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【その信託本当に大丈夫?】税金を考慮せずに信託するとえらいことになる!

その信託本当に大丈夫?

ここ2~3年の間に信託の状況は大きく変わり、

様々な信託が登場してきました。

 

親族だけの信託、ペットに財産を残すための信託など

信託でいろいろなことができるようになりました。

 

ただ、これらは税務面での検討がされているのか?

というと非常に微妙な信託が多くもなっています。

 

税務面の検討としては、通常は相続税や贈与税までは

検討をしている場合が多いとは思いますが・・・

 

ものによっては、法人税、消費税の課税対象となるなど

税務に関しては複雑となると場合があります。

 

加えて、元本受益権と収益受益権については、

評価方法は存在しますが、実質課税に伴って

実質的な課税にされる可能性もあります。

 

もはや司法書士一人でできるような信託は

ないのではないかと思われます。

 

今回は、信託の内容や税務面について、

紹介していきたいと思います。

 

信託の税務面の問題点とは?

信託とはどういったものか

まずは、信託についておさらいです。

 

信託とは、契約・遺言・自己信託のいずれかの方法により、

委託者の付託により、受益者のために一定の目的に従い、

受託者が財産の管理又は処分その他の目的の達成のために

必要な行為を為すことを言います。

 

信託は民事信託と商事信託の2つの種類があり、

民事信託には明確な定義はありません。

 

ですので、商事信託以外を民事信託と定義している

場合が多いです。

 

民事信託は個人や事業の財産の管理・承継のために

利用されるものとなります。

 

一方で商事信託とは一般には信託銀行や信託会社が

信託業法の規制において行う信託となります。

 

税務面の問題点は?

民事信託においては、自益信託と他益信託があり、

他益信託について税務面の問題点があります。

 

他益信託においては、受益権者に対して課税される

ということが一般的な認識だと思います。

 

まずは、信託課税について2つに分類されます。

・受益者課税信託(設定時、終了時)

・法人課税信託

 

親族間で行われる信託は、委託者と受益者が別人になると

受益者等課税信託となりますが、法人課税信託となる場合が

できてきますので、注意が必要です。

 

一般的な認識として、委託者と受益者が異なる

他益信託では相続税や贈与税の課税が行われることは

認識として難しくないと思われます。

 

しかし、受益者が存在しない場合、法人が自己信託で行う

事業信託といったものは受益者所有者とみなすことが

困難な場合があります。

 

こうした信託は法人税の課税回避の可能性のある信託と

なりえるので、信託財産を法人とみなして、受託者に

法人税を課税することになります。

 

法人税、消費税の課税対象となる信託は?

法人税の課税対象となる場合の信託

法人課税信託の対象となるのは、受益者がいない信託です。

信託を行うと財産が受託者に帰属することになります。

 

通常の信託では、受託者は受益者のために

信託財産の管理運営を行って、収益を受益者に

分配していきます。

 

ですが、受益者がいない場合には、ただ単に財産が

受託者に移転したことで終わってしまいます。

 

そうすると、相続税や贈与税の課税が行われず、

財産課税ができなくなるので、受託者を法人とみなし、

法人税の課税対象とするのです。

 

二重課税の問題として

法人課税信託となると受託段階で、法人課税信託で生じた

所得(利益)について受託者を納税義務者として

法人税の対象となります。

 

この場合には、分配された配当金は受益者の受取配当として

課税されてしまうので、二重課税の問題があります。

 

ですから、この配当金を利益の配当であるので、

受取配当等の益金不算入制度の対象となります。

 

また、みなし相続の問題点もありますね。

 

受益者が存在しない信託を設定した時に、

受託者に対して信託財産の価額が受贈益となり。

法人税の課税対象となります。

 

では、将来の受益者が委託者の親族の場合はどうなるのか?

