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消費税の還付申告が厳格化されている!実地調査の潜脱行為に甘んじないように対象が必要!

消費税還付申告についての国税当局の対応

消費税の還付申告が厳格化されている

こんにちは!

 

税理士・行政書士の齋藤幸生です!

 

今回は・・・

消費税の還付申告の厳格化について

解説した記事になります。

 

それでは、スタートです!!

 

還付申告に関する国税当局の対応について

国税局は次の文章を

公表しています。

 

消費税は、輸出免税や免税店における免税販売が主要な事業である場合、ないしは高額な設備投資を行った場合などに、還付申告書を提出することで還付金を受けることができる仕組みとなっています。

消費税の還付申告の中には各取引に関する課税取引や非課税取引といった区分の誤りや固定資産等の取得時期の誤りなども見受けられます。

このため、国税当局としては、各種情報に照らして必要があると認められる場合は、還付金の支払いをいったん保留しつつ、還付申告の原因を確認するため、行政指導として電話等による確認書類(例えば、還付申告の主な原因が輸出免税である場合には輸出許可通知書やインボイス等の写し、設備投資である場合には契約書や請求書等の写しのほか、取引実態の確認できる資料)の提出をお願いすることや、実地調査を実施する場合もあります。

また、還付申告の原因の確認に当たっては、個別具体的な各種の事情に応じた対応を行うことから、例えば、課税仕入れや免税取引等の相手方と連絡が取れないことなどにより取引の実態の確認が困難である場合や、取引に係る金銭授受の事実確認が困難である場合、輸出等に係る証拠書類が適切に保管されていない場合などにおいては、それらの確認に時間を要し、還付を保留する期間が長期にわたる場合があります。

国税当局としては、可能な限り速やかに上記の実態の確認等に努めるとともに、これらの結果、還付税額が過大と認められる事由がないことが判明した場合には、遅滞なく還付を行うこととしていますので、納税者の皆様のご理解とご協力をお願いします。

消費税還付申告に関する国税当局の対応について

 

要するに還付申告の場合には

以前の取扱よりも踏み込んで

対応するということです。

 

 

どのような手続きとなるのか?

基本的には行政指導による

書類の提出協力をお願いされる

ということになります。

 

行政指導は行政手続法32条

に規定されています。

 

行政手続法32条は次のように

なっています。

 

第三十二条 行政指導にあっては、行政指導に携わる者は、いやしくも当該行政機関の任務又は所掌事務の範囲を逸脱してはならないこと及び行政指導の内容があくまでも相手方の任意の協力によってのみ実現されるものであることに留意しなければならない。
2 行政指導に携わる者は、その相手方が行政指導に従わなかったことを理由として、不利益な取扱いをしてはならない。

 
還付申告になったから書類

をすべて見せろといった

たぐいの要請はできません。

 

例えば、消費税の還付申告に

必要のない資料の要請はできません。

 

2項では不利益取扱はダメ

となっていますから

 

協力をしないことをもって

国税当局が実施調査になるといった

表現を使うことはダメです。

 

 

ただし注意点があります。

国税通則法74条の14について

行政手続法の除外規定があります。

 

第七十四条の十四 行政手続法(平成五年法律第八十八号)第三条第一項(適用除外)に定めるもののほか、国税に関する法律に基づき行われる処分その他公権力の行使に当たる行為(酒税法第二章(酒類の製造免許及び酒類の販売業免許等)の規定に基づくものを除く。)については、行政手続法第二章(申請に対する処分)(第八条(理由の提示)を除く。)及び第三章(不利益処分)(第十四条(不利益処分の理由の提示)を除く。)の規定は、適用しない。
2 行政手続法第三条第一項、第四条第一項及び第三十五条第四項(適用除外)に定めるもののほか、国税に関する法律に基づく納税義務の適正な実現を図るために行われる行政指導(同法第二条第六号(定義)に規定する行政指導をいい、酒税法第二章及び酒税の保全及び酒類業組合等に関する法律(昭和二十八年法律第七号)に定める事項に関するものを除く。)については、行政手続法第三十五条第三項(行政指導に係る書面の交付)及び第三十六条(複数の者を対象とする行政指導)の規定は、適用しない。
3 国税に関する法律に基づき国の機関以外の者が提出先とされている届出(行政手続法第二条第七号に規定する届出をいう。)については、同法第三十七条(届出)の規定は、適用しない。

 

一般論として還付申告の確認は

国税通則法74条の14の2項に

該当するものと考えます。

 

したがって行政手続法35条の

行政指導に係る書面の交付と

 

同法36条の複数の者を対象

とする行政指導は適用除外

されることになります。

 

しかし、行政手続法32条は

適用除外されることはないため

 

この範囲内で税務署は職権を

行使することが可能になります。

 

 

どのような書類を要求されるのか?

先日、還付申告を終えたある

関与先について電話がありました。

 

どのような書類を要求された

のかというと

 

ある2つの勘定科目の1年分の

総勘定元帳とそれに対応する

請求書を一式ほしいというものです。

 

色々と話を聞いてごねまくり

ある1つの勘定科目の1年分の

総勘定元帳と一定金額以上の

請求書で折り合いました。

 

適正な課税の公平性の実現

とは言え還付申告の内容を

確認するために不必要な書類の

提出を求められたと感じました。

 

相手が還付申告の内容の確認

と言っているのであれば

 

還付申告が適正であることの

確認ができる書類に限定して

対応するのは当然のことです。

 

ただあまりにも非協力的だと

実地調査に移行する可能性が

高いのでやり取りは慎重に

行う必要があると考えます。

 

税金計算は会社の個別的事情が

大きく影響するため

 

提出要請を受ける書類は

会社によって異なります。

 

しかし、還付申告の確認に

必要なことなのかは見極めて

 

限定的な書類に誘導する

必要があると思います。

 

 


編集後記

実際に対応してみて感じたのは

実地調査を規定する法律を潜脱

していることです。

 

課税の公平性とは全員に対して

行われる必要がありますが

 

もし一定の金額以上の還付

申告のみを抽出して行っているとか

 

税務署が暇だから行っている

とかであれば言語道断です。

 

このようなことであれば

法律に還付申告に関する提出

書類の規定を定めるのが

筋だと思います。

 

現状ではそのような規定はなく

行政指導ベースでの処理に

甘んじているのが問題点です。

 

 

では税理士・行政書士の齋藤幸生でした!!

それでは、また!

 

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この記事は、その時の状況、心情で書いています。
また、法令に関しては、その後改正された場合には、
異なる取り扱いになる可能性があります。

 

 

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