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外国法人の日本子会社で注意したい確認事項を税理士が解説!

外国法人の日本子会社で注意したい確認事項を税理士が解説!

こんにちは!

 

税理士・行政書士の齋藤幸生です!

 

今回は・・・

外国法人の日本子会社で注意したい

確認事項を税理士が解説する記事です。

 

・外国法人の日本子会社が注意した確認事項とは?

・確認事項の法人税法上の論点を解説

・過去の申告書で間違いがあった場合の対処法を解説

についてわかる記事です。

 

それでは、スタートです!!

 

 

外国法人の日本子会社が注意したい確認事項とは?

外国法人の日本子会社が注意したい

確認事項としては次のことになります。

 

・日本子会社との出資関係

・出資関係に基づく上位の会社の資本金

 

日本子会社との出資関係

法人税法上ではグループ法人税制という

税制が存在します。

 

この中では出資関係図を提出する

ということになっています。

 

国税庁では出資関係図について

公表を行い周知を行っています。

 

基本的には、出資関係図を作成して

確定申告書に添付することになります。

 

実務上で出資関係が問題となるときは

税務調査のときになります。

 

つまり、どこまで出資関係を明らかに

しているのかということです。

 

基本的には完全支配関係がある

グループ法人で最上位のものから

系統的に作成することになります。

 

私が経験した中では海外の親会社が

上場会社であってもその株主関係を

尋ねられた経緯があります。

 

最上位の法人や個人まで特定しておくと

実務的には後々困らないと思います。

 

出資関係に基づく親会社の資本金

グループ法人税制で厄介なのは

親会社の中に資本金が5億円以上の法人に

100%支配されていると中小企業の特例が

使えなくなることです。

 

法人税法上では、資本金が1億円以下の法人は

中小企業となり特例措置が存在します。

 

資本金まで把握して法人税の確定申告書を

作成していないと適用誤りになる可能性が

高くなります。

 

こうしたことから親会社で100%の支配関係がある

出資関係に基づいて確認を行った方が無難です。

 

 

確認事項の法人税法上の論点を解説

さて、確認事項の法人税法上の論点は

グループ法人税制と中小企業向け特例措置です。

 

中小企業向け特例措置について

資本金が5億円以上の親会社に

100%支配関係がある場合には

次の中小企業向け特例措置が不適用になります。

 

・貸倒引当金の繰入れ

・欠損金等の控除限度額

・軽減税率

・特定同族会社の特別税率

・貸倒引当金の法定繰入率

・交際費用の損金不算入制度における定額控除限度額

・欠損金の繰り戻しによる還付制度

法人税の計算上でどのように上記の制度が

影響するのかを解説します。

 

まず貸倒引当金は会社決算上で計上しても

全額否認になります。

→法人税の課税所得になるわけです。

 

欠損金は平成30年4月1以後に開始する

事業年度の控除限度額は

所得金額の50%までになっております。

→法人税法上の課税所得の50%までしか
欠損金の控除ができなくなります。

 

軽減税率は年800万円までの軽減税率が

適用不可能となります。

→法人税法上の所得金額すべてについて
23.2%になります。
(上記は平成30年4月1日以降に開始する事業年度からです。)

 

特定同族会社の特別税率は留保金課税の適用を

考えるということになります。

面倒な計算なので注意が必要ですね。

 

交際費は年800万円までの定額控除限度額が

使えなくなります。

→定額控除限度額が使えなくなる一方で
飲食代などについては50%まで損金計上OKです。

 

欠損金の繰戻還付ができなくなります。

実務的には繰戻還付をすると

即税務調査ですから適用自体がまれだと思います。

 

 

 

 

 

グループ法人税制との関連性

中小企業の特例措置が

グループ法人税制とどのように

関連してくるのかを解説します。

 

理論的な話なので、結論のみを解説します。

 

グループ法人税制の完全支配関係とは

ざっくり申し上げると100%出資関係がある

法人相互の関係です。

 

イメージとしては親子会社間の関係ですね。

この場合には100%+資本金5億円以上で

中小企業の特例措置が不適用になります。

 

結論としてグループ法人税制の適用があれば

中小企業の特例措置が不適用である可能性から

親会社の資本金を確認することになります。

 

実務上で困るのは、親会社が資本金を教えてくれない

ということがありますね。

 

この場合には、確認できないこととして

現状で確認できる範囲で法人税法上の

計算を行っていくしかないものと思われます。

 

ただし、後日、税務調査にて

親会社の資本金が確認される可能性があります。

 

潜在的な税務リスクを有した

申告書になることだけは親会社に

了承を得た方が良いかと思います。

 

 

過去の申告で間違いがあった場合の対処法を解説

話は変わって資本金の確認ができなかった

行われなかったことにより当初の申告を

したところ、後日、親会社の資本金が判明して

過去の申告が間違いだった場合の対処法を

解説していきます。

 

要するに、中小企業の特例の不適用が

後になって判明したという場合ですね。

 

原則的には修正申告事案になりますので

修正申告を行うことになります。

 

中小企業の特例が後に不適用になる意味は

税額に増加が発生する可能性が高いからです。

 

では本当に修正申告をするのか?

この様な考えももちろん出てきます。

 

ここからは私見としてということで

ご承知ください。

 

この通りに対応して後に修正申告になっても

私は一切の責任は負えません。

 

私であれば、税務調査や申告に関するお尋ね

といったことがなければ修正申告せずに

放置のまま事業年度が進むことを提案します。

 

いきなり修正申告をすると税務調査に

発展する可能性がありますので

 

税務署に申告内容が認識されるまでは

何もしないという考え方です。

 

もちろん潜在的な税務リスクは先送りになり

後に税務署にバレれば修正申告の勧奨が行われて

修正申告をせざるを得ないことになります。

 

2つ目としては中小企業の特例が不適用に

なったとしても他経費計上の漏れが発見されて

税額が還付される可能性がある場合にも

何もせずに放置を行います。

 

修正申告は既往の申告書に記載した税額よりも

増えたことを前提に行われる手続になります。

 

中小企業の特例が不適用になっていても

他の経費の計上漏れにがあったことにより

税額が少なくなるという場合には

修正申告には当たりません。

 

こうした考え方から2つ目の場合には

修正申告を行わないということになります。

 

いずれにしても最終的な判断をするのは

納税者である法人の代表者や親会社の

財務担当になります。

 

色々な意見や可能性を含めて

会社としての方策を考えて

結論を出すことが良いかと思います。

 

 

 


編集後記

グループ法人税制が適用されてもうすぐ

10年になります。

 

当時、私は税理士試験の法人税法を

受験していた真っただ中で懐かしいです。

 

当時、勤務していた事務所で悩んだのは

支店におけるグループ法人税制や

中小企業者の特例についてです。

 

適用関係が不透明で条文を読んでも

頭の上に「?」マークがともり混乱しました。

 

現状では結論が出ていることなので

もう迷いませんが新しい税制が出現したときは

かなり困ることになるわけですね。

 

 

では税理士・行政書士の齋藤幸生でした!!

それでは、また!

 

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この記事は、その時の状況、心情で書いています。
また、法令に関しては、その後改正された場合には、
異なる取り扱いになる可能性があります。

 

 

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