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【簿記検定と簿記論】簿記検定は知識と処理、簿記論は落とす試験

簿記検定と簿記論

先日の第151回簿記検定が行われて、

簿記2級の試験の第3問が相当あれだったようです。

 

今日は、私が考える簿記検定と簿記論について

まとめると共に、間違ったら謝ることを含めて

 

現実に対応しないといけない、社会人としての

考え方も書いていこうかと思います。

 

簿記検定で試すことは?

私が思う簿記検定とは、試す試験ということです。

 

つまり、いわゆる通常の中小零細企業において、

経理担当者として有してほしい部分の会計の

基礎知識と処理を知ってもらうということです。

 

あくまで、実務は税務会計を基本にしますが、

その基本的な構造は税務、会計に違いはありません。

 

考えの違いこそありますが、まずは、会社で行われる処理

これができるのかが、簿記検定のスタンスなのだと思います。

 

私が、受験した簿記2級の時には、連結会計は

存在せず、1級の試験範囲となっていました。

 

始めて、連結会計に触れたのは、税理士試験の簿記論で、

実際に本試験にも出題されました。

 

出題した試験委員の講評で、連結会計は、

簿記論の出題範囲とは言えないが・・・

という文言が記憶に残っています。

 

では、実際に、税理士となった今、

連結会計にお目にかかるのか?

 

一度もお目にかかったことはありません。

 

ほとんどの税理士が、連結会計を扱ったことは

無いのではないかと思います。

 

会計士・税理士の先生であれば、会計士実務で

扱ったことがあると思われますが、

 

中小零細企業を扱う税理士においては、

連結会計をわかってるよりも、

税務をわかっている方が大切です。

 

ですから、私が税理士の立場として、

もし簿記2級の保有者の方に期待することは、

一体何なのかというと、

 

通常の会計知識と会計処理ができることを

期待しますし、連結ができるかどうかは

希望しません。

 

簿記論は試されること

さて、それでは、簿記論について考えて

みたいと思います。

 

当ブログでも何度か申し上げていますが、

私は簿記論を3回目でようやく突破しました。

 

簿記のぼの字も知らないところから

始めて、やったので、今考えると

かなり無謀な挑戦でしたね。

 

そういったことは、置いておいて・・・

 

簿記論は、簿記検定とは異なります。

税理士という国家資格を得るための試験で、

ふるい落とさねばななりません。

 

ですから、知らない問題、ん?てなる問題など

当日の運に左右される可能性があります。

 

しょうがないと思うかどうかは、別として、

かなり理不尽な問題や予備校の指導も相まって

受験期間が長引いてしまうこともあります。

 

しかし、それが簿記論なのです!!

 

 

 

 

 

現在の簿記論の問題はわかりませんが、

私が受けていたころと変わりない前提だと

 

来たれ全国、早処理選手権というのが

簿記論です。

 

回答できるところから回答していく

回答スタイルです。

 

これで、一体何が分かるのかなあと

当時、今も同様に思っています。

 

私が、合格した時の解き方は、異様で、

第1問、第2問は15分ずつ、第3問は30分で

回答できるところを解いて、基礎点の確保

 

その後に、時間をかけないと回答できない

ところを回答していくスタイルでした。

 

別に、私の回答スタイルはどうでも良くて、

要するに、こんな独自の回答をしないと

合格できなかったのが簿記論ということです。

 

第151回の簿記2級の試験についても、

このような小手先のスタイルで回答して、

合格ができた方がいると思います。

 

もちろん、会計的な知識と処理ができてこそ

このような独自の回答スタイルができます。

 

ですから、うまくいった方については、

非常に喜ばしいことです。

 

しかし、簿記検定は、落とすための試験では

ありませんね。

 

100点中70点を取ることで、合格することが

明示されているわけです。

 

ですから、簿記論のような問題を出題して、

受験生の力を試すようなことは検定試験に

ふさわしくないと思います。

 

試験での難問奇問と間違い

さて、検定試験、国家試験などを問わず、

難問奇問、間違ってる問題などが出題されます。

 

