サイトアイコン 問題解決を後押しする都庁前のLiens税理士事務所 齋藤幸生

異業種から税理士なった・なる人は法令の当てはめを知ってほしい!

異業種から税理士になった・なる人へ

異業種から税理士になった・なる人は、

少しずつ増えていると思います。

 

会計事務所に勤めることを経ないで、

税理士になった・なる人たちですね。

 

こういった方たちに知っておいて損はない!

と思うことが法令の当てはめです。

 

意外と思われるかもしれませんが、

これって、現役の税理士でも難しいことです。

 

巷ではグレーゾーンなんて言いますね。

本当にグレーなのかは分かりませんが、

 

お客様に説明するときに、グレーゾーンだから

ということは、私が税理士となる前から頻繁に聞く

単語となっています。

 

ですが、本当にグレーゾーンなのか?

といったことは、法令を確認しながら考えないと

分からないと思います。

 

この時に重要なのは法令の当てはめです。

法令の当てはめを知っておくと、実務上便利です。

 

今回は、そんな記事です。

それでは、スタートです!!

 

法令の当てはめとは?

法令の当てはめを考えてみよう

法令の当てはめとは、いわゆる三段論法ですね。

大前提⇒小前提⇒結論ということです。

 

大前提で法令を確認していきます。

要件と効果を考えます。

 

税法の場合だと、適用要件となります。

そのあとに税金への効果です。

 

適用要件は、バラバラにして考えることが

通常だと思います。

 

例えば、中小企業者等で青色申告書の提出を

しているもの・・・

といったことであれば、

 

①中小企業者等

②青色申告書の提出をしている

これが適用要件として導き出せます。

 

税金への効果要件は、例えば、

その取得価額に相当する金額を当該事業年度の

損金の額へ算入することができる。

 

このような条文であれば、

①取得価額を

②当該事業年度

③損金の額へ算入することができる

 

3つに分類して、効果を考えることができますね。

 

条文の読み方は、人それぞれだとは思いますが、

基本的には書いていることをそのまま素直に読み、

 

適用要件と効果要件を条文から引き出して、

考えることになりますね。

 

こちらを、実務、つまり、会社や個人の取引へ

当てはめを行うことになります。

 

例えば、20万円のPCを購入した個人事業主がいたとして、

少額減価償却資産が思い浮かぶと思います。

 

これを適用しようかと思うと、青色申告書の提出が

必要となりますね。

 

ですから、税理士としては個人事業主の関与を始めると

青色申告書の提出ができるように手続きをやっておきます。

 

実務では、誰でもやっていることですね。

ある程度ご経験のある会計事務所職員の方も

同様に考えてやっていると思いますね。

 

なぜ異業種の人への解説するのか

特に、異業種から税理士になった・なる人は、

実務を経験していません。

 

この場合の実務とは、会計事務所の実務です。

会計事務所では、毎回、上記のようなことを

何万回も繰り返しています。

 

私も税理士事務所で働いていた期間は、

2つの事務所を通算すると7年とちょっとですが、

その期間に行った法令の当てはめは、

ちょっと数えることができません。

 

つまり、場数があまりにも違い過ぎるのです。

 

こうしたことを感じるので、

例えば、公認会計士の先生や弁護士の先生が

実務をやるのはちょっと難しいのでは?

そういった意見が巷では散見されるのだと思います。

 

また、企業で働いたご経験をもとに、

税理士となることもできますね。

 

こういった方も実務上の場数が少ないかも

と思いますね。

 

なぜかというと、決算を経験する場数です。

会計事務所となると、1年行う決算の数は、担当件数分です。

 

私の勤務時代は、1年間に30件を超えていました。

20件を超えたのが、2社目の税理士事務所の2年目なので、

最低20社としても、これを5年くらいはやっていますので、

100社くらいはやっていることになります。

 

まあ、担当先が頻繁に変わるわけではありませんので、

同じ決算をする会社ばかりとなりますが、

それでも経験は経験です。

 

担当先が同じと言っても、いつも同じ処理が

出てくるわけではありません。

 

決算に当たって、倒産しそうな会社の債権があったり、

給与に該当しそうな支出があったりするわけです。

その時々で、法令を確認したりして、課税されないように

対策をすることが仕事です。

 

この時にも、当然法令の当てはめを行い、

決算まで持って行きます。

 

 

法令の当てはめができないと・・・

法令の当てはめがてきないと・・・

それでは、法令の当てはめができないと

一体どうなるのでしょうか?

 

税理士として他の税理士から移ってきた

会社に以下のような仕訳が前期に合ったら

どうしますか?

 

(借方)長期借入金1,000万円(貸方)資本金1,000万円

登記簿上も、1,000万円の増資がされたように

商業登記がされているとします。

 

法令の当てはめができないと、

これはスルーしてしまうことになります。

借入金を資本金にして増資したんだな。

 

これで終わりですね。

まあ、経験や知識など色々な要素があって

法令の当てはめが必要かどうかはわかってくるのですが。

 

今回の場合だと、現物出資ですから、

そのための要件を確認して、必要資料がそろっていることなど

形式的ものから、事実までを考えないと本当は

まずいと思います。

 

また、実務で厄介なのが判例です。

上記はいわゆる、DESという取引です。

デットイクイティスワップです。

 

これには、判例が存在して、

その射程にあるのかどうかも確認しないと

いけなくなりますね。

 

判例は、最高裁判所が出す判決で、既判力のみならず、

形成権も存在します。

 

