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【仮想通貨を売買してみた!】所得税の処理方法と事業付随収入を考える!

仮想通貨で損失です。事業所得になりませんか?

こんな風に思っている方は

多いのかもしれません。

 

現状では原則雑所得となりますので、

損失が出ても繰越や他の所得と通算は

できません。

 

ですが、事業付随収入なら事業所得として

計上することができますので、

考えてみましょう!

仮想通貨を売買してみた!

仮想通貨の売買

今年の7月から投資の勉強のため始めた

仮想通貨の購入なのですが、10月で売りました。

 

使っている業者はcoincheckという会社で

仮想通貨NEMを流出させた会社です。

 

一応申し上げておきますが、だんだんと

売買できる仮想通貨の取引を解禁しており、

 

ビットコインを購入するときも

専用のアプリでスムーズでした。

 

売買の結果としては、一時期は利益が

出ていたのですが損失で確定しました。

 

損失は3,800円くらいです。

投資したの金額も30,000円なので、

勉強代としては安かったと私は思います。

 

取引で悩んだこと(今でも悩み)

売買で一番悩んだのは価格がどうやって

決まるのかが分からなかったことです。

 

日々価格が動くことは株と一緒です。

しかし、需給だけで動いてるわけではなく、

 

仮想通貨関係の情報も見ていて、

レポートごとに上がる、下がるなどの

情報が錯そうしてる印象です。

 

非常にわかりずらいというのは、

現在に至っても正直あります。

 

今後は投資先を投資信託やiDECOに

変更するので、仮想通貨へ大きな投資を

計画はしておりません。

 

ただ、継続はしていこうと思います。

また、24時間取引できるというシステムも

私は気に入っているのです。

 

所得税の処理方法と事業付随収入

それでは、改めて所得税の処理方法を

考えていきたいと思います。

 

所得税での処理

所得税では、ビットコインの利益又は損失は

雑所得に区分されます。

一応批判はありますが国税庁の公式見解です。

 

これはビットコインしか書いてないから、

ビットコインだけが雑所得ということでは

ありませんので、ご注意を。

 

つまり、リップル、ビットコインキャッシュなど

仮想通貨全般における取扱いです。

 

計算方法や取引分類といったものは、

平成29年12月1日時点での国税庁発表の

PDFを確認したりすれば出てきます。

 

ICOという仮想通貨での投資への課税という

問題はあるにせよ、大体世の中に浸透した感じは

あるのかなあと思っています。

 

 

 

 

さて、ここで個人で勘違いをしている

人たちが多いので申し上げたいと思います。

 

まず、雑所得で損失がでても給料と

相殺できないからといって、

 

開業届出書を出して、仮想通貨取引を

事業所得で申告することはやめましょう。

 

開業届を出せば、事業所得が認められる

という所得税の規定は存在しません。

 

税金は実質を考えますので、

給料の収入があってそれで生活を維持している

ということであれば、原則雑所得となります。

 

事業付随収入という概念

対して、私のように完全に事業としてやっている

場合にはどうなるのかというと、微妙です。

 

というのは、所得税には事業付随収入

という概念が存在します。

 

これは、事業や不動産収入がある人が、

そういった事業の範囲内での収入は

 

事業所得、不動産所得として売上計上する

ということを求めたものです。

 

これについては、示唆がある決裁事例が

実は公表されています。

 

詳しくは省きますが、事業関係者から

事業開業でもらった祝い金は事業付随収入

ということで事業所得とすべき判断です。

 

つまり、裏を返せば、費用や損失でも

事業で派生するものは費用や損失へ

計上してもかまわないことになります。

 

今回、私は上記の考えと税理士業として

必要な仮想通貨取引であると考えて

 

事業所得に上記の仮想通貨の損失を

いれようと考えています。

 

このように、事業付随収入とするには、

事業からどのように派生するのかを

説明する必要があるのだと思います。

 

事務大学校の論文からみる国税の考え

さて、税務大学校という学校を

ご存知でしょうか?

