上場有価証券を売買したときの処理と消費税の区分を税理士が解説
こんにちは!
税理士・行政書士の齋藤幸生です!
今回は・・・
上場有価証券を売買したときの処理と
消費税の区分を税理士が解説する記事です。
それでは、スタートです!!
有価証券を売買したときの処理
有価証券を売買するときの処理は
実務上次のようになります。
まず証券会社に証券口座を設定して
そこに現金を入金することになります。
有価証券を売買するときには
証券口座から有価証券を購入して
売却する流れになります。
購入するときには
証券口座からお金が出金されて
有価証券を購入する処理をします。
購入した有価証券を売却したときは
売却した金額で一度売却収入を認識して
売却収入と有価証券の購入金額の差額が
益又は損として認識することになります。
因みに有価証券を売却すると
証券口座の金額が増えるので
証券口座の金額を増やす処理も行います。
有価証券を売買したときの消費税の区分
有価証券を売買したときには
買うという処理と売るという処理で
消費税の区分の問題があります。
購入について最初に確認していきます。
購入については2つの取引が出てきます。
有価証券を購入する購入金額そのものは
消費税では対象外になります。
理由は有価証券の売却が非課税なので
購入する相手方も非課税になります。
実務上では対象外の区分で処理します。
購入するときには証券会社に
購入手数料を支払う必要があります。
こちらは消費税の対象であり、かつ、
消費税が含まれた金額です。
注意点は消費税の原則の計算については
非課税売上に対応するものとして区分する
ということです。
この意味は、有価証券の購入手数料は
最終的に有価証券の売却に対応する
コストという考えだからです。
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次に有価証券の売却について
確認していきます。
有価証券の売却を行ったときには
売却した金額そのものが消費税の区分上
非課税売上になります。
具体的には非課税売上の有価証券の売却
という区分です。
こちらを間違えると消費税計算が
狂ってしまうので間違えると面倒な
ことになります。
有価証券の売却については
証券会社へ委託手数料が発生します。
こちらも購入手数料と同様の考えで
非課税売上に対応するものという
区分になります。
有価証券を売買したときの仕訳
有価証券の売買したときの仕訳を具体的に
確認していきます。
以下のように前提を設けます。
証券口座への資金移動:1,000,000円
A有価証券の購入:950,000円
A有価証券の購入手数料:550円
A有価証券の売却金額:900,000万円
A有価証券の売却手数料:550円
証券会社への資金移動
借方勘定科目 | 借方金額 | 借方消費税区分 | 貸方勘定科目 | 貸方金額 | 貸方消費税区分 |
預け金 | 1,000,000 | 対象外 | 普通預金 | 1,000,000 | 対象外 |
A有価証券の購入
借方勘定科目 | 借方金額 | 借方消費税区分 | 貸方勘定科目 | 貸方金額 | 貸方消費税区分 |
A有価証券 | 950,000 | 対象外 | 預け金 | 950,550 | 対象外 |
A有価証券 | 550円 | 非課税売上対応 |
購入に要した費用である購入手数料は
有価証券の取得価額に含めることになります。
A有価証券の売却
借方勘定科目 | 借方金額 | 借方消費税区分 | 貸方勘定科目 | 貸方金額 | 貸方消費税区分 |
預け金 | 900,000 | 対象外 | 雑収入 | 900,000円 | 有価証券売却 |
雑収入 | 900,000 | 対象外 | A有価証券 | 950,550円 | 対象外 |
有価証券売却損 | 50,550 | 対象外 | |||
支払手数料 | 550 | 非課税売上対応 | 預け金 | 550 | 対象外 |
冒頭でも申し上げたように
売却した金額そのものを売却収と入して
消費税の区分を設定します。
間違ってもキャピタルロスである
有価証券売却損を有価証券売却の
区分にしないように注意が必要です。
消費税の根本的な考え方は
総額主義ということです。
疑似的な雑収入とA有価証券の取得価額の差が
有価証券売却損です。
編集後記
今回の有価証券は売買目的有価証券を
前提にした解説記事となります。
因みに有価証券を配当基準日に保有していると
配当金が手に入ります。
配当金は消費税の区分では対象外
ということになります。
配当金は権利としてもらうだけなので
対価性がないという考えです。
では税理士・行政書士の齋藤幸生でした!!
それでは、また!
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この記事は、その時の状況、心情で書いています。
また、法令に関しては、その後改正された場合には、
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