要するに、税法として法人税のような法律と同様に

法律としての役割も持つことになるのです。

 

こういったことを確認していって、

もし、税務調査で指摘され、課税となる場合で、

もう取り返しができない場合には、

 

税務調査にて、損害が確定したと同時に、

税賠訴訟にて、前の税理士先生を提訴するかどうかも

含めて考えないといけなくなりますね。

 

 

 

 

 

法律はドライ

嫌なことを書いていると思うかもしれませんが、

要するに、金額にもよりますが、

法律はある種、ドライなのです。

 

間違えると、それなりの損害が発生して、

同業者から糾弾される可能性もあるわけです。

 

税理士業務というと、帳簿を扱って、

会社、個人の数字を合わせて、申告書を作成するだけ

なんて見方が多いのだろうと思います。

 

しかし、実際には、納税者が行う法的取引の連続を

税法に当てはめて、うまく課税されないように

納税者を運転するのが税理士や担当者の役目です。

 

まあ、時には本当にどうしようもない人の

税務申告を任されたり、依頼されたりします(笑)

 

そんな時には、責任取れないよ!という資料に

納税者のサインをもらっておけば良いだけです。

 

異業種から税理士になった・なる人は、

税法は、計算して、申告書を作成するために

使う法律と勘違いしていたり、

 

節税するためのツールのように勘違いしている

人もいると思います。

(会計事務所出身の税理士でも同様の先生がいます)

 

ですが、本来の姿は、取引ごとに税法固有の要件に

当てはめていく作業が必要になるです。

 

知識は知る+使う+解釈

さて、今度は、もうちょっと発展的な考えです。

実務では、法人税、所得税、消費税、住民税、

事業税、相続税といった法律を使っていきます。

 

当然ながら、全部を網羅的にしている税理士先生は、

存在しないと思われます。

 

まあ、浅く広くでしょうね。

 

私も税理士試験では、所得税、事業税、住民税は

選択していませんので、細かい規定はわかりません。

 

ただ、実務上では、税理士試験で選択していないから

できません。

ということは通じません。

 

当たり前ですね(笑)

 

ですから、税理士としては、知ることが始まりで、

知ったうえで、法令の当てはめを通じて、使うことに

なっていくわけです。

 

その過程で、解釈の余地が存在することがあります。

これが巷で言われるグレーゾーンです。

 

例えば、個人の申告で問題となるのは、

事業所得ですね。

 

勤務で生計を維持している人が副業をやっていて、

それが事業所得になるのか?

 

はたまた、ソフトウエアは使っていないが、

網羅的に毎日の競馬の馬券を購入していた場合、

雑所得にできないか?

など様々な考えがあります。

 

近年では、仮想通貨取引ですね。

国税庁は雑所得という認識を出していますが、

仮想通貨は雑所得という明文規定は存在しません。

 

仮想通貨というネーミングですが、

事業所得、譲渡所得などで申告はできないしょうか?

 

ちょっとスケール大きいグレーゾーンを

具体例に挙げましたが、

 

グレーゾーンを理解してもらうために

分かりやすい例を挙げました。

 

私は税理士という職業は、法律家であると

思っています。

 

これが、手続きが主な仕事となると、

法律家としての活動は当然制限されてしまいます。

残念なことではありますが。

 

ですが、自分のクライアントに、上記のような

納税者が来た場合には、どう考えるのか?

ということなのだと思います。

 

これが、解釈の余地がないか?

ということだと思います。

 

現実的には、スケールが大きい上記のようなことは、

間違いなく、税務訴訟(行政訴訟)へ発展することが

目に見えていますで、そこまで考えないといけないわけですが。

 

それでも、実現したいという納税者の依頼があれば、

そのためにどうやって適用ができるのかという理論は

しなければならないのが、税理士の役割であると

私は考えています。

 

税務調査で結論を出すことも

これは、私の私見となります。

文理解釈で適用できるようであれば、

そのまま申告することもありだと思います。

 

例えば、個人事業であれば、家事費と必要経費です。

私としては、個人事業であっても、100%必要経費

というものが存在すると思ってます。

 

もちろん、売上原価以外の販管費項目としてです。

まあ、実際には話を聞いていくと家事費部分も合って、

最終的に家事按分しますか!

ということになるわけですが。

 

それでも、家事按分をしないで、税務調査まで

結論を持ち越すことも一つの考え方では

ないのかなあと思います。

 

税理士側とすれば、納税者の主張を第一にすればよく、

調査官と議論を行って、事実関係を元に話し合えば

良いのではないかと思います。

 

特に、脱税を意図してやっているわけではないので、

最終的に必要経費が否認されることであっても、

全部が否認されることはちょっと現実的ではないです。

 

100%否認だと、それ相応の法令解釈と事実が必要ですし、

そのような費用であれば、最初から必要経費に計上しない

ということが普通だと思います。

 

やり方は人それぞれではありますが、

もし、解釈の余地があるのであれば、

税務調査で結論を出すやり方もありだと

私は思っています。

 

 

 


編集後記

今日は、関与先からちょっとした資料の作成依頼があり、

本日提出なので、ちょい仕事をします。

 

また、今日は晴るようなので、出かけてこようかなあと

思っています。

 

 

ではぼっち税理士の齋藤でした~
それではまた👍

 

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この記事は、その時の状況、心情で書いています。
また、法令に関しては、その後改正された場合には、
異なる取り扱いになる可能性があります。

 

 

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