 

この学校は、所謂税務調査官を育成したり、

研修したりする教育機関です。

 

学校ですから当然教官なども存在します。

今回は研究教員官である、安河内誠氏が

書いた論文から国税の考えを見てみたいと

思います。

 

なお、全文は仮想通貨の税務上の取扱い

現状と課題で検索すれば見ることができます。

 

なお、論文のうち、実際に必要な箇所のみを

私の言葉に置き換えて説明してきます。

 

税金の取扱いについて

現状として税務の問題は、国内外に

残っている認識はあるようです。

 

それと、仮想通貨の取引形態で課税が発生する

ということは説明していますが、

 

所得税法上の所得の特定にまでは踏み込んで

いない点が挙げられます。

 

これは、国税庁が出した雑所得という認識が

事実上の譲渡所得や雑のFXといった所得に

なる可能性も示唆していると感じます。

 

そうでなければ、所得の種類に断定的な

物言いをすると思うからです。

 

実際には法律改正が必要なことは

いうまでもありません。

 

また、消費税の取扱いは非常に苦しい認識を

持っていると思います。

 

マイニング報酬は消費税の対象とならないと

考えるとの見解をしてして、

 

台帳記録管理者が得る手数料は消費税の

課税対象となることも考えることができる

としつつしている。

 

また、逆を考えると手数料を支払う側は

仕入税額控除が適用できるが、

 

支払先が明らかでないことから

仕入税額控除は適用はないと言い切っています。

 

ですが、必須の手数料なので何らかの

対応が必要ではないかと見解を示しつつ、

 

支払者の都合で管理手数料が支払われ、

支払先の特定が困難な事情を考慮すると

消費税の対象外とすることが妥当だとの

考えを述べています。

 

また仮想通貨は現在消費税で非課税の

取扱いとなっていますが、仮想通貨取引業者が

取り扱うもの以外の仮想通貨もある。

 

これについては、非課税に該当するかどうかの

判断は金融当局の判断を参照しながら

行うことが必要だと述べています。

 

つまり、課税取引になる可能性がある

仮想通貨が事実上存在することを認めています。

 

続いては相続税です。

基本的には納税者からの秘密鍵の承継が

ないことを納税者が反証できなければ

課税が妥当との見解です。

 

また、仮想通貨の評価方法は検討される

という結論を出しつつ、一時点の価格は

様々と認めています。

 

つまり、評価金額については一物一価主義

ではないことを認めているのです。

 

私見ではありますが、取引している交換業者の

レートを参考に評価することが実務上のできる

対応ではないかと思います。

 

仮想通貨の租税手続き

租税手続きについては、支払調書関係に

見直しが必要との考えがありました。

 

つまり、国外の仮想取引交換業者の

講座で取引している者は居住者が保有しても

国外財産とすべきと考えられるからです。

 

また、交換業者を介さずにできる取引も

把握する法律改正を提案していますので、

現時点では、交換業者を介さない取引は

国税側では取り締まれないのだと思います。

 

加えて、仮想通貨の差し押さえと納付

ということも検討されています。

 

本論文では仮想通貨の差し押さえは

技術的に困難と結論していますが、

 

2018年7月12日の日本経済新聞によれば

交通反則金を仮想通貨で差し押さえた記事が

載っていました。

 

交換業者に現金化を求めて差し押さえる

というパターンです。

技術的に仮想通貨自体を差し押さえることは

難しいですが、交換業者を介せばできますね。

 

また、仮想通貨による納付の要望も

考えられるから交換業者を通じた

代行業務についても考えているようです。

 

最後に、租税手続きという言葉ですが、

論文上は課税手続きとなっています。

 

これは、行政側が書いた論文なので、

このように表現されているだけで、

同じ意味です。

 

仮想通貨をより身近になった

私も自身で仮想通貨取引をしてみて

仮想通貨が身近となりました。

 

今後は法律の予測可能性が必要で、

その観点から情報は出してほしいと

私は税理士として思っています。

 

今回、初めて仮想通貨の取得価額の計算を

自分でやってみたのですが、

 

かなり面倒でしんどいです。

確かに誰かに代行さたい気持ちはわかります。

 

そういったことも含めて今後は、

もっと楽な申告方法も検討されるようなので、

 

そういったこともうまく利用しながら

やっていけばいいのかなあと思います。

 

 


編集後記

今日は午前中に訪問です。

夕方から支部活動となります。

 

ようやく新宿支部でもWiFiができる

ようになるようです。

まあ、私が対応するんですけどね・・・

 

 

では国際税務の税理士齋藤でした~
それではまた👍

 

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この記事は、その時の状況、心情で書いています。
また、法令に関しては、その後改正された場合には、
異なる取り扱いになる可能性があります。

 

 

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