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青汁王子にみる脱税の根拠と論法。幼稚なやり方は、当局の思うつぼ!

青汁王子にみる脱税の根拠と論法

今回は、青汁王子にみる脱税の根拠と論法を

考えてみたいと思います。

 

新聞報道の範囲でしか分かりませんが、

報道部分での事実関係を考えて、

 

どのような法律が適用されて、

現在に至っているのかを税の世界から

解説していきたいと思います。

 

それでは、スタートです!!

 

新聞報道等から事実関係を見てみる

新聞報道等から、事実関係を見てみます。

 

逮捕容疑は、平成27年9月期と平成29年9月期に

架空の広告宣伝費を計上するなどして、

会社の所得を隠し、法人税約1億4千万円を免れた。

 

加えて、架空の課税仕入を計上するなどして、

平成26年10月~平成27年9月と

平成28年10月~平成29年9月に消費税約4千万円を

免れたとされています。

 

上記は、産経新聞のネット版から書いてみました。

 

ここで大切なのは、平成27年10月~平成28年9月の

事業年度は、今回の逮捕容疑になっていないことです。

 

さて、では、なぜ脱税とされてしまったのか?

を考察していきたいと思います。

 

日経の令和元年5月12日のネットでの配信によれば、

検察側は、冒頭陳述で、三崎容疑者は簿外資金を

つくるため、知人が管理するペーパー会社の口座に

会社の資金を送金して、

約90%を還流させていたと指摘しています。

 

また、簿外資金は株や仮想通貨の購入に使っていたと

述べているようです。

 

まず、事実関係で重要なのは、簿外資金をつくるため

というフレーズですね。

 

これは、90%の資金を還流させた事実があって、

その資金が入ってきた直後に、青汁王子が

株や仮想通貨の取引に資金を使っていた事実が

確認できたのだと思います。

 

今回は、所得約5億1千万円を減少させた事実が

あるようなので、

 

脱税した税金は、法人税と消費税で2億円ですが、

自身の手元には、5億1千万円の90%があることに

なるのかなあと思います。

 

まあ、実際は、架空の広告宣伝費のみが還流されていたので、

消費税の架空の課税仕入部分を考えると、

手許にはもっとお金があったのかもしれませんね。

 

そうなると、法人の役員の給料は科目内訳書によって、

税務署で知っているわけですから、

 

個人通帳やその株取引の口座、仮想通貨ウォレットの

口座に本人の給料以上の多額のお金が流れていれば、

これは何でしょうか?

ということになったのだと思われます。

 

その結果として、偽りその他不正な行為と事実認定され、

国税局査察部が、検察に租税逋脱犯として通報することに

なったのだと思います。

 

どのような罰則が適用されたのか?

では、上記の事実関係で、どのような罰則が

適用されたのかを考えてみたいと思います。

 

まずは、東京国税局が動いたようなので、

手続き関係から整理したいと思います。

 

現行法令上の手続き関係

いつ調査があったのかは、わかりませんが、

脱税裁判で問題となっている最終期は、

平成29年9月期となっています。

 

確定申告書の提出は、平成29年11月中にやっていると

思いますので、調査が行われたのは、

平成30年中に行われていたと思います。

 

そうすると、国税犯則取締法でやったのか、

それとも、国税通則法に移管された

犯則事件の調査及び処分でやったのか

という微妙な時に調査に踏み切っていると

思われます。

 

まあ、規定の内容は、どちらも同様なので、

あまり問題とはしなかった可能性もありますね。

 

因みに、現行法令上では、国税通則法131条からなる

条文での対応となります。

 

基本的には、裁判所の令状をもって、

対象者の会社、個人宅、関係者のすべてに

一斉に税務調査を仕掛けることになります。

 

それと、物件の差し押さえを行うためには、

裁判所の許可状が必要なのですが、

 

そのためには、以下の要件があります。

①犯則事件を調査をするため必要があるとき
②裁判所等の発する許可状により

この2つが必要となります。

 

以上が国税通則法132条での差押え等の

やり方となります。

 

因みに、139条では、許可状を犯則嫌疑者には

提示しなければならないことになっています。

つまり、許可状が交付されているのに、

見せないことは、手続きとして問題となります。

 

 

 

 

 

法人税の罰則

それでは、実体法ベースの取り扱いです。

法人税では159条が適用されての告発に

なると思います。

 

