【個人事業主向け】源泉徴収は手取りが減るけれども還付の可能性あり!税理士・行政書士が解説
こんにちは!
税理士・行政書士の齋藤幸生です!
今回は・・・
個人事業主向けの源泉徴収制度について
税理士・行政書士が解説する記事です。
それでは、スタートです!!
源泉徴収の仕組みについて
源泉徴収の仕組みは以下の通りです。
事業主が一定の法人や一定の契約の個人事業主に報酬等を支払うときに支払う報酬に一定の源泉徴収税率を乗じた金額を天引きする制度です。
源泉徴収税率は次のようになります。
①原則
支払金額×10.21%
②100万円を超える場合
100万円を超えた部分×20.42%
支払金額とは源泉徴収される
個人事業主側から見ると売上になります。
例えば、お仕事を依頼された相手に
請求する場合の請求書に書かれた
金額になります。
個人事業主側からすれば
請求書に書いた金額=売上
という経理処理をすると思います。
このときに
売上高×10.21%又は20.42%が
源泉徴収される仕組みになります。
源泉徴収されると還付の可能性があるのはなぜか?
源泉徴収されると所得税の確定申告では
還付になる可能性があります。
理由は次の3つになります。
①源泉徴収される金額は所得税の前払いのため確定申告で納付額から税額控除できる
②源泉徴収された金額は売上に税率を乗じた金額になるため
③個人事業主の所得税の課税対象は売上ー経費ー青色申告控除ー所得控除になるため
上記を一つずつ確認していきます。
源泉徴収された金額は所得税の
前払税金になります。
したがって確定申告のときには
確定申告で計算したその年の
所得税から源泉徴収分を控除する
という申告内容になります。
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上記の②と③は連動するので
一緒に確認していきます。
まず源泉徴収で天引きされた
所得税は売上の約10%分が原則
天引きされることになります。
所得税の確定申告構造は
①売上ー経費ー青色申告特別控除=事業所得
②①ー所得控除=所得税の課税対象
③②に応じた所得税率
ということになります。
そうすると源泉徴収が対象になる金額と
所得税の課税対象の金額を比べると
源泉徴収の対象となる金額の方が
大きくなるのが普通ですね。
理由は源泉徴収の対象は売上そのものに
税率を乗じる計算になるからです。
例えば、その年の売上の総額が
1,000万円だとしたら約100万円が
源泉徴収された金額になります。
これに対して、経費率が50%で
所得控除が基礎控除の48万円だけ
だったとしたら
①1,000万円ー500万円ー65万円=435万円
②①ー48万円=387万円
③②×20%ー427,500円=346,500円(所得税の年額)
④③ー100万円(源泉徴収分)=ー653,500円
となりますので
約65万円の還付が生じる計算になります。
(注)
・源泉徴収は毎月されたものとして計算
・青色申告特別控除はe-Taxを前提に65万円
として計算をしています。
どこまでうまく行くかは
個人ごとに異なることになりますが
所得税の課税対象は源泉徴収の課税対象より
金額が低くなる可能性が高いわけです。
(所得税率が上がったとしてもです。)
この様に還付になる可能性がある
ということになりますね。
確定申告で一括納付は資金繰りに影響ありませんか?
源泉徴収されると手取りが減る
といった観点から源泉徴収の対象と
ならないように契約をする場合があります。
源泉徴収が行われないと
確定申告のときに所得税は納付する
という確定申告結果になります。
そうすると所得税は原則
金銭一括納付になりますので
納付金額分だけ一気にお金が
なくなることになります。
これだと事業資金や生活資金を
圧迫する可能性がありますね。
要するに資金繰りが悪化して
お金に余裕がない状態になる
可能性があります。
逆に源泉徴収されていると
請求額の約10%は国に貯金している
という様な状態になります。
源泉徴収された翌年に還付申告をした場合
年1%の還付加算金がついてきます。
(令和3年の利率になります。)
デメリットとしては手取りが減る
ということになります。
個人事業主で見かけるのは
源泉徴収がされていないので
お金を使ってしまい貯金ができない
と相談に来られる方です。
源泉徴収されることで資金繰りが
悪化したとしても毎月貯金していると
考えることで無駄遣いを減らせます。
そもそもお金は使わなければ
なくなりません。
手取りが減ることを気にするよりも
所得税の納付で一気にお金が無くなる
という方が資金繰りとして厳しいと
私は考えています。
源泉徴収されることで
毎月の使うお金を制限することが
できると思います。
編集後記
私は税理士なので源泉徴収されて
確定申告では還付申告になります。
還付申告で還付された金額の
使い道を決めています。
①住民税の納付
②個人事業税の納付
③イデコの運用資金
④積立NISAの運用資金
つまり、還付金を翌年の支払のために
使う資金にしているわけです。
事業資金として、運用資金として
両方で使うことが可能になります。
では税理士・行政書士の齋藤幸生でした!!
それでは、また!
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この記事は、その時の状況、心情で書いています。
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