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建設業の会計の基礎知識と注意点を税理士が解説!

建設業の会計の基礎知識と注意点を税理士が解説!

こんにちは!

 

税理士・行政書士の齋藤幸生です!

 

今回は・・・

建設業の会計の基礎知識と注意点を

税理士が解説する記事です。

 

・建設業会計の基礎知識

・建設業の会計の注意点

・営業年度報告書と会計の相違点

についてわかる記事です。

 

それでは、スタートです!!

 

建設業の会計の基礎知識

建設業の会計の基礎知識になることは

売上、原価、販売費及び一般管理費です。

 

売上についての基礎知識

売上の計上方法を知ることになります。

原則的には完成工事基準で売上を計上します。

 

完成工事基準とは請け負った工事が完了し

引き渡しが済んだら売上を計上する方法です。

 

したがって、完成するまでに元請けや上位の会社へ

売上を請求している場合には売上になりません。

 

工事が完成した日に売上を計上します。

 

例外は工事進行基準です。

 

契約金額のうち請求した分だけ売上に計上する

といったようなイメージとなります。

 

経理手法は請求したときには売上高にして

月末の都度、前受金(未成工事受入金)へ

 

売上の金額を移して前月の前受金部分を

売上高へ移すといった処理になります。

 

原価について

原価も基本的な計上方法は売上と同じで

工事完成基準と工事進行基準それぞれで

計上を行っていきます。

 

経理手法は請求された月には一度

材料費、外注費などの項目へ計上して

 

月末には完成していない原価を

仕掛品(未成工事支出金)にしつつ

期末仕掛品として調整を行います。

 

逆に前月分の仕掛品は期末仕掛品を取り消して

仕掛品を無くしていきます。

 

原価では工事に要した経費を勘定科目別に

計上することになります。

 

このときに必要な書類が製造原価報告書

cost reportといいます。

 

製造原価の勘定科目へ計上しないと

売上高との対応ができなくなります。

 

経営状況の把握の観点からは

売上―原価=粗利となりますので

必ず製造原価報告書を作成することになります。

 

販売費及び一般管理費について

販売費及び一般管理費は会社の固定費が集まった

経費の集合体になります。

 

役員報酬、事務員の給料、事務所の家賃などが

勘定科目別に処理されるイメージです。

 

原価と異なることは売上に連動して

金額が変動しない経費になります。

 

建設業でよくあるミスとしては

原価科目なのに販売費及び一般管理費に

計上していることです。

 

これだと原価管理と粗利の判断が難しくなり

経営判断を誤ってしまう可能性があります。

 

会社としては原価になるのか

販売費及び一般管理費になるのかを

判別する必要があります。

 

 

建設業の会計の注意点

建設業の会計の注意点としては

上記でも申し上げたように原価になるのか

販売費及び一般管理費になるのかの判別と

経理処理になります。

 

会社で難しいのは原価になるのかの判別が

最も難しいところだと思います。

 

現場での材料費、外注費、職人の給料は

原価になることはイメージしやすいです。

 

しかし、上記以外についてはあまり判別を

していないことがあるのではないでしょうか?

 

例えば、現場で使う車の減価償却費、

材料を置く置き場代、現場で車を止めたときの

駐車代など様々です。

 

遠方の現場であれば宿舎代、職人への食事代など

色々と原価になる可能性がある経費があります。

 

細かいようですがこういったものも

原価になります。

 

まずは経費のうち原価になるものを洗い出して

原価にする、原価にしないといった判別をします。

 

 

 

 

経理処理の注意点

経理処理を行う場合には判別された経費を

製造原価報告書の勘定科目へ計上します。

 

経理処理だけを見ればそこまで難しくはない

様に見えますが!!

 

月末に未完成の工事の処理を行うためには

工事台帳がないとできません。

 

理由は未完成の現場に使った原価の金額を

知る必要があるからです。

 

建設業でおろそかになりがちなのは

工事台帳になる理由がこれです。

 

本来であれば工事台帳は現場ごとに作成して

その現場に使った経費の金額を入力することになります。

 

そうすることで現場に使った経費の金額を知り

月末に未完成と完成の仕訳をすることができます。

 

会計と連動する工事台帳の作成が

大切になります。

 

営業年度報告書と会計の相違点

営業年度報告書では以下の資料を提出します。

①工事経歴書

②工事施工金額を記載した書面

③貸借対照表及び損益計算書

④株主資本等変動計算書及び注記表

⑤事業報告書

⑥付属明細表(一定の法人に限定)

⑦事業税納付済額証明書

 

通常、顧問税理士さんがいれば

③、④はそろうと思います。

 

ただし営業年度報告書は所定の書類で

作成する必要があります。

 

このときに営業年度報告書と会計の違いが

浮き彫りになります。

 

営業年度報告書では兼業売上や原価については

軽微なものを除いて建設業とは別に表示して

作成する必要があります。

 

会計上では兼業をしていようがいまいが

売上は売上高、原価は仕入高又は製造原価へ

直接的に計上を行います。

 

中小企業によっては兼業があるけれども

部門別会計の導入を行うことなく

最終的な決算まで行ってしまう可能性があります。

 

こうなると帳簿から調べ上げて兼業の金額を抽出し

営業年度報告書を作成する手間増えます。

 

結論としては建設業では兼業する事業が

あろうがなかろうが部門別会計を行って

事業ごとに分けておくと便利です。

 

 


編集後記

建設業の会計の基礎知識と注意点ですが

基礎知識といっても意外に高度だと思います。

 

会計の理解は数字を見て判断する人別に

深堀する度合いが異なるのです。

 

社長さんであれば最終的な数字の把握が

できればよいので、売上、原価、仕掛、

完成、未成の概念さえわかっていればよいです。

 

工事部長、営業部長は営業利益まで行く

構造が分かっていると良いと思います。

 

経理さんについては全部が分かっていないと

建設業を理解するのはちょっと難しいです。

基本的には簿記2級レベルが必要だと思います。

 

 

では税理士・行政書士の齋藤幸生でした!!

それでは、また!

 

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この記事は、その時の状況、心情で書いています。
また、法令に関しては、その後改正された場合には、
異なる取り扱いになる可能性があります。

 

 

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