消費税の有利不利判定は慎重にやろう!
こんにちは!
ぼっち税理士の齋藤幸生です。
今回は消費税の有利不利判定について
解説していきます。
自分で経理事務をやっている個人事業主さん向けで
書いています。
ただ消費税の有利不利の考えは個人と法人で
差はありませんので
法人でも有利不利判定は参考になると思います。
それでは、スタートです!!
消費税の有利不利判定の概要
消費税の有利不利判定とは原則と簡易で
どちらが消費税の納付で少なく納税するかを
判断することです。
原則とは原則(本則)課税とも言われる計算方法で
簡易とは簡易課税と言われる計算方法です。
消費税の納付額を計算する方法として2つありますので
どちらが納付額が少なくなるのかを考えることが
有利不利判定になります。
簡易課税では適用できる規模に制限があります。
2年前の売上が5,000万円以下でないと適用できません。
簡易課税を受けるには、簡易課税を受けようとする
年又は事業年度に入る前に簡易課税の選択届出書を
税務署へ提出する事になります。
例えば、個人であれば適用を受ける年の前年12/31が
届出書の提出期限です。
法人(3月決算)だと適用を受ける事業年度の前事業年度である
3/31が届出書の提出期限です。
有利不利判定をやってみる!
では有利不利判定の計算です。
その前に原則課税と簡易課税の納付額計算を
大まかに知っておくことが必要です。
原則課税の計算
売上の消費税―経費の消費税
簡易課税の計算
売上の消費税ー経費の消費税(注)
(注)売上の消費税×業種に応じる一定の割合(最高で90%)
結論としては、簡易課税は売上の消費税から
引くことができる金額は最高でも売上の90%です。
つまり10%は消費税を納付する事になります。
ここで有利不利の判定をします。
消費税の原則課税に計算では経費の消費税が
存在しますが、経費の消費税には人件費は
対象とはなりません。
人件費とは給料と社会保険の会社負担分です。
人件費にいくら支払っても、消費税の計算では
経費の消費税には入らないのです。
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ですから、次のような割合を出していきます。
人件費以外の経費/売上高で経費割合を出します。
簡易課税では業種ごとに一定の割合が
決まっているので割合を確認します。
割合で次の判定を行います。
①経費割合>簡易課税の業種の割合
→原則課税が有利
②経費割合<簡易課税の業種の割合
→簡易課税が有利
この様に判断することができます。
要するに、割合が高いほど消費税の計算で
売上の消費税から引くことができる経費の消費税が
大きくなります。
結果として消費税の納付額は少なくなり、
有利なります。
実際に数字を入れて判断をしてみましょう。
前提として売上の消費税は500万円とします。
経費割合が70%>業種割合50%の場合
・500万円ー(500×70%)=150万円(納付額)
・500万円ー(500×50%)=250万円(納付額)
ですから、原則課税のほうが納付金額が下がります。
逆も同じ考え方で簡易課税が有利となる計算です。
経理方法と判断時期
消費税の有利不利判定はこれまでの通りです。
しかし、経理方法や判断時期にも注意です。
経理方法
消費税の計算方法により経理方法が異なります。
簡易課税は簡易と書いてある通り経理が
原則課税よりも簡単です。
簡易課税は売上の消費税の区分だけを分けます。
簡易課税は第一種事業から第六種事業まであり、
売上につける消費税の区分を分けるだけです。
仕訳で示すと
借方勘定科目 | 借方金額 | 借方消費税 | 貸方勘定科目 | 貸方金額 | 貸方消費税 |
売掛金 | 110,000 | 対象外 | 売上高 | 110,000 | 第五種事業 |
こんな形で売上の消費税の区分だけを分けて
仕訳を行うことになります。
原則課税の経理方法は簡易課税よりも
複雑になりますね。
売上と経費それぞれで消費税の区分を設定します。
借方勘定科目 | 借方金額 | 借方消費税 | 貸方勘定科目 | 貸方金額 | 貸方消費税 |
売掛金 | 110,000 | 対象外 | 売上高 | 110,000 | 課税売上10% |
仕入高 | 99,000 | 課税仕入10% | 買掛金 | 99,000 | 対象外 |
例えばこのような処理をすることになります。
原則課税は売上の消費税と経費の消費税を分けて
処理することで計算するからです。
因みに、2019年10月からは軽減税率が導入され
売上と経費それぞれで軽減税率の8%を設定するときが
現れるようになりました。
有利判定の時期は?
最後に有利不利の判定する時期はいつか
ということになります。
簡易課税を選択するためには
簡易課税を適用する前年までに選択届出書を
税務署へ提出することになります。
判断する時期は前年中に行います。
前年中に簡易課税を適用する年度の事業計画をして
人件費以外の経費が対売上比率でどれくらいになるのか
ということを計算するのです。
判断では設備投資に注意です。
設備投資をする場合には設備投資をした
年度に一括で消費税の控除を受けます。
経費の消費税が設備投資をする年度だけ
大きくなります。
それと、簡易課税は2年間継続して適用する
決まりになっています。
簡易関税を一度選択すると2年間は原則課税に
戻ることはできません。
簡易課税の適用2年目に
必要性に迫られて設備投資をしても
設備投資での消費税は控除できませんから
注意が必要となります。
編集後記
今日は朝から訪問でした。
移動中にブログの記事をwordにまとめて
コピペするだけになっているので楽です。
最近は外出時のブログの記事はiphoneでやっています。
office365soloだとライセンスの制限がなく
自分の持っているITガジェットすべてに導入できる
という点で使い勝手が良いと思っています。
ではぼっち税理士の齋藤でした~
それではまた👍
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この記事は、その時の状況、心情で書いています。
また、法令に関しては、その後改正された場合には、
異なる取り扱いになる可能性があります。
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