売上が落ちた場合の事業への対応と融資対策を税理士が解説!
こんにちは!
税理士・行政書士の齋藤幸生です!
今回は・・・
売上が落ちた場合の事業への対応と融資対策を
税理士が解説する記事となります。
・売上が落ちた場合の事業への対応
・売上が落ちた場合の融資対策
・増収増益をしない事業へ転換
についてわかる記事です。
それでは、スタートです!!
売上が落ちた場合の事業への対応
売上が落ちた場合の事業への対応は
コスト削減を行うことをまずは考えます。
コスト削減は事業の王道になりますが
単純にコストを削減すれば良いわけではありません。
鳥の目で俯瞰してコストを分析します。
原価を見直す方法
例えば、私が専門にしている
建設業で考えてみます。
建設業では必ず原価があります。
原価の中でも負担が重い項目は
材料費、人件費、外注費となります。
材料費の仕入金額や外注費を交渉する
高い人の雇用を止める
といったことが一般的には思いつく対策です。
この辺りは普段から行われていると
思います。
ですから、もっと大きく考えることになります。
現場ごとの生産性です。
例えば、1つの現場で使った材料を
他の現場へ転用することができれば
材料の仕入金額の総量を減少させることが
できる可能性があります。
人件費は手が良い職人さんであれば
1人でできることを1.5人分できないかどうかを
確認してみます。
そうすると2人の手の良い職人さんがいれば
3人分のお仕事が可能となります。
3人分雇うよりも給料と社会保険の負担が
ぐっと減るはずです。
外注費は外注先へ依頼する内容によりますが
在庫一式で請負わせている場合には
材料の金額と人の手間で構成されているはずです。
両方とも現場に入っている現場指示に
依存していることになります。
結果、外注費のコストを減らすためには
現場指示者の教育が不可欠となります。
販売費および一般管理費を見直す方法
会社は原価だけで成り立っているわけではないです。
会社の維持コストも必要です。
販売費および一般管理費の削減は
ミスの温床となる可能性があります。
ミスしていると感じるコスト削減方法は
全部を一律~%カットなどとしてしまうことです。
これは意味がありません。
重要なコストも含めてコストカットを
してしまう可能性があるからです。
コストカットで重要なことは
機械的にコストカットができるコストです。
つまり、会社が外部へ頼まなければ発生しない
コストを削減対象とします。
例えば、広告宣伝費、事務所家賃、福利厚生費
備品や消耗品費といったものです。
広告宣伝費は中小企業にとって本当に
必要かどうかを検証することが必要です。
例えば、広告宣伝費でいくら引き合いが増えて
いくら売上につながったのかです。
よくある広告宣伝の失敗は
広告することが目的になっていることです。
広告宣伝をやっても最終的に売上にならないと
広告宣伝をやっている意味はありません。
事務所も基本的には最小にすることで
問題が発生するでしょうか?
2020年11月19日段階でコロナの流行が
3回目になってきています。
外部の人を事務所に呼んで会議をすることは
回避するような状況です。
事務所スタッフとちょっとした応接スペースだけの
省力化した事務所でも問題ないはずです。
福利厚生費も削っても問題ありません。
従業員が困ることは給料の削減です。
事務所内でおやつを食べるなど
ご自身の財布の中身で賄うことを
したとしても問題ないはずです。
ジムなどの法人会員となっている
レクリエーションがなくなって
事業運営に支障はきたさないはずです。
備品・消耗品費は計画性があまりなく
購入されている物品がある可能性があります。
固定資産にならないで一括で費用にできる
10万円未満の備品・消耗品がなくても
事業は運営できます。
むしろ、現代ではパソコンでの生産性を
高める必要があると思います。
結論としてパソコンについては
2年~3年に一度は購入する計画をして
事務所の生産性を高める必要があります。
パソコンを立ち上げて2~3分しないと
デスクトップが表示されないような
パソコンを使っていませんか?