159条の要件です。

①偽りその他不正の行為により
②確定申告の法人税の額につき法人税を免れ

2つの要件が必要です。

 

青汁王子の場合には、上記の要件を満たした

事実認定があったのだと思います。

 

では、対象者についてです。

①法人の代表者
②代理人
③使用人その他の従業者

でその違反行為をした者

 

代理人となりますから、青汁王子の会社の

税務代理人である税理士がいたとすれば、

 

その税理士にも当然に調査があって、

査察を受けた可能性がありますね。

 

一応、PCの記録も査察では、一定の手続きの下で、

差押えをすることができますので、

当然に、調査されたと思います。

 

報道では、税理士が送検されていないようなので、

税理士がいなかったか、本当に知らなかったのか

ということだと思います。

 

罰則は、10年以下の懲役若しくは千万円以下の罰金、

又は併科になっています。

 

因みに、159条2項では、免れた法人税が千万円を超えるときは、

情状により、159条1項の罰金は、千万円を超えその免れた

法人税に相当する金額以下とすることができる

と規定があります。

 

今回の場合には、法人税を1億4千万円免れていますので、

情状により、罰金は科されない方向へ持って行くため、

 

東京地検特捜部の冒頭陳述を受け入れて、

情状判決を勝ち取ろうとする、弁護人の戦略が

あったのだろうと推察します。

 

 

消費税について

消費税についても、法人税と同内容の規定です。

消費税では、64条が適用されます。

 

また、64条3項では、情状による、罰金が免れた

消費税に相当する金額以下となる点も、

 

法人税と同様の条件により、適用される

規定となっています。

 

 

普通に納税するほうが割が良い

さて、このように、脱税をして納税を

免れたとしても、免れた税金は、

国に納付することになります。

 

また、上記は本税だけの話となると思いますので、

当然、青汁王子の場合には、重加算税の対象となり、

重加算税も納付することになります。

 

結論を申し上げると、

バカらしいと思いませんか?

 

だって、脱税して、手許に残ったお金は払い、

プラス罰金まで支払うことになります。

 

差し引きでは、罰金分だけマイナスです!

 

社会的な評価も著しく低下して、

法人経営もできなくなります。

 

ネット上では、間違いだと思っている人が

ご本人のフォロワーを中心にいるようですが、

世の中から見れば、嘲笑されていると思います。

 

これであれば、

普通に儲けて、納税していた方が

よっぽどましで、世の中から尊敬されます。

 

法律を知れば知るほど、

脱税が如何に無駄な行為であるのかを

痛感します。

 

痛税感は、わかりますが、

行き過ぎはダメなのです!

 

法律を知っていれば・・・

最後に、法律を知っていれば・・・

というお話です。

 

法律を知っていれば、脱税は意味がないと

すぐわかると思います。

 

特に、脱税した分は必ず国側が回収にきます。

罰金のおまけつきです。

 

確かに、脱税した時には、お金は手許に残りますが、

実際に、査察が入って、裁判まで行くと、

刑法犯になり、立派な前科一犯です。

 

犯罪者ということになります。

 

この犯罪者となる人とは、

世の中の人は付き合ってくれません。

 

犯罪者がなぜか、テレビに出ていますが、

私は理解不能です。

 

犯罪者になっても、うまくやれば、

テレビに出れて、儲けられると

勘違いする人が出てくるからです。

 

実際は、そんなことありません。

 

また、税理士側から見れば、

こういった人と関わり合いになることは

難しいと思います。

 

脱税思考とは相いれないということは、

まさしく、法律関係を知っていれば、

契約解除事項になりえるからです。

 

犯罪は人を遠ざけます。

 

法律を知っていればやらないのに、

それに手を染めてしまう人が世の中、

なぜかいっぱいいます。

 

 

 


編集後記

今日は、夜からバンド活動です。

ちょっと練習しないといけませんね。

 

昨日、ようやく民事訴訟法の序章の部分が終わり、

今後は、弁論主義へ移っていくようです。

理論的な部分が民事訴訟法の面白さなんだろうなと

感じています。

 

 

ではぼっち税理士の齋藤でした~
それではまた👍

 

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この記事は、その時の状況、心情で書いています。
また、法令に関しては、その後改正された場合には、
異なる取り扱いになる可能性があります。

 

 

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