中小企業が経営力向上設備を取得した場合の特別償却を税理士が解説
こんにちは!
税理士・行政書士の齋藤幸生です!
今回は・・・
中小企業が経営力向上設備を取得した場合の
特別償却を税理士が解説する記事です。
- 中小企業が経営力向上設備を取得した場合とは?
- 特別償却の実務
- 特別償却後の検討事項として
についてわかる記事です。
それでは、スタートです!!
中小企業が経営力向上設備を取得した場合とは?
中小企業が経営力向上計画の認定を受けて
取得などした固定資産については
税法上、特別償却又は税額控除の適用を
行うことができて
結果、節税になるという制度になります。
今回は特別償却について特化した
内容になります。
私が関わった案件に基づいて記事を
作成いたします。
私が関与したのは生産性向上設備でした。
生産性向上設備に該当するには次の要件が
必要になります。
次の要件を満たす機会及び装置、工具(測定工具及び検査工具に限ります。)、器具及び備品、建物付属設備並びにソフトウエア(設備の稼働状況等に係る情報収集機能及び分析、指示機能を有するものに限ります。)となっています。ただし、ソフトウエア及び旧モデルがないものは次の(イ)の要件を満たすものになります。
(イ)販売開始されてから、機械装置:10年以内、工具:5年以内、器具及び備品:6年以内、建物附属設備:14年以内、ソフトウエア:5年以内のものであること。
(ロ)旧モデル比で経営力の向上に資するものの指標(生産効率、エネルギー効率、制度等)が年平均1%以上向上しているものであること。
(国税庁ホームページから引用)
上記の設備を税法上では
「特定経営力向上設備等」と言います。
まとめると
①経営力向上計画を提出する
②生産性向上設備を購入する
③①と②により特別償却ができてお得!
ということになります。
特別償却の実務
特別償却の実務を解説していきます。
今回の経営力向上設備による特別償却は
購入した固定資産を一括で経費にすることが
できる制度になります。
例えば、機械及び装置を500万円で購入した場合
500万円が会計上で減価償却費になります。
会計上の減価償却費を認める形で
税法上も追随する制度です。
経営力向上設備の特別償却の金額は
取得価額ー普通償却限度額=特別償却限度額
という計算になります。
税法上では通常の固定資産であれば
備忘価額1円を残すことになります。
しかし、特別償却は即時償却になりますので
備忘価額は一切残りません。
安心して全部を償却することになります。
ご依頼はこちら!
1 個別相談スポット業務
2 税務調査立会支援
3 経営革新等支援業務
4 税務顧問などの顧問業務
特別償却の別表が設定されています。
平成30年4月1日以後終了事業年度又は
連結事業年分として付表9を使います。
作成方法としては付表9の下部にある
中小企業者又は中小煉兼法人の判定で
中小企業者である判定を行ってから
本格的に作成する必要があります。
作成にあたって迷う部分は
付表9の13番~17番についてだと思います。
こちらは中小企業等経営強化法13条を
確認して記載が必要かどうかを判断します。
同法は課税の特例で
認定社外高度人材活用新事業分野開拓計画に
したがって行なわれる事業についてです。
通常の中小企業であれば該当しないと
考えられますので記載は不要だと
私は判断しております。
確定申告時における添付書類は
次のようになります。
- 償却限度額の計算に関する明細書
- 経営力向上計画の写し
- 経営力向上計画に係る認定書の写し
以上が必要になることになります。
因みに生産性向上設備だと工業会の証明書を
入手して経営力向上計画の提出時に必要ですが
確定申告における添付書類にはなっていません。
この理由を考えると
経営力向上計画の認定時に工業会の
証明書は確認されているので
改めて税務署にて確認するまでもない
ということだと思います。
特別償却後の検討事項として
特別償却後の検討事項としては
相続税評価の非上場株式の純資産価額方式
になると思います。
純資産価額方式では会社の資産負債を
項目ごとに評価していくことになります。
ここで問題なのは今回のように特別償却をして
帳簿価額がゼロになった資産です。
結論としては一般動産の評価として
評価することになります。
(一般動産の評価では特別償却を
加味しないことになっています。)
結果ゼロであれば問題はないのですが
ゼロでない場合には純資産価額方式に
評価額を入れ込む必要があります。
基本的には固定資産台帳で資産を確認して
評価することになります。
編集後記
特別償却は実務上初めて使いました。
税理士試験の法人税法以来だったので
だいぶブランクがありちょっとまごつく
ということがありましたね。
特別償却の場合には30%の償却と
即時償却がありますが今回は
即時償却になります。
ただ実際にやろうと思うと本当に合っている
よね?的な余計なことを考える自分がいました。
まあ、法律や国税庁のホームページを基に
細部を詰めていったので結構簡単だなと
考えるまでに至ったのは良かったですね。
では税理士・行政書士の齋藤幸生でした!!
それでは、また!
youtube始めました!
税理士さいとうゆきおチャンネル
税務顧問や執筆などのご依頼はこちら↓
この記事は、その時の状況、心情で書いています。
また、法令に関しては、その後改正された場合には、
異なる取り扱いになる可能性があります。
ご依頼はこちら!
1 個別相談スポット業務
2 税務調査立会支援
3 経営革新等支援業務
4 税務顧問などの顧問業務