サイトアイコン 問題解決を後押しする都庁前のLiens税理士事務所 齋藤幸生

税理士試験でなぜベテランになってしまうのか?

税理士試験でなぜベテランになってしまうのか?

今回は、税理士試験でなぜベテランになるのか?

ということで記事を書いていきます。

 

私が税理士試験に最後までかかったのは、

8年か9年です。

 

税理士試験に合格するまでには、

業界平均で10年かかるようなので、

概ね平均ですね。

 

このようになぜベテランとなるのかという疑問を

私の経験を基に解説していこうかと思います。

 

それでは、スタートです!!

 

なぜベテランになってしまうのか?

それでは、素朴な疑問になぜベテランに

なってしまうのか?

ということから解説していきます。

 

科目合格制度

以前から言われていることなのですが、

科目合格制度の弊害が顕著になっている

という主張があります。

 

これについては、理由としてはあり得ます。

 

科目合格だと、その科目1つだけに集中して、

学習することができるというメリットがある一方、

 

相対的に合格レベルが引きあがってしまう

ということがありますね。

 

税理士試験は60点以上が合格ということに

なっているわけではありますが、

実際には60点では合格しません。

 

私の経験を申し上げると、

消費税:64点で合格

法人税:74点で合格

相続税:83点で合格
(当時の記憶を基に作成)

 

消費税がちょっと低いですが、

出題が神がかり的な問題だったので、

合格できただけです。

 

このように、60点合格制は嘘です。

実際は、60点以上を取る競争試験となります。

 

これが科目合格制度の現実なのです。

 

働きながら合格できる

こちらも、闇が深い問題だと思いますね。

 

一応、嘘ではないです。

私自身、法人税と相続税は働きながら

合格しているからです。

 

ただ、私が勤務していた事務所は、

確定申告時期の繁忙期が他の事務所よりも

時間的に大したことなかったからです。

(一時期、ものすごいブラックになりましたが)

 

税理士業界の闇と言っても良いのですが、

税理士業界は、多くの受験生を取込み、

働いてもらうことで発展してきました。

 

働きながら受験する理由は、ただ一つです。

実務要件2年があるからです。

 

税理士試験合格者が税理士事務所に雇われるのか

というと・・・難しいです。

(大手など一部例外がありますが)

 

要するに、税理士試験合格後だと、

実務要件を満たすことが難しくなるので、

初めから実務要件を満たすように

働けば良いわけです。

 

ここで、受験校と税理士業界、受験生の利害が

一致するわけですね。

 

受験校は、税理士試験の講座でビジネスをする、

税理士事務所は受験生を雇う、

受験生は税理士事務所で働きながら、講座で学習する。

 

ね?全員の利害が一致するでしょ?

 

こうすることで、働きながら受験できるという

スキームができてきます。

 

しかし、よく考えてみると、

働きながら受験するよりも、

受験に専念する方が、学習時間を捻出でき

合格可能性は上がると思います。

 

なぜなら、学習時間の確保が働きながらよりも

できるからですね。

 

 

税理士試験を撤退できない・・・

さて、ある程度、科目合格していると税理士試験を

撤退できないことになります。

 

今度は、そのことについて解説していきます。

 

科目合格3科目以上だと撤退できない

さて、私は簿記論、財務諸表論、消費税で

3科目を揃えました。

 

この時に思った心境としては、

あと2個!という考えです。

 

これも闇が深いですね。

 

人間、あと2個なんだからどうにかなる!

と思ってしまうのです。

 

大学院も考えられません!

なぜなら、年間200万円かけて通学するよりも、

受験校の講座のほうがはるかに安いからです。

(講座に取りますが、概ね年20万円くらいです。)

 

それに、税理士業界か、受験業界なのかは分かりませんが、

税理士試験に合格する方が偉い的な考えもありますね。

 

私の場合には、大学院を考えましたが、

すでに1回目の法人税の受験後で、

もう一年頑張れば、合格できる!との

確信があったので、受験を継続しました。

 

恐らくですが、私と似たような考え方で、

受験を選択した方は多いのではないでしょうか?

 

 

 

 

 

4科目をそろえると止められない!

さて、無事4科目そろえると、

あと1つ~、あと1つ~という

号令が聞こえてきます!

