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建設業で完成工事基準を適用した場合の決算処理のポイント

建設業で完成工事基準を適用した場合の決算処理のポイント

こんにちは!

 

税理士の齋藤幸生です!

 

今回は・・・

建設業で完成工事基準を適用した場合の決算処理のポイント

という記事です。

 

私は税理士業界に入ってから建設業に

関与していきました。

 

中小企業の建設業の請負工事では工事完成基準で

決算を行っていくことが多いようです。

 

今回は建設業に特化した記事となります。

 

それでは、スタートです!!

 

完成工事基準とは?

完成工事基準とは何かというと

工事が完了して物件や構築物を相手方に

引渡したときに売上と売上原価を計上する

会計処理方法です。

 

なぜ中小企業で広く一般に使われているのが

工事完成基準なのかというと

 

会計処理が複雑にならないためです。

 

工事が完了して引き渡して売上計上、原価計上する

ということで分かりやすいですね。

 

会計処理は完成していない現場の入金は

前受金(未成工事受入金)

 

原価の場合には仕掛品や未成工事支出金で

会計処理を行っていけば良いことになります。

 

ただ現場ごとの工事台帳は作成しておかないと

決算にて問題が発生してしまいます。

 

理由は完成した現場の売上の金額と

原価の金額が分からなくなるからです。

 

学習簿記上は、非常に簡単な会計処理ですが

実務となるとちょっと工夫が必要なのです。

 

すなわち、現場ごとの入金と出金の管理

現場ごとの費目別計算が必要となります。

 

これが工事台帳に記載すべき金額となり

決算では完成工事の売上と原価を計上することになります。

 

実務上の会計処理については最後に解説します。

 

 

決算のポイントと税金計算

工事完成基準を適用している場合の決算のポイントと

税金計算のポイントをまとめていきます。

 

上記でも申し上げた通り

工事台帳を付けることが前提です。

 

それと、製造原価報告書も必要です。

 

よくある会計処理上の問題点は

現場で使った経費を含めて販売費及び一般管理費に

計上してしまう点です。

 

これは損益計算の構造上を考えると

適切な会計処理ではありません。

 

必ず、製造原価報告書にて費目別に

会計処理を行います。

 

ここまで来て初めて決算をすることになります。

 

まずは、その会計年度又は年で完成した工事を

認識することになります。

 

要するに完成した工事を洗い出すのです。

 

そして完成した工事の売上と原価になる金額を

工事台帳から拾ってきて会計処理を行うという

流れになります。

 

因みに工事台帳についてはエクセル管理が

現在においても主流ですね。

 

クラウドの工事台帳ソフトもありますので

IT系に抵抗がない人はエクセルを無理に使う

必要はありません。

 

ただ業種によって適合するかどうかは

使ってみないと分かりませんので

クラウドの工事台帳ソフトを使う場合には

無料期間で試すことが必要ですね。

 

 

次に税金計算上の考え方です。

 

法人税、所得税は工事完成基準で問題ないので

会計処理と一致することになります。

 

ただ建設業特有のことを申し上げると

以下の収入を売上に計上して置かないと

税務調査の時に追徴課税を受ける場合があります。

 

①現場で解体した廃材を売った場合の収入
②現場に入った大工などから道具代などを徴収している
場合の徴収した金額
③購入した材料を転売した場合の転売収入

よくあるのは上記の3つですね。

 

必ず売上に計上して置くようにしましょう。

 

そして消費税の考え方となります。

 

工事完成基準では非常に大切です。

 

まず原価などの費目別の項目について

発生主義により会計処理していることが前提です。

 

これにより消費税の控除を受けるタイミングは

仕入を行った日となっていますので

とどのつまり費用が発生した会計年度

又は年ということになります。

 

これに対して売上の消費税の計算をするのは

工事が完成した会計年度又は年となります。

 

従って、消費税の計算では売上の消費税と

原価の消費税は認識時点が異なることになります。

 

この点、法人税や所得税と同じにしても

税務調査では文句を言われないと思われますが

 

消費税法上をそのまま適用すると

原価の消費税の控除を受けることが先になります。

 

つまり、消費税の申告について還付申告になる

場合があるということです。

 

事実、私の関与先においても還付となる

会計年度がありました。

 

ただ還付となると還付となった資料の提出を

税務署から求められることになります。

 

この時に提出書類として工事台帳を提出して

還付となった理由を説明することになります。

 

 

会計処理を解説

最後に会計処理について解説していきます。

 

期中と決算時点に分けて行きます。

 

期中では請求の都度売上の計上、費用が発生する都度

経費計上を行っていきます。

借方勘定科目 借方金額 貸方勘定科目 貸方金額
売掛金 5,500,000 売上高 5,000,000
仮受消費税 500,000
【製】外注加工費 2,500,000 買掛金 2,750,000
仮払消費税 270,000

このような感じです。

消費税の課税事業者を前提として仕訳しました。

 

上記のように期中では行っていきます。

 

月次決算を組まない場合には、いきなり決算処理です。

借方勘定科目 借方金額 貸方勘定科目 貸方金額
売上高 5,000,000 前受金(未成工事受入金) 5,500,000
仮受消費税 500,000
仕掛品(未成工事支出金) 2,500,000 期末仕掛品 2,500,000

このような会計処理を行います。

 

決算が終わって翌期に完成したとなったら

借方勘定科目 借方金額 貸方勘定科目 貸方金額
前受金(未成工事受入金) 5,500,000 売上高 5,000,000
仮受消費税 500,000
期首仕掛品 2,500,000 仕掛品(未成工事支出金) 2,500,000

 

月次決算をする場合にはちょっと工夫が必要で

借方勘定科目 借方金額 貸方勘定科目 貸方金額
売上高 5,000,000 前受金(未成工事受入金) 5,500,000
仮受消費税 500,000
仕掛品(未成工事支出金) 2,500,000 期末仕掛品 2,500,000

ここまでは、決算と同じなのですが

 

翌月の振替仕訳の時に

借方勘定科目 借方金額 貸方勘定科目 貸方金額
前受金(未成工事受入金) 5,500,000 売上高 5,000,000
仮受消費税 500,000
期末仕掛品 2,500,000 仕掛品(未成工事支出金) 2,500,000

借方勘定科目の期首仕掛品が期末仕掛品になる

ということがポイントです。

 

理由は期首仕掛品としてしまうと

前期から繰り越されてきて期首で振り替えた

期首仕掛品に積み重なってしまいます。

 

期首仕掛品はあくまで前期末の期末仕掛品と

金額を同じにする必要があるために

月次決算では期末仕掛品を使って

振替処理を行って行くことになります。

 

最後に余談ですが2019年~2020年にかけては

消費税が8%と10%が混在していますので

 

期中処理の時の売上の消費税の区分

決算での完成工事の売上の消費税の区分

原価を計上する消費税の区分には

特に注意を払って処理を行う必要があります。

 

 


編集後記

今回の記事を作成するに当たって念のために

税法関係を調べてみると基本が大切だと思いました。

 

なぜ完成工事基準が適用できるのかといった

基本的な考え方、国税庁の通達などで参考になる

部分が多いなあと思います。

 

建設業許可の更新を今後する予定ですが

申請業務とも連動するので税理士と行政書士の

相乗効果は良いようですね。

 

 

では税理士の齋藤幸生でした~
それではまた👍

 

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この記事は、その時の状況、心情で書いています。
また、法令に関しては、その後改正された場合には、
異なる取り扱いになる可能性があります。

 

 

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