補佐人講座を終えて考える税理士の補佐人制度
こんにちは!
税理士の齋藤幸生です!
今回は・・・
補佐人講座を終えて考える税理士の補佐人制度
について記事にしたいと思います。
昨年4月から筑波大学大学院に通って
税理士の補佐人講座を受講してきました。
どういった内容だったのか、今後の補佐人制度は
どうなって行くのかについてまとめていきたいと思います。
それでは、スタートです!!
税理士の補佐人と補佐人講座とは?
税理士の補佐人
補佐人といっても知らない人が多いと思います。
税理士が補佐人としてからむところは税務訴訟です。
税務調査が入り、税務署から更正処分を受け
不服申立の決定が出た後にようやく税務訴訟を
提起することができます。
税務訴訟を起こしたときに
弁護士と一緒に裁判に出ていく税理士が補佐人です。
弁護士は法の専門家ですがすべての弁護士が
税法に詳しいわけではありません。
そんなときに税法の専門家である税理士と
一緒に裁判に関与してもらう形式です。
裁判では税理士である補佐人は何ができるのかというと
証言をすることができることになります。
これを出廷陳述権といいます。
では証言する人に質問する尋問を
税理士補佐人はできるのかという問題が起こります。
通説では尋問はできないことになっていますが
裁判官によっては税理士補佐人が尋問することについて
制限をしない場合があります。
この辺りは、裁判上の流れでの出来事でしょうから
質問することが当然の流れなのであれば認めざるを得ない
ということなのだと思います。
補佐人講座とは
次に補佐人講座についてです。
東京税理士会を中心に補佐人講座を開設して
所属会員から講座を受講する人を募集しています。
学習する講座は、民事訴訟法、税務手続法、税務争訟法です。
講座を修了すると税理士会にある補佐人名簿に
搭載されて、補佐人が必要な時にはその名簿から
補佐人が選ばれることになります。
講座の中身としては民事訴訟法は民事事件の裁判について
手続の法律を学んでいきます。
民法が実務として適用される法であり
その手続法という位置づけが民事訴訟法です。
税務手続法は税務関係の手続法である国税通則法を
中心に判例を用いて学習していくことになります。
税務手続法という法律があるわけではなく
概念的な意味として使われています。
税務争訟法は税務訴訟に特化した講座で
判例、法令を学習していくことになります。
最後には模擬裁判を通して裁判の実地を行い
白黒つけることになりますね。
模擬裁判では私は裁判官として原告(納税者)と
被告(国)に分かれた受講生の主張を聞く機会がありました。
成績についてはすべてレポート提出により
単位がもらえるのかが決まります。
ですから補佐人講座に出席しているから
終了するという訳ではありません。
あとは税務争訟法では課外授業として
裁判所見学もすることができましたね。
私は最高裁判所だけでしたが参加して
大法廷を見ることができました。
補佐人講座が実務で役に立つのか?
補佐人講座が実務で役に立つのかということも
興味が出てくるところだと思います。
結論を申し上げると実務ですぐに役に立ち
お金になるわけではありません。
実際に税務訴訟が頻繁に起こるわけではないですし
税務訴訟が起こっても補佐人の依頼が多いわけでもないです。
ただ研修時間には加算されるようなので
東京税理士会の研修義務には貢献すると思います。
なぜ実務ですぐに役に立つわけではないと
言ってしまえるのかというと税務訴訟に特化した制度であるから
ということだと思います。
それに弁護士法や司法書士法に違反してまで
裁判に税理士が関与することはないかと思います。
ただ長崎年金訴訟の例もあるので
代理人としてではなく社会正義としてなら
あり得ない話ではないかと思います。
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あとはお金にならないと言い切れる理由は
税理士業では顧問契約などが主流で税務訴訟で
税理士業を維持できている税理士が少ないです。
風のうわさでは税務訴訟に特化したサービスを
展開している税理士もいるらしくかなり潤っていると
聞いたことがありますね。
もし補佐人として関与することができれば
報酬はタイムチャージ方式になりますで時給によりますが
かなりよい手取になるのではないかと思います。
こんな状態なのになぜ補佐人講座を受講したの?
と思われるでしょうが
私の知り合いに補佐人講座を受講した人がいて
内容を聞いてみると楽しそうだったので受講しました。
今となっては自分の知識欲として講座を受講したのだと
思っています。
税理士補佐人の今後は?
今後の税理士補佐人はどうなるのかを考えました。
今後は法定陳述権のみならず、尋問もすることが
できるようになるのではないかと思います。
(あくまで実務上の措置としてです)
因みに尋問権がないと法定されているわけではないです。
税理士の補佐人の制度を作るときの国会の審議において
尋問権が否定されているのです。
ですが実務では裁判官から特段制限されている
という訳ではないです。
ただ税務訴訟では代理人である弁護士に
裁判官から確認が行われることがありますね。
ですからそう簡単に尋問権が設定されるわけではないと
私は考えています。
実務上でも支障があるようなことは聞いたことはないです。
有名無実化している定説になるのだと考えています。
あとは税理士業の付随サービスとして
補佐人が活きる機会があるのかというと
それはあり得る話だと思います。
日本はこれから空前の中小企業の廃業を迎え
500万社ある事業所が半分くらいになるといわれています。
そこに取って代わるのが外国人経営者たちだと
私は考えていて税務上のトラブルが増える傾向が
あるのではないかと思っています。
国際税務に関わっていると国の文化が
会社のルールに反映されることが多いです。
例えば従業員の誕生祝でものを購入して
従業員に贈答するといったことです。
この場合だと給与所得になることが通説ですが
本当に給与課税されるのかというとそれは話が別です。
要するに外国文化とその国の法律とのぶつかり合いが
起こるので訴訟も増える傾向になるではないかと思います。
そんなときに補佐人の出番が増えるのではないかと
思っているのです。
編集後記
今日は朝からずっと訪問の日となりまして
夕方から同業者の飲み会となります。
今年から毎月開催の飲み会が2つになると思います。
話は変わって支部の野球部に復帰することにしました。
人手不足と世代交代の波が来ていて試合ができない状態に
なっていらしいのです。
完全なるボランティアになるわけですが
まあ付き合い的な感じでやって行きます・・・
では税理士の齋藤幸生でした~
それではまた👍
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この記事は、その時の状況、心情で書いています。
また、法令に関しては、その後改正された場合には、
異なる取り扱いになる可能性があります。
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