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諸口勘定、振替伝票は税務調査で面倒になるかも・・・帳簿は簡単が一番!

税務調査を考えた帳簿の作成方法

税務調査を考えた帳簿の作成をしている

会社はどれくらいあるのでしょうか?

 

税理士業界で働き始めてから約10年くらいに

なるわけですが、あまり聞いたことはありません。

 

意識しなくてもできているのか?

税務調査を前提にしていないのか?

 

それはわかりません。

 

ただ、税務調査を考えた帳簿作成は

実際に存在します。

 

今回の記事は、税務調査を考えた帳簿作成を

考えてみたいと思います。

 

それでは、スタートです!!

 

帳簿は簡単が一番!

簡単な帳簿って?

まず、初めに帳簿は簡単が一番!です。

簡単にすることで、税務調査で特典を

受けることができるわけではないですが!

 

私が考える帳簿は、簡単にすることです!

 

どのように簡単にするのかというと、

諸口勘定、振替伝票を使わない帳簿作成です。

問題点は、後述します。

 

一部は、振替伝票を使います。

給料など、貸借に科目が入り混じる場合です。

 

しかし、1つの取引で、1つの仕訳をすることで、

総勘定元帳、仕訳日記帳は見やすくなります。

 

これで、税区分をきちんと表示させていると、

突っ込みようがない帳簿が完成するのです。

 

昔は、人の手で作っていたので、

帳簿が作品といわれる時代がありました。

IT革命が起こる前なので、20年以上前のことです。

 

現在は、簿記の知識がなくても、

なんとなく自動で取り込んで、帳簿を作成できる

そんな時代となりました。

 

しかし、専門家が作った帳簿と、

素人が作った帳簿はかなり異なります。

 

専門家が作った帳簿は、ただの数字合わせのための

帳簿ではなく、理路整然とした帳簿となります。

 

これが、あまり市場では理解されない

ところかなあと思いますね。

 

なぜ簡単な帳簿を作成しないのか?

会計帳簿の作成は、色々なやり方があります。

税理士業界では、1取引=1仕訳が原則で

記帳入力を行っていると思います。

 

しかし、記帳が会社となると、明細を作って、

それを一気に合計額で入力するといったことも

行われている現実があります。

 

まあ、税務調査時に明細を見せることで

済むわけですが・・・

 

時折、明細の中に、税理士や担当者が知らなかった

思いもかけない資料が混在している場合があります。

 

そのようなときは、その思いもかけない資料から、

追徴になってしまう場合があります。

 

税理士や担当者がくまなく、領収書や資料を確認する

関与であれば、問題ないのですが、

近年の顧問料低下の折、関与時に省略することも

少なくないと思われます。

 

ですから、基本的には、1取引=1仕訳という

処理が基本的には望ましいと思うわけです。

 

調査官はレシートを1枚ずつ、帳簿と確認はしません。

税務調査はそのような調査をしないからです。

 

しかし、何気なしに、合計額で何十万円の交際費が

計上されていれば、中身を確認しようとします。

 

なぜなら、金額の多寡で確認するところを

決めて、調査の効率化をしようと考えているからです。

 

1取引=1仕訳だと、1取引の金額が大きければ、

そのまま表示されて、そこだけの確認で済みますが、

合計額などで仕訳を行っていると、

明細全体を確認することになってしまいます。

 

必要のない資料の開示を余儀なくされる

という点で、簡単な帳簿を推奨しているのです。

 

諸口勘定と振替伝票の税務調査

諸口勘定を多用するとどうなるのか?

今はあまり聞きませんが、諸口勘定を多用した

帳簿作成も現在の会計ソフトで行うことができます。

 

具体的に書くと、悪用する人もいると思うので、

具体的には書きません。

 

まあ、これをやると帳簿を追いかけることが

かなり難しくなります。

 

当初の勘定科目から追っていく必要があり、

どれをどうやって処理したのか確認が難しいのです。

 

そうすると、税務調査では、実際に会社に来て、

通常はその場で調査が完了するところ、

帳簿を預かっても良いですか?

という留め置きということになる場合があります。

 

これも、国税通則法という法律で調査官の裁量で

できる税務調査の手続きの1つです。

 

これをされると、会計帳簿を税務署に預かられる

のみならず、漏れなく帳簿をコピーされます。

 

通常の調査では、必要な部分だけをコピーすることで

問題はないのですが、

 

留め置きは基本的には帳簿のすべてをコピー

されることになります。

(のちの税務調査での資料となるため)

 

これが、諸口勘定を多用した場合の

税務調査における問題点です。

 

 

 

 

振替伝票の問題点

振替伝票を多用する問題点もありますね。

こちらは、帳簿の内容が分からなくなるだけ

ということになります。

 

実務では、次のような場合に振替伝票が

使われることが多いと思います。

 

普通預金の処理において、同じ日にちの処理が

10数個ある場合などです。

 

こうなると、元帳では、次のように表示されます。

振替 (借方)諸口 (貸方)普通預金

このような表示ですね、

 

では、この時に調査官は何を確認するのか?

