ふるさと納税したけれどどうしたらを税理士が解説!
こんにちは!
税理士・行政書士の齋藤幸生です!
今回は・・・
ふるさと納税したけれどどうしたらを
税理士が解説する記事です。
・ふるさと納税の税金計算の概要
・ふるさと納税の税金計算上の取扱い
・ワンストップ特例の注意点
についてわかる記事です。
それでは、スタートです!!
ふるさと納税の税金計算の概要
ふるさと納税の税金計算の概要
ふるさと納税を行った場合には
納付する税金が減額されることになります。
大まかな仕組みはこうです!
①ふるさと納税をした金額ー2,000円=寄附金控除
②課税対象金額ー①=所得税や住民税の対象金額
この様な計算を行います。
あれれ?
税金を納付したのだから税金から
直接引けるんじゃないの?
この様な考え方は至極当然です。
そうです。
税金を納付しているのになぜか
税金から直接控除する税額控除ではなく
所得税や住民税の課税対象から引く
所得控除として取り扱うことになっています。
ここまでが所得税の確定申告をする場合で
お勤めのかたは確定申告が面倒なので
どうにかならないか?で生まれた制度が
ワンストップ特例です。
ワンストップ特例とは?
給与所得者で、かつ、
5つの自治体までのふるさと納税であれば
確定申告をすることなくする制度です。
この場合には、住民税の課税対象金額から
控除する仕組みになっていて
結果、住民税が減額できることになります。
お勤めの方には割と優しい制度になります。
所得税の控除が必要ないといった場合には
ワンストップ特例を使っても良いかと思います。
ふるさと納税の税金計算上の取扱い
ふるさと納税は寄附金控除
ふるさと納税は確定申告において
寄附金控除に分類されます。
寄附金控除とは納税者が国や地方公共団体などに
「指定寄附金」をした場合に所得控除を受ける仕組みです。
寄附金控除でも税額控除として
取り扱う寄附があります。
政治活動、認定NPO法人、公益社団法人など
一定の寄附金は所得控除と税額控除を選択できます。
こちらにふるさと納税が入っていないので
ふるさと納税は所得控除になるということ
なんですね。
寄附金控除の計算
寄附金控除の計算は次のようになります。
次のいずれか低い金額ー2,000円=寄附金控除
①その年に支出した特定寄附金の額の合計額
②その年の総所得金額等の40%相当額
一般的に申し上げると
ほとんどは①になります。
つまり、ふるさと納税をした金額の方が
総所得金額等の40%よりも低くなります。
総所得金額とは
純損失、雑損失、その他各種損失の繰越控除後の総所得金額、特別控除前の分離課税の長(短)期譲渡所得の金額、株式等に係る譲渡所得等の金額、上場株式等に係る配当所得の金額、先物取引に係る雑所得等の金額、山林所得金額及び退職所得金額の合計額をいいます。
給与所得のみの場合を申し上げると
給与所得控除後の金額×40%になります。
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寄附金控除を受けるための手続
寄附金控除を受けるためには
寄附した団体などから交付を受けた
寄附金の受領書(領収書)が必要です。
ふるさと納税をした場合には
後日、受領書がご本人へ郵送されます。
そして確定申告書へ添付して一緒に提出する
といったことになります。
ワンストップ特例を選択していたとしても
基本的には受領書が郵送されてきます。
理由は後述します。
住民税での寄附金控除計算
所得税は上記のとおりですが
住民税は住民税の計算方法があります。
①基本分
(次のいずれが低い金額ー2,000円)10%
ふるさと納税額と総所得金額等の30%で
いずれか低い方
所得税と異なるのは、総所得金額の40%ではなく
30%になる点です。
②特例分
特例分は特例分が住民税所得割額の2割を
超えない場合に、②の計算になります。(以下のとおり)
(ふるさと納税額ー2,000円)×(100%ー10%-所得税率)
③特例分その2
②で計算した金額が住民税所得割額の2割を
超える場合には③の計算になります。(以下のとおり)
(住民税所得割額)×20%
まとめると
①、②、③まで段階的に全部を住民税として
控除を行っていきます。
①~③の全部を控除しても
(ふるさと納税額ー2,000円)をの全額が
控除できない場合には実質負担額は
2,000円を超えることになります。
実務上、あまり見かけることはないですね。
ワンストップ特例を使った場合の注意点
ワンストップ特例を使った場合の
注意点を申し上げます。
気が変わって6つ以上の自治体へ
ふるさと納税を行った場合には
どうなるでしょうか?
ワンストップ特例を使うことができなくなり
所得税の確定申告をすることになります。
ワンストップ特例を使った年に
住宅ローン控除の1年目で確定申告が必要になった
という場合にもワンストップ特例を使えません。
医療費控除で確定申告をするといった場合も
ワンストップ特例を使えません。
この様にワンストップ特例を使えなくなる
トリガーは次の2つになります。
①6つ以上の自治体へふるさと納税をした
②所得税の確定申告をする必要が出てきた
上記のようなことが起こる可能性があるので
寄附金の受領書がお手元に届くわけですね。
因みにワンストップ特例を使えなくなって
かつ、所得税に寄附金控除を忘れた場合には
どうなるのかというと
所得税及び住民税では寄附金控除の適用せずに
税額計算を行うことになってしまいます。
手続上としては、還付に関して5年間
遡って寄附金控除を適用して税金を還付する
といった更正の請求になります。
編集後記
私が関与していてふるさと納税を入れ忘れる
ということは一度もなかったと思います。
そもそも税理士に依頼される人は
税金に関心があり自分がやっていることが
税金を安くするという認識があるので
ご自身から言ってくれることが多いですね。
問題は税金関係とは距離がある納税者です。
国税庁の無料相談の相談員をしていたときに
寄附金控除の適用忘れてしまったという
相談を受けたことがありますね。
その年の申告だったので
寄附金控除を記載して再提出するのが
スムーズですと申し上げました。
もちろん、従前に提出した申告書の控えをもって
税務署に行って説明する必要はありますけどね。
提出する前に最後の確認は必要だろうなあと
思います。
では税理士・行政書士の齋藤幸生でした!!
それでは、また!
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この記事は、その時の状況、心情で書いています。
また、法令に関しては、その後改正された場合には、
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