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個人事業主は開業届出書を提出したことで事業所得にはならない

個人事業 開業届出書

個人事業主は開業届出書を提出したことで事業所得にはならない

こんにちは!

 

税理士・行政書士の齋藤幸生です!

 

今回は・・・

個人の開業届出の本来の解釈を

解説した記事になります。

 

それでは、スタートです!!

 

開業届出の提出をする場合

開業届出は

新たに事業所得を生ずべき事業を開始し、又はその事業に係る事務所、事業所その他これらに準ずるものを設け(中略)た場合には、(中略)、その旨その他必要な事項を記載した届出書を、その事実があった日から一月以内に、税務署長に提出しなければならない。

所得税法229条

という法律が基礎になっています。

 

いつの頃からか巷では開業届出書を

提出すれば事業所得で申告できる

という誤った解釈が行われてようです。

 

そもそも事業所得を定めた

所得税法27条では次のように

なっています。

 

事業所得とは、農業、漁業、製造業、卸売業、小売業、サービス業その他の事業で政令で定めるものから生ずる所得(山林所得又は譲渡所得に該当するものを除く。)をいう。

 

「その他の」の前にある「〇〇業」は

「その他の事業」の事業に関する例示

と解釈します。

 

したがって、法律条文を極限まで

省いて読めば

 

事業所得=事業で政令で定めるものから生ずる所得

という文章になります。

 

まとめとして

開業届出を提出したことが

事業所得になるきっかけには

ならないということです。

 

新たに事業所得を生ずべき事業の開始をした場合とは?

開業届出書を提出する要件では

新たに事業所得を生ずべき事業を開始

などという文章があります。

 

これは一体どういう意味なのか

ということを深堀します。

 

まず所得税法27条で記載があった

政令で定めるもの(事業)は

一 農業
二 林業及び狩猟業
三 漁業及び水産養殖業
四 鉱業(土石採取業を含む。)
五 建設業
六 製造業
七 卸売業及び小売業(飲食店業及び料理店業を含む。)
八 金融業及び保険業
九 不動産業
十 運輸通信業(倉庫業を含む。)
十一 医療保健業、著述業その他のサービス業
十二 前各号に掲げるもののほか、対価を得て継続的に行なう事業
所得税法施行令63条(事業の範囲)より抜粋

このように12個に分かれています。

 

開業届出書を提出する義務が

発生するのは

 

新たに上記の事業所得を生ずべき

を開始した場合と考えられます。

 

ただし

現状で雑所得と事業所得で問題と

なる取り扱いは12個目の

前各号に掲げるもののほか、対価を得て継続的に行なう事業

になると思います。

 

こちらに入って来る微妙な

所得が多いわけです。

 

 

 

ここでもう一度

所得税法施行令63条を確認すると

 

基本的にはその事業だけで生活を

している事業が多いと考えられます。

 

もちろん、農業は閑散期には出稼ぎ

でアルバイトをしてみたりとか

 

その他の事業でもご自身の事業が

うまく行くまでは勤務をしていたり

といったことはあると思います。

 

しかし一般的に事業所得は

その事業だけをやっていると

解釈するのが自然だと考えています。

 

給与所得で生活してる場合の事業の取扱

給与所得とは会社に平日勤務して

給料を支給されている収入です。

 

勤務している方が事業を

やっている場合の取扱について

解説します。

 

一般的には事業所得には当たらず

雑所得になるものと考えます。

 

国税庁から雑所得にするという

基準で300万円基準がありました。

 

こちらはどこから来ている

金額なのかというと

 

所得税では小規模事業者については

すべて現金のやり取りだけで

所得計算ができる特例制度があります。

 

雑所得でこの特例制度を受けるには

前々年分の雑所得の収入金額300万円以下

であるとする要件があります。

収入金額とは売上のことです。

 

恐らくこちらの規定を準用して

判断基準にしたものと考えます。

 

 


編集後記

事業所得と雑所得については

どこまで杓子定規に考えるか

ということだと思います。

 

ただし300万円基準がターゲットに

しているところは意見募集で

触れられていた次の2つが最有力です。

 

シェアリングエコノミー等の

新分野の経済活動に係る所得

 

副業に係る所得について適正申告を

していただくための環境づくりに

努めているところ・・・

というくだりがあります。

 

上記では基本的に300万円基準で

線引きして対応するというのが

税務署の対応だと思われます。

 

 

 

 

では税理士・行政書士の齋藤幸生でした!!

それでは、また!

 

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この記事は、その時の状況、心情で書いています。
また、法令に関しては、その後改正された場合には、
異なる取り扱いになる可能性があります。

 

 

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