の種類やその具体的な方法

  • 電子メールにより交付する場合・・・電子メールにより送信する旨、電子メールのアドレス等
  • 社内LAN・WANやインターネット等を利用して閲覧に供する場合・・・給与所得の源泉徴収票等データを閲覧に供する旨、給与所得の源泉徴収票等データを掲載するホームページアドレスや閲覧方法等
  • 磁気媒体等により交付する場合・・・交付する媒体の種類等

③受信者ファイルへの記録方法(XML形式、PDF形式、暗号化して受信者ファイルに記録する旨及びその復号化方法等)

④交付予定日(毎年○月○日までに交付、給与支給日に交付等)

⑤交付開始日

⑥その他参考となる事項

 また、上記の事項を記載した書面を受給者等に交付し、その書面に「電子交付について承諾する旨、承諾日、受給者氏名」などを記載してもらう方法なども考えられます。

国税庁 給与所得の源泉徴収票等の電磁的方法による提供(電子交付)に係るQ&A 問5

 

つまり、当社が従業員へ交付する

内容などすべてについて

 

承諾内容として示して

承諾を受けることになります。

 

実務上の対応としては

事前承諾について

 

Googleフォームにて内容を

従業員へ知らせてアンケート

形式で承諾を受けます。

 

Googleフォームのデータを

スプレッドシートに共有を

行っておけば

 

事前承諾のデータベースが

自動的に完成します。

 

このような業務にしておけば

社内メールで完結することが

可能になります。

 

 

データ交付の通知と書面交付請求があった場合

会社によっては社内サーバーに

保存して共有することが考え

られるところです。

 

源泉徴収票等のデータ交付では

社内LAN・WANに該当する

所になります。

 

この場合にはデータを保存

した後に従業員へ通知を

行わないと従業員はわかりません。

 

この通知方法は法令上、規定は

ありませんので、社内メールなど

で行えば問題ないです。

 

源泉徴収票のデータでは真実性が

わからないということで

 

従業員がデータ交付から

書面による交付を希望する

可能性があります。

 

この時には従業員は当社へ

申し出る必要があります。

 

例えば、

令和6年以降の

給与所得の源泉徴収票について書面による交付を受けたい旨の申出書を提出してもらう

といった方法になります。

 

人によっては源泉徴収票に

会社の「角印」が押印されて

いないことに不安を覚える

ことがあります。

 

現実的にはPDFで交付する場合

データ角印を押印するといった

配慮をせざるを得ないと思います。

 

 


編集後記

源泉徴収票のデータ交付について

何と言ったらよいのか

表現がしずらいですが

 

PDF交付をするのがどれくらい

広まるのかな?と感じます。

 

A4用紙では2名分の

源泉徴収票が出てくる仕様に

給与ソフトなどがなっている

と思われますので

 

実務上では従業員ごとに

源泉徴収票をPDFにする

出力設定が必要なのでは?

と感じます。

 

そうすると書面で2名分を

印刷して半分に切り取って

渡した方が早いことになり

かねないかなと思います。

 

 

 

そうすると

 

 

では税理士・行政書士の齋藤幸生でした!!

それでは、また!

 

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この記事は、その時の状況、心情で書いています。
また、法令に関しては、その後改正された場合には、
異なる取り扱いになる可能性があります。

 

 

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