これが問題点です。

 

借方の諸口表示の内容を確認したいので、

振替伝票のコピーを頂けませんか?

このようにくるわけです。

 

それが、全く問題がない取引であれば、

問題はありませんが!

 

諸口勘定の中に、追徴されるような取引が

存在するとなると問題となってします。

 

例えば、債権債務の相殺と残額の入出金処理が混在して、

請求額と一致しないケースです。

 

要するに、純額で売上をや仕入等も計上している

そんな場合が考えられます。

 

このような時に限って、簡易課税を選択していると、

消費税では、総額で計上することになっているので、

簡易課税の適用範囲の売上を超えてしまうことも

十分に考えられます。

 

逆に、調査で見つけられなけば、

追徴は起こらないです。

 

また、売上に書いてある摘要と一致しない外注がある場合に、

売上の詳細を求められることがあります。

 

つまり、売上と原価の一致があるのが

現実の流れなので、売上の摘要と一致しない

経費があるとそれも確認されますね。

 

要は、確認されるかどうかは、可能性の問題ですが、

1取引=1仕訳であれば、その部分だけの確認で

済むことが、他のところも調査官に見られる

ということが問題なわけです。

 

また、不思議と、税務調査で振替伝票にしている

取引に限って、見つけられる場合が多い印象です。

 

私は匂っているんですよ!

という説明をすることが多いのですが、

 

調査官の嗅覚に引っかかるような帳簿は

作成しないことが大事なのです。

 

実務簿記は1取引=1仕訳が原則

さてそこで、私が推奨しているやり方が

1取引=1仕訳という簿記の原則の処理方法です。

 

なぜ、1取引=1仕訳の原則を推奨するのか?

 

理由は、税務調査の場面では、その取引しか

問題となりません。

 

つまり、潜在的な追徴の取引があって、

それが見つかったとしても、その取引に躍起なるのが

調査官の性です。

 

彼らからすれば、追徴ができれば、

自分の評価(増差といいます。)に影響して、

出世ができると思っています。

 

まあ、考慮はされるでしょうが、

人事評価はそれだけではないのが実情です。

 

ですから、そういった調査官の実質的ノルマの達成を

できると思えば、それだけに注力することになります。

 

それで、見つかる追徴としては、

大体大したことでもなく、

ちょっとした追徴となることが多いです。

 

過去に脱税、潜脱のようなことをしていれば、

調査に秀でた調査官が来ますが、

 

基本的には、調査に秀でた調査官が来ることは、

中小企業ではまれです。

(普通に申告していればですが)

 

調査では、おみやげが必要ですか?

と納税者から聞かれますが、必要ないです。

 

しかし、1取引=1仕訳の原則は、

帳簿が分かりやすくなることになるので、

一見して、税務調査に協力的な印象があります。

 

私としては、そういう風に見せることで、

隠すものはなにもないと思われることが

大切だと思っています。

 

隠したい人は、必ず、諸口勘定、振替伝票を使った

複雑な帳簿を作成しようとするからです。

 

複雑な簿記の知識は不要!

ここまで、読んでいただくとわかりますが、

実務簿記は、複雑な取引は必要ないのです。

 

まあ、素人さんから見ると、科目を見ただけで

良くわからない!、見るのも嫌だ~となりますが、

実は、やっていることが分かれば単純です。

 

そして、1取引=1仕訳は、自分でも実践してます!

ここがみそだと思っています。

 

私は、職業柄、超複雑で、勘定科目を追えないようにする

といった帳簿を作成することが可能です。

 

ですが、やっていません。

 

普通預金は、同じ日にちでも、一つ一つ仕訳をしますし、

経費関係は、貸方に未払金を固定して、

 

日にちの通りに、一つずつ適正な勘定科目へ

仕訳を行っています。

 

売上の計上時にも、1社を除いて、振替伝票となる

処理にしていません。

 

ほんの一部を除いて、元帳を印刷すると、

相手勘定科目は見事に表示されます。

 

諸口勘定や振替伝票となる取引の方が

珍しい状態です。

 

複雑で高度な知識は、実務簿記の処理には

必要はありません。

 

税務調査では、勿体付けることなく、

そのまま帳簿を出せばよいのです。

 

簡単な帳簿で、留め置きを言われたとしたら、

その調査官の力量不足です。

留め置きの必要性を議論することになります。

 

複雑で、高度な処理をしていませんから、

普通であれば、調査時点だけで何とかるはずです。

 

 


編集後記

今日は、ちょっとした仕事が残っているだけで、

多くの仕事は昨日までにやってしまいました。

 

まあ、暇というやつですね。

自分のビジネスのことをやれということでしょう!

 

 

 

ではぼっち税理士の齋藤でした~
それではまた👍

 

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この記事は、その時の状況、心情で書いています。
また、法令に関しては、その後改正された場合には、
異なる取り扱いになる可能性があります。

 

 

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