サイトアイコン 問題解決を後押しする都庁前のLiens税理士事務所 齋藤幸生

転売サイトを使った個人間売買の課税はどうなるのか?

転売サイトを使った個人間売買の場合の課税はどうなるのか?

今回は転売サイトを使った個人間の課税関係を

考えていきたいと思います。

 

まあ、所得税でどうなるんですか?

ということですね。

 

転売サイトでは、生活用物品の売買、せどり、

転売ヤーが売買など色々な形態が存在します。

 

外形的に上記を分けることが不可能です。

これらについての日本の税制の問題点も

今回は指摘しておきます。

 

それでは、スタートです!!

 

生活用物品等を売買した場合

転売サイトの流れ

転売サイトは2種類あると思います。

主に代金決済で違いが出ることになります。

 

1.代金が転売サイトを経由する場合

この場合には、商品が落札者に到着した段階で、

落札者から先に振り込まれてきた金額から、

転売サイトの手数料を引いて、販売者へ送金されます。

 

2.代金が個人で行われる場合

この場合には、基本的に販売者と落札者との間で

メール等でやり取りを行い、販売をしていきます。

ですから、転売サイトが提供するのは、

転売サイトで商品を掲載することだけです。

 

生活用物品等を売買した場合の課税

それでは、生活用物品等を売買した場合の

個人の課税について考えていきます。

 

結論を申し上げますと、所得税は非課税です。

基本的には生活に通常必要な動産の譲渡という

要件が必要となります。

 

つまり、生活で使っている動産であれば、

何でも対象になりますね。

 

通勤で使っている車、家具、電気、パソコン、

プリンターなど色々ですね。

 

非課税から除かれている物品たち

対して、以下のものは、譲渡所得として

所得税の対象となります。

 

貴金属、宝石、書画、骨董などで、

一つの価額が30万円を超えるものの売買です。

 

つまり、いわゆる装飾品や価値のある物品などで、

30万円以上で販売すると所得税の対象となりますね。

 

この点、次のように計算が分かれますので、

注意が必要となります。

 

・所有期間が5年以内の場合

販売価格ー購入した金額ー売買のための費用=(A)

(A)-特別控除=譲渡所得金額

 

・所有期間が5年超の場合

販売価格ー購入した金額ー売買のための費用=(A)

(A)-特別控除=(B)

(B)×1/2=譲渡所得金額

 

5年の判断は購入してから5年ではありません。

売った年の1月1日で5年を超えているのかどうかです。

 

手っ取り早い判断をする場合には、

購入してから6回お正月を迎えているのか?

ということで判断していきましょう!

 

最後に、今回の譲渡所得は、総合課税の譲渡所得に

分類されますので、

 

給料などの他の収入と合計して所得税を

計算することになります。

 

せどりなどの転売目的の場合

事業所得か雑所得か

さて、せどり、転売ヤーの売買は、

事業所得又は雑所得に分類されます。

 

所得税の永遠の判断課題となります。

 

事業所得に該当する場合には、

商法上の規定が判断の最初です。

 

自己の名をもって商行為をすることを業とする者

とされていて、業としての意味は、

少なくとも赤字にならないことを目標として

反復継続する意思でおこなうことを意味します。

 

また、所得税法では、事業で対価を得て継続的に

行う事業と定義できます。

 

因みに、雑所得とは、利子、配当、不動産、事業

給与、退職、山林、譲渡、一時のいずれの所得にも

該当しないものとなっています。

 

ですから、雑所得はダストボックス的な

分類になっていますね。

 

基本的には、商品のような棚卸資産の売買では、

商法上の商行為に該当してきますが!

 

事業所得の定義の対価を得て継続的に

行う事業という点が問題です。

 

要するに、判断は2つあって、

事業性基準と継続性基準があります。

 

このうち、事業性基準についての判断が

必然的に難しくなると思います。

 

どの程度、せどりなどの転売をやっているのか?

ということが問題となると思います。

 

日数、規模、対応している時間なども踏まえて

総合的な判断をせざるを得ません。

 

 

 

 

 

事業所得と雑所得の違い

計算方式の基本的なところには違いは

無いことになります。

 

収入ー費用という計算です。

 

ただし、事業所得では、上記に追加して

課税上の特典があります。

 

・青色申告制度とその特典

・赤字が出た場合の他の所得との損益通算

 

大まかに申し上げると、上記の2つが大きな

違いとなります。

 

ここでは、詳しくは解説しませんが、

事業所得で申告できるとすると、

 

雑所得よりは税金計算上、事業所得は得を

するということになります。

 

要するに、納付税金が少なくなる

ということになりますね。

 

上記の判断基準を元に、事業所得と雑所得の

どちらで申告をするのかを判断してみてください。

 

支払調書の提出義務なしの問題点

さて、上記のように転売に関する

シェアリングエコノミーの課税について

解説してきました。

 

しかし、国税庁としては、上記の転売について

どうやって把握するのでしょうか?

 

現在は、支払調書という収入を国税庁へ報告する義務を

課されたプラットフォーマーは日本には存在しません。

 

つまり、各個人の良心で申告するのかどうか?

ということを委ねているわけです。

 

ですから、当然申告する必要があるのに、

申告をしないという選択をする個人が

一定数いるものと思われます。

 

この点が日本の転売に関する問題点です。

 

また、個人におかれましても、

問題が生じるかもしれません。

 

つまり、所得が把握された後には、

過去の申告はどうなるのか?

ということですね。

 

金額によりますが、規模が大きいと

脱税などに準じた取り扱いとなり、

7年間遡られた挙句、重加算税などの

重い罰金がかかってきます。

 

また、過去の住民税にも影響することに

なりますので、税金の支払だけでかなり

大変なことになる可能性がありますね。

 

現在、所得が20万円を超える人が申告の対象ですが、

この基準を知らない人も相当程度いそうです。

 

今後は、プラットフォーマーにも支払調書の

提出義務を検討される可能性があります。

 

過去に遡られて、脱税などで査察をされることを

避けるためにも、申告は行っていく必要が

あるものと思います。

 

税金でとんでもない目に合う人たち

税金でとんでもない目に合う人たちを

考えてみると、脱税、申告しない、

意図的に隠すといった人が、

とんでもない目に合っています。

 

とかく、近年は、まじめが馬鹿を見るような

制度設計にきしみが生じてきているので、

その分を補完するように、国側が対応している

ように見えます。

 

例えば、ふるさと納税、税金の脱税調査然りです。

 

税理士という立場からなのか、

最近、脱税で査察を受けている会社が増えている

傾向にあると感じています。

 

国側との認識の相違ということであれば、

国側との話し合いもできますが、

 

脱税、申告しない、意図的に隠すといったことでは

ちょっと弁解の余地はないと思います。

 

バレた後の追徴や罰金を考えて、対策を取るよりも

普通に計算して、申告・納付をした方が結果として

支払う税金が少なくなることを知っておいた方が

良いのではないかと思います。

 

 

 


編集後記

今日は午後から、自分派遣をしてきます。

そろそろ経理さんを雇ってもらうような

感じの会社になってきたかなあと思います。

 

まあ、私の報酬を原資にして、パートさんでも

雇ってみては?という説得をしようかなあと

思っています。

 

 

ではぼっち税理士の齋藤でした~
それではまた👍

 

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この記事は、その時の状況、心情で書いています。
また、法令に関しては、その後改正された場合には、
異なる取り扱いになる可能性があります。

 

 

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