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建設業で税務調査が入ったときの指摘事項を税理士が解説!

建設業で税務調査が入ったときの指摘事項を税理士が解説!

こんにちは!

 

税理士・行政書士の齋藤幸生です!

 

今回は・・・

建設業で税務調査が入ったときの指摘事項を

税理士が解説する記事となります。

 

税務調査官の移動辞令が7月10日で行われて

通常だと7月~12月までが税務調査の本格稼働の時期です。

 

建設業は日本で行われている事業でも

古くからある業種となります。

 

結論として税務調査におけるノウハウも蓄積されています。

慣れている税務調査官だと確認するところが概ね決まっていて

普段から注意するところが決まっています。

 

今回は、税務調査とは何ぞやというところから

指摘事項、税務調査後の対応について横断的に

解説する記事となります。

 

それでは、スタートです!!

 

税務調査とは?

税務調査とは税務署の職員が事業主の事務所に行って

行う調査が一般的です。

 

こちらを実地調査といいます。

 

個人事業主だと個人課税部門、法人だと法人課税部門

それぞれが行うことになります。

 

調査することは、税金関係となります。

 

個人事業主だと

・所得税
・消費税(消費税の課税事業者の場合)
・印紙税

 

法人だと

・法人税
・消費税(消費税の課税事業者の場合)
・印紙税

 

調査する書類は法定された保存義務がある書類です。

次のようなものです。(個人・法人で共通です)

 

①総勘定元帳・仕訳日記帳
②固定資産台帳
③請求書
④経費の領収書やレシート
⑤契約書

 

調査する期間は通常調査を前提とするなら

3年間です。

 

2020年の税務調査では、

個人の場合:2019年、2018年、2017年

法人の場合:2020年(決算が終了していれば)、2019年、2018年、2017年

もし2020年の決算が終了していなければ2019年~2017年が対象です。

 

税務調査の流れは次ようになります。

①顧問税理士がいる場合は、顧問税理士に連絡があります。
もし、顧問税理士がいなければ、納税者本人に連絡があります。

②調査についての説明があります

③日程の調整を行います。

④当日から2日~3日で実地調査を行います。

⑤調査の初日は、会社の概要を社長さんや経理担当者から
ヒアリングを行います。

⑥ヒアリング後は帳簿などの資料を確認しながら
質問事項を投げかけられます。

⑦質問事項を回答します。

⑧修正事項があり、税金が増えれば修正申告
税金が減れば更正の請求の手続きを行います。

⑨修正申告の場合には追加で納税を行います。
更正の請求の場合には、後日、税金が還付されます。

⑩調査の結果が税務署から会社へ通知されます。
こちらで調査終了となります。

⑪修正申告の場合には延滞税などの罰金の通知があり
通知後に納付することになります。

 

 

建設業の税務調査での指摘事項とは?

建設業の税務調査での指摘事項は次のようなことが多いです。

①人件費に関する源泉所得税

②廃材などの計上もれの売上

③調査官が疑問に思った経費の使い方

 

人件費に関する源泉所得税の指摘事項

人件費に関する源泉所得税の指摘事項は

とどのつまり外注費のうち

源泉所得税の対象となるかどうかの確認です。

 

特に一人親方への外注費の支払について

源泉所得税の疑義が発生することが多いです。

 

一人親方との契約は通常業務委託ですが

過去の最高裁の判例があり契約を事実にて

判断することになっています。

 

ですから形式上の契約が業務委託であっても

事実を積み上げていったところで

実質は雇用契約であるという判断になる場合があります。

 

廃材などの計上もれの売上

①単なる経理ミスによる売上の計上時期の遅れ

②建設業では解体で得た廃材を売る

③材料の転用ができずに外部に売る

④従業員や外注先への支払からの天引き売上

という4つが代表的に計上もれになる可能性があります。

 

経理ミスによるというのは要するに

2019年の売上にすべきなのに2020年の売上にしていた

というような場合です。

 

建設業では請負契約、人工売上、現場加工売上が一般的です。

売上の請求は毎月月末で、その売上金の入金が翌月といった場合には

決算月の売上を翌年度の売上として計上してしまうケースがあります。

 