 

まあ、勘違いなんですが(笑)

 

ここまでくると、尚更、受験1本になりますね。

 

ここで何を選択するにしても、

闇が深いのが税理士試験です。

 

科目により異なると思いたいのですが、

国税庁の合格者調整というどうにもならない

ハードルがあります。

 

私が相続税で80点以上得点しないと

最終的な合格にならなかったのも、

合格者調整だと思います。

 

最終的な税理士試験合格者の合格率は

国税庁によって厳密に管理されています。

 

ですから、毎年、同じような推移で割合が

保たれているわけです。

(財表などはぶっ壊れることがありますが)

 

税法に至っては、概ね10%前後で推移していて、

合格者も受験者数に占める合格者の割合は2%前後で

推移していますね。

 

こういったことは、人為的な操作がないと

絶対にできません。

 

国税庁側としては、受験者数に占める合格者の割合を

2%前後と決めて、運用しています。

 

念のため、公開されている国税庁の情報を基に

表にしてみます。

年度 受験者数(A) 合格者数(B) 割合(B)/(A)
平成30年 30,850人 672人 2.1%
平成29年 32,974人 795人 2.4%
平成28年 35,589人 756人 2.1%
平成27年 38,175人 835人 2.1%
平成26年 41,031人 910人 2.2%
平成25年 45,337人 905人 1.9%

 

数字を並べると分かりますが、人為的でなければ、

ちょっとあり得ない数字となります。

 

作問者が3年に1回変わることになる税理士試験で、

純粋に採点した場合には、もっと変動があるのが

当たり前だと思います。

 

なのに、大体2%前後で推移している事実は、

調整しか考えられません。

 

このように、最後の科目が厳しめになるという

現実があるのだと思います。

 

合格することが目標となる

それと、仕方がないことなのですが、

合格することが目標になってしまいます。

 

まあ、私は悪くない目標選択だと思っています。

 

なぜなら、受験生は税理士となってなんぼの

世界になりますから、税理士資格を取らないと

意味はありません。

 

年齢、考え方、家族構成など色々な状況に合わせて、

独立と勤務を選択すれば良いだけですしね。

 

税理士試験に合格しないと、

道は開かれないと思います。

 

また、税理士となった後でしか分からないことも

沢山ありますので、まずは税理士となることが先決です。

 

ただ、税理士となって仕事をすることが

現実的な問題とはなります。

 

何が言いたいのかというと・・・

 

税理士となる道は、税理士試験だけではないです。

特に、税理士試験は国税庁の影響をかなり受けます。

 

良い方向に影響を受ければ、申し分ないですが、

私のように最後の科目、たとえば相続税を4回受験

といったことだとただの時間の無駄です。

 

つまり、税理士に早くなって、仕事することに

意味があるので合って、受験生として仕事をする

ということとは異なるからです。

 

ルールの上だけの話をすると、

大学院(お金はかかりますが)の科目免除、

公認会計士(受験専念なら損はないはず)

といったことで税理士試験をスルーできます。

 

また、それぞれ、通常の税理士試験で通ってきた

受験生とは異なる経験や知識を持てるはずです。

 

税理士試験に没入してしまうと、

試験に合格することだけになってしまいますが、

他にも道はあり、それでデメリットになる

ということはまれです。

 

私自身、公認会計士で税理士となっている先生、

大学院免除で活躍されている先生などで、

優秀な先生を何人か知っています。

 

最終的には、本人のマインドが問題です。

 

税理士試験の選択を排除する気持ちは

無いわけですが、

 

ルール上、検討の余地はありますので、

税理士試験の闇に引きずられることなく、

しっかりとした選択と、覚悟をもって

受験してほしいと思います。

 

 

 


編集後記

今日も特に訪問などはありません。

ただ、仕事がちらほら来ていたり、

仕事の残りがあったりします。

 

昨日、経営力向上計画の資料を見ていました。

何とか作成可能だと判断しましたので、

今月から関与先に説明していこうかなあと思います。

 

 

ではぼっち税理士の齋藤でした~
それではまた👍

 

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この記事は、その時の状況、心情で書いています。
また、法令に関しては、その後改正された場合には、
異なる取り扱いになる可能性があります。

 

 

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