サイトアイコン 問題解決を後押しする都庁前のLiens税理士事務所 齋藤幸生

【あなたの銀行口座が標的に!?】国税庁はあなたの銀行口座を狙っている!海外の預金口座の情報は今年から国税庁へ!

預金口座が狙われている!

銀行口座が国税庁の標的になる理由

今年から金融機関は預金データを

国税庁へ提供することになっています。

 

ではなぜ預金口座の情報を国税庁は

集めようとしているのでしょうか?

 

理由は、G20という国際的な会議において、

共通報告基準(CRS:Common Reporting Standard)

による金融口座情報の自動交換を行う

ということになったからです。

 

どういうことなのかというと、

各国間で個人の預金口座の情報を

国が把握しておこう!ということです。

 

これによって、

例えば、日本人がイギリスに持つ海外口座を

日本国として情報をイギリスにくださいな!

的な感じで情報をもらうことができます。

 

逆に、アメリカ人が日本に持つ銀行口座を

アメリカの求めに応じて日本国が提供する

ということもあり得るわけです。

 

実際にはアメリカはすでにアメリカ人の

預金口座情報を吸い上げる法律を制定して

行っていますが。

 

これによって、日本人が持つ海外の預金口座を

国税当局が把握できることになり、

税金の申告漏れや脱税をしていないかを

判断する材料にできます。

 

私が昨日、行ってきた研修では、

どれくらいの日本人が海外口座を持ち、

金額はどれくらいなのかに注目している!

と当局の人が言っていました。

 

普通にやっていれば問題はないです。

申告して、脱税していなければ。

 

また後で触れる国外財産調書などで

情報を出しているのであれば。

 

しかし、タックスヘイブンなどを利用した

租税回避策はいまだたくさんあります。

それを海外の口座でやっていても今後は

バレるということなのです。

 

 

国外財産調書制度の補完としての役割

今回の預金データの吸い上げについては、

日本国内では、

国外財産調書制度の補完の役割があると感じます。

 

国外財産調書制度とは・・・

 

その年の年末に5,000万円超の国外財産を持つ人は、

国外財産調書という資料を作成して

税務署へ提出しなければならないことになっています。

 

つまり、5,000万円超でなければ、

調書を出すことにならないのです。

 

あからさまに申し上げると、

 

5,000万円以下の預金口座がある、

その預金口座には投資収益が入ってくる、

海外だし申告しなくてもいいよね!

どうせ国税庁にバレないし。

 

とか、本当に国外の収入は申告しなくても

良いと思っている人がいたりします。

 

ですから、そういった層のあぶり出し効果が

あると考えるわけです。

 

 

実際には、日本人であるかどうかは

一義的な問題で、日本の居住者(⇐重要!)であれば、

全世界課税ですから、海外で利得を得ようが、

国内で利得を得ようが全部日本で申告・納付です。

 

私はいまだ相当程度の人が、

申告漏れになっているのではないかと

思っています。

 

特に海外の口座情報は今までは、

ブラックボックスにも等しい状態で、

各国政府も目を光らせてきませんでした。

 

今年からは目を光らせてきます。

もし申告対象となるお金が振り込まれている

口座について申告していないとすれば、

 

金額にもよりますが、

国税当局が動くことになります。

 

国税庁が預金口座情報を吸い上げる手法とは?

話をちょっと先に移して、

国税庁が預金データを吸い上げる方法は?

ということを申し上げたいと思います。

 

これは先ほどのCRSの報告基準のデータを

各金融機関が作成して、国税庁へ電子送信します。

 

対象は、2017年までに開かれた口座が対象で、

400行、9万件ということのようです。

これが平成30年6月まで行われていました。

 

平成30年9月までに外国当局へ情報提供開始、

日本国も海外当局から情報提供を受けます。

 

平成30年12月までにはデータエラー対応して、

順次稼働していくことになります。

 

平成31年以降は毎年4月末までに金融機関が

情報提供を行い、9月末までに海外当局と

情報交換という流れになります。

 

因みに、銀行口座情報では名前を突き合わせる

名寄せという行為が行われます。

 

一概には言えないということでしたが、

30%~80%で名寄せが成功するようです。

 

恐らくあまりいない名前だと名寄せしやすく、

同姓同名が複数いると名寄せが難しい

ということなんだろうと思います。

 

税理士としての提言と懸念

最後に税理士として納税者への提言と

国税庁への懸念を申し上げようかなと思います。

 

納税者への提言は、今後とも海外投資は

法人・個人問わず増えていくと思います。

 

実際に経常収支の推移では海外投資が多くなり

その分の利得で儲けていることが、

統計上明らかです。

 

 

法人についても積極的に海外、

特に中国をはじめとしてアジアへの

海外投資が活発になっています

 

こうしたことを踏まえて、

海外からの収入だからわからんだろうと

申告をしない選択はもうなしにすべきだと

私は個人的に思います。

 

もう隠せる世の中ではなく、

普通に申告していく世の中になってくる

将来になってくると思われます。

 

対して国税庁への懸念です。

昨日の研修で各国政府が対応していることが

どうも個人情報を集めることだけに集中して、

その分の情報開示がおろそかなのでは?

と思って質問しました。

 

そうしたところ、

答えとしては、

情報開示に積極的ではないようです。

 

理由としては・・・

日本は申告納税方式のため、

そのための情報を収集していることから、

個人に情報を開示しても意味がない

という返答でした。

 

ただ、海外では、

賦課課税方式(国が税金を計算する仕組み)

なのでそういった意味で情報開示の

議論が一部ではあるとのこと。

 

私の考えではそうじゃねえし!

そもそも銀行口座の情報を吸い上げる

なんてことを一般納税者が知らないことが問題!

ということなんだと思います。

 

確かに普通の人であれば、

海外に預金口座があっても

何か悪さをしていなければ問題ないです。

 

しかし、情報が吸い上げられること自体を

知らない人の方が多くいるだろうということです。

 

私には情報を集めるだけ集めて、

後は知らん顔でその情報を使い、分析し、

課税するという行為のためにのみに

使われるとは限らないと思っています。

 

情報を集める、何に使ったのかも開示、

隠すとえらい目に合うということは、

納税者だけではなく、国も一緒だと思います。

 

 


編集後記

今日は税理士業務をお休みにできそうです。

ちょっと納付関係で税務署へ行ってこようかと。

 

今月は中旬以降が若干スケジュール

きついので、休めるときに休みます。

 

 

 

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この記事は、その時の状況、心情で書いています。
また、法令に関しては、その後改正された場合には、
異なる取り扱いになる可能性があります。

 

 

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