このような場合には経理上のミスの売上ということになります。

 

廃材の売上で多いのは売上の隠匿です。

廃材業者へ廃材を売り、現金で売上金を受け取り

それを会社の帳簿に計上しないという隠匿方法です。

 

材料の転用ができずに外部に売るときにも

同様の手口により売上の計上を行わないといったことが

行われることがあります。

 

従業員や外注先への支払からの天引き売上とは

ヘルメット、宿舎代など会社が支払った経費の一部を

天引きしていると会社の収入となります。

 

こちらの収入の計上もれなってしまう場合があります。

 

 

 

調査官が疑問に思った経費の使い方

こちらでよくあるのが社長さんの個人経費を

会社の経費に計上しているのではないか?ということです。

 

疑問に思われるケースとしては次のような経費が多いときです。

①役員報酬がかなり低く、飲食代などが多いとき

②社長さんの自宅付近での飲食代が多いとき

 

役員報酬がかなり低く、飲食代が多いとは

役員報酬を極限まで切り詰めることで社会保険や

社長さんの個人の所得税の負担を低くします。

 

その分人が生きていくためにはどこかで食事をする

必要があるために飲食をするたびに会社の会議費や

交際費で経費に落とすというやり方です。

 

そのため、上記のような場合には私的な飲食代があるのでは?

という疑義が調査官に生じることがあります。

 

社長さんの自宅付近での飲食が多いときとは

事務所が別にあるのにもかかわらず

なぜか社長さんの自宅付近での食事代が多いときです。

 

この場合には家族との食事代が経費に計上されているのでは?

という疑義が調査官に生じることがあります。

 

以上のことは調査官によるのですが

年齢を重ねて色々な不正を目の当たりにした

ベテラン調査官がつついてくることがありますね。

 

税務調査後の対応とは?

税務調査後の対応について解説していきます。

基本的には税務調査での質問事項について回答して

筋が通っていれば問題がない調査であるとして

通知書が会社宛に届くことになります。

 

しかし、事前に税務調査官が外部から仕入れた情報を

基に課税を前提に調査に来るときにはすでに課税できる

事実が確定していることになります。

 

このときには、あまりにもひどい仮装、隠蔽、隠匿でなければ

修正申告を行うことで済む場合があります。

 

しかし、仮装、隠蔽、隠匿といった事実があると

重加算税といってより重い罰金となることがあります。

 

このときには税務署のブラックリストに登載されますので

継続的な調査対象会社となってしまい

概ね3年ごとの税務調査になる可能性が高いです。

 

結論しては悪いことをしたとしても

悪いことの範囲を絞る主張をすることになります。

 

国税庁の重加算税の事務運営指針によれば

仮装、隠蔽、隠匿といったことがあると

無条件に重加算税にする方針です。

 

裏を返せば、重加算税の対象となるのは

仮装、隠蔽、隠匿といった悪いことをした部分だけです。

 

最終的な落としどころとして

もし、重加算税の対象となる部分が他の否認事項よりも

少ない場合であればそちらを優先した交渉を

税務調査官と行っても良いかと思います。

 

つまり、税務調査官が上長に報告して課税が確定する範囲に

重加算税の対象となる部分について重加算税の対象としないように

交渉するわけですね。

 

この辺りの勘所は税理士さんの提案方法にかかってくるので

経験、知識、知見がものをいうところであると思います。

 

 

 


編集後記

いよいよ税務調査が本格化するシーズンになりました。

ただ、今年は新型コロナウィルス感染症の影響で

実地調査ができるのか?という疑問があります。

 

色々なところに行っている調査官に会社としても

来てほしくないのが本音でしょう。

 

もし税務調査の通知が来た場合には

コロナ対策をどの程度行うのかを確認する必要があります。

 

場合によっては、税務調査を実地ではない調査に切り替え

対応することも検討に挙がってきそうです。

 

 

では税理士・行政書士の齋藤幸生でした!!

それでは、また!

 

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この記事は、その時の状況、心情で書いています。
また、法令に関しては、その後改正された場合には、
異なる取り扱いになる可能性があります。

 

 

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