ということです。

例えば、自分の親が、自分のまだ生まれていない孫を

受益者とする信託を設定したような場合です。

 

こういった場合については、受託者が委託者から受益権を

贈与又は遺贈により取得したものとみなされます。

 

この場合に課税された贈与税又は相続税からは、

上記の法人税を控除することができることになります。

 

 

 

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法人税の優遇税制や消費税の問題点

法人課税信託においては、

資本金がないため、中小企業の特例を

適用できるような感じがあります。

 

例えば、以下の特例です。

・法人税率の軽減
・欠損金の繰越戻し還付
・交際費の損金不算入の特例

といったことですね。

 

しかし、これらの特例は使えませんので、

法人課税信託となるとかなり不利な法人税の

計算をしなければいけなくなりますね。

 

消費税については、小規模事業者の免除の特例、

一般的には免税点制度があります。

 

この判定は、その事業年度の2年前の事業年度の

課税売上が1,000万円超となっていますが、

 

法人課税信託での判定は、その課税期間の初日の

固有事業者の課税期間の基準期間の課税売上高で

判断することになります。

 

つまり、法人課税信託となった受託事業者側の

2年前の課税売上高で判断することになります。

 

法人課税信託となると、法人税や消費税の問題が

出てきますし、法人税は贈与税又は相続税から

控除することができます。

 

しかし、消費税が課税されるとそれによる控除の

規定は存在することがなく、救済措置はありませんので、

慎重な運営が求められます。

 

信託の一般的な課税

それでは、信託の一般的な課税関係を

考えてみたいと思います。

 

信託の課税時期は次のようになります。

・信託設定時
・信託収益発生時
・信託受益権の取得時
・信託終了による信託財産分配時

 

☆信託設定時

税務上は信託財産の経済的利益は誰か?

という点が重要です。

 

信託設定時又は信託受益権の取得時に

課税された場合には信託終了時には

原則として課税されないことになります。

 

また、相続税や贈与税のどちらが課税されるのか

ということになると、信託契約の内容により

異なることになります。

 

☆信託期間中の課税関係

信託による利益と費用の帰属が誰か?

という点が重要となります。

 

これは、信託契約や信託財産の状況により

異なることになります。

 

信託財産の所有者となる受託者には課税関係は

生じないことになります。

 

というのは、信託財産に属する資産と負債は受益者が

有するものとみなされます。

 

その収益費用も受益者の属する資産負債とみなされ、

所得税と法人税が課税されます。

 

☆信託財産終了時の課税関係

信託の終了時には、受益者以外に信託終了時の

残余財産の帰属先として帰属権利者を定めることができます。

 

この場合には、受益者と帰属権利者が異なる場合には、

受益者から帰属権利者へ身体財産の所有権が

移ったと考えることになって課税される。

 

受益権の税務上の評価の問題点

最後に受益権の税務上の評価の問題です。

 

最初に受益権とは何かということになります。

受益権とは、信託財産に属する財産の引渡し
その他の信託財産に係る給付をすべきものに
係る債権とこれを確保するために信託法に
基づいて受託者その他の者に対し一定の
行為を求めることができる権利の総称です。

 

税務上の受益権の評価については、

財産基本通達に評価方法があります。

(財基通202)

 

☆元本と収益との受益者が同一の場合

課税時期においける信託財産の価額により

評価することになります。

 

☆元本と収益との受益権が異なる場合

こちらは、複層化信託というものです。

つまり、不動産を信託財産とした場合には、

家賃部分が収益で、家や土地が元本です。

 

この場合評価方法は、受益権者が将来受けるべき利益の

価額を推算することになります。

 

この推算した価額は、課税時期から受益の時期までの期間に

応じた基準年利率による複利現価率を乗じて計算します。

これが受益権の評価額の金額となるわけです。

 

税務上では、信託期間における複利年金現価率となるので、

実質的には複利年金原価率をいかようにすることが

できることになるので、客観性のある契約期間が

必要となると考えれます。

 

では、元本受益権はどうなるのかというと、

信託財産の金額から収益受益権の金額を控除する

ということになる。

 

以上の通り、複層化信託においては、評価に客観性を

持たせることが重要となります。

 


編集後記

今日は、夕方からバンド練習なので行ってきます。

今年最後の練習となりますね。

練習しないと(;´Д`)

 

 

では国際税務の税理士齋藤でした~
それではまた👍

 

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この記事は、その時の状況、心情で書いています。
また、法令に関しては、その後改正された場合には、
異なる取り扱いになる可能性があります。

 

 

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