月の稼働を22日としたならば
月44分~66分くらいはパソコンの立ち上げに
かかっている時間となってしまいます。
年間に換算すると528分~792分となり
時間に直すと8.8時間~13.2時間です。
1日以上の人件費が飛んでしまう計算です。
しかも、上記は一人分のです
上記の時間×人数分となりますので
年間の無駄な人件費を考えるとぞっとします。
無駄です。
この様に販売費および一般管理費については
機械的にカットできることから着手することで
ミスが少ないコストカットができます。
売上が落ちた場合の融資対策
売上が落ちた場合の融資対策について検討します。
上記のように生産性の向上や無駄の排除をすると
結果として少ない資産で経営をすることになります。
融資の評価については変な話ですが
評価が上がる傾向があります。
評価が上がる理由があって
増収増益だとどうしても
生産性の減少、無駄の発生、資金繰りの増加
計画にない資産の購入といったことが
発生する可能性が高いです。
つまり、より多くのお金が必要になり
結果として黒字倒産になる可能性が高まるからです。
順調に少しずつ事業が上向いていて
少しずつ修正した事業ができれば理想ですが
現実はそうなりません。
企業には必ず成長期が訪れます。
成長しているのにブレーキを踏める
経営者は少ないのです。
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売上が減少した場合の融資対策は
さらに売上が減少したものと仮定した
計画で返済可能かどうかを探ることです。
本当にぎりぎりまで売上を下げて
返済可能なラインを計算します。
このぎりぎりのラインで計画した事業で
キャッシュフロー計画を行い返済可能額を
計算していくことになります。
理想としては赤字にならない程度で
①現金がちょっとずつ増えること(最も重要)
②自己資本も増えること
③債務償還年数が10年未満になること
こうした計画を作成することで
融資対策になることになります。
増収増益をしない事業へ転換する
今回の記事で最も強調したいことは
増収増益をしない事業へ転換することです。
その分、計画を練って増やさないし減らさない
事業にすることが理想です。
現状維持が理想になります。
事業で頻繁に注目を集めることは
増えることです。
5年前と比べて売上が2倍になった
利益は3倍になりました!!
といったキャッチフレーズです。
相対的に売上という総量が増えれば
利益が出る構造であれば利益も増えるのは
当たり前です。
例えば、利益率が20%の商材があったとして
5年前は年商5,000万円でした
現在は年商3億円のばあいには
年商5,000万円の場合には1,000万円
年商3億円の場合には6,000万円
利益はただの割合でしかありません。
売上という総量が増えれば当たり前なのです。
私が増収増益をしないといっている意味は
「減らさない」経営をすることです。
「減らさない」のですから、基本的には増えます。
赤字にしないのですから黒字で事業を運営できます。
結論として増収増益をしなくとも
減らさない経営をするだけで
会社のお金は自然と増えます。
ここで問題なのは融資の年間返済額です。
黒字をずっと継続することで自己資本は
増えることになります。
しかし、お金は別です。
毎期の黒字以上に融資の返済をしていると
会社のお金が無くなってしまって
運転資金から融資の返済をするという
ちょっと意味が分からないことになります。
事業のための融資なのに
事業資金からお金を返済することになるからです。
この点は、売上が落ちた場合の融資対策での
対応を行うことになります。
編集後記
2020年11月19日現在ではコロナ感染者数が
増加している傾向があります。
緊急事態宣言が再発出されるかどうかは
分かりませんが売上に影響が出る業種は
多くなると考えます。
このときに重要なのが、今回の記事の考え方と
対応策となります。
計算は融資してくれる銀行がやってくれても
どのような返済をするのかは社長さんの意思ひとつです。
基本的には長く借りて一気に返済する
という方法をとることが理想的な融資となります。
では税理士・行政書士の齋藤幸生でした!!
それでは、また!
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この記事は、その時の状況、心情で書いています。
また、法令に関しては、その後改正された場合には、
異なる取り扱いになる可能性があります。
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