このことに関して、声を上げていくということは

大切であると考えます。

 

運営についても、このようなことについては、

無視、開き直り、解釈違い、言い訳をせずに

まずは、何が問題であったのかを考察して、

 

もし、間違いがあったのであれば、

それは誤るということが、筋だと思います。

 

これができないと、試験の品格が損なわれて、

受験生自体は減ることがないものの、

信頼を一気に失うということになりますね。

 

第151回の2級本試験で、年度の指定間違いが

あったようですが、これについては、

謝罪すべきであると思います。

 

また、受験生に対して、日商の回答は誠実では

ないなあと思いますね。

 

問題自体が難しい問題を出しながら、

さらに本試験といういつも以上に異なる

空間で出題した文言としては最悪です。

 

問題文の読み取りの難しさは、

作問者の個性が出てくることが多いので、

基本的には許容すべきところです。

 

ところが、おかしなところで、受験生を

惑わしてしまうということ自体が問題です。

 

今回の簿記2級の第3問は難問だと思います。

私も税理士試験の中の学習の一部で、

子会社2つの形態の連結会計をやった記憶が

未だに忘れられませんが、

 

本試験で手を付けてはいけない問題という

認識でおりました。

 

受験料を徴収した勉強代としては、

かなりあくどい問題だと思います。

 

翻って、簿記論ついては、基本的に、

問題に関する文句は意味がありません。

 

まあ、試験委員が公表されているので、

抗議の電話をする人は少なからずいると思いますが、

国税庁は完全無視で運営をしています。

 

運営自体も、会場によって差が出て、

受験時間を正当に消化できていない会場も

毎年、少なからず出てきますね。

 

こういったことも含めて、税理士試験なのです。

 

これをかいくぐぐるようなことをしないと、

税理士試験に合格することができない、

奇問も出題されて、合格率が8%になる年も

あるくらいです。

 

しかし、落とす試験と考えれば、

ある程度は、覚悟を決めて試験に臨む必要があり、

すべてを甘受せざるを得ません。

 

非常に頭にくる運営と問題なのですが、

一応、毎年合格する人は排出するわけで、

点数調整を国税庁が行って、合格率を操作します。

 

これについて、国税庁は誤りません。

こういった運営と同じようなにおいがするのが、

今回の日商の対応だと私は思っています。

 

合格するまでやれば良い

最後に、簿記検定、簿記論の受験生に

申し上げたいことがあります。

 

合格するまで、受験すれば良いのです。

 

時間が無駄じゃないか?

と思われるかもしれませんが、

 

私は、簿記論を3回受験した時間が無駄だと

思ったことはありません。

 

簿記論を3回受験したからかもしれませんが、

法人税と消費税は2回の受験で済みました。

 

税理士試験の会計科目は、意外に合格している人が

多かったりします。

 

それに、会計科目を1発合格される方もいますが、

そういった人に限って、税法科目に時間を取られて、

脱落していく。

これが、過去、現在でも同じです。

 

しかし、私のように各科目でつまずきながらも、

あきらめずに、合格するまで受験すれば、

税理士試験は突破できます。

 

同じように、簿記2級も突破することができ、

その時に自分で行った工夫、学習する考えといったものは、

洗練されることとなります。

 

また、そういった経験や知見は実社会に

出た時に役に立つと思います。

 

されど検定試験ということではありますが、

人生を賭けてやったことは自分に返ってきます。

 

まずは、チャレンジすることでしか、

合格することができないなら、挑戦あるのみです!

 

 


編集後記

今日は、午後から顧問先へ訪問してきます。

来月申告の会社なので、決算資料としても

預かってこれるところを預りたいと思います。

 

個人の確定申告は、明日1件申告して完了です。

多く件数をやられている税理士先生や職員さんには

申し訳ないですが、先に上がらせて頂きます(笑)

 

 

ではぼっち税理士の齋藤でした~
それではまた👍

 

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この記事は、その時の状況、心情で書いています。
また、法令に関しては、その後改正された場合には、
異なる取り扱いになる可能性があります。

 

 

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