経理担当者はどんな人を採用すべきか?【税理士が解説】




経理担当者はどんな人を採用すべきか?

今回は、経理担当者の採用について

税理士が解説していきます。

 

私はこれまで、幾度となく、

経理担当者が変わる場面に遭遇しました。

 

規模が大きくなると人事部長的な立場の人、

各事業部ごとのマネージャーなどが

採用に立ち会って、社長面接までは、

何工程か必要になります。

 

ですから、ある程度のフィルターはかかります。

 

しかし、部署が出来上がっていなければ、

社長さんが直接面接をすることになります。

 

この時に、採用基準はありますか?

普通はありません。

 

なぜなら、経理や会計のことは分からないので、

仕事内容を把握していないからです。

 

今回は、そんな社長さんに役立ってほしい

経理担当者の採用基準です。

 

それでは、スタートです!!

 

経理担当者の採用基準とは?

それでは、具体的な採用基準について

解説していきます。

 

完結に2つ挙げておきます。

1.外観(資格と経歴)

2.仕事の経験

 

主に採用基準としては、上記2つが

必要となりますね。

 

外観について

まずは、外観についてです。

 

経理担当者が保有していて欲しいスキルは、

最低限、簿記3級です。

 

ちょっと前までは、簿記2級でしたが、

試験範囲の拡大により、相当難しくなっています。

 

簿記3級又は同等の資格は保有してほしいです。

 

理由は、簿記3級レベルだと、仕訳をすることができ、

仕事に慣れれば、月次決算まですることができます。

 

経理担当者ですから、まずは経理処理ができないと

仕事にもなりません。

 

それと、当然ですが、検定試験に合格しているので、

合格証明書の提出はさせることが肝心です。

(履歴書だけで判断しないわけです。)

 

続いては、経歴です。

近年、経歴詐称をする人が多いです。

 

最終学歴の卒業証明書の提出は必須です。

必ず、提出させましょう。

 

それと、できれば最後に勤めていたところへ

前歴照会をすべきだと思います。

 

実際にいた部署が違うかもしれません。

うそをついて入社をもくろむ人は

排除しなければなりません。

 

意外に思うかもしれませんが、

履歴書に書いてあることをそのまま

鵜呑みにする人が多いです。

 

客観的な証明によって、判断することが

最も重要であることを知っておいてください。

 

仕事の経験

こちらは、社長さんが理解することが

難しいところになります。

 

ですが、最低限質問してほしい質問を

解説していきます。

 

まずは、仕訳をすることができるかどうかです。

質問の意味としては、実務上の経理ができるのか?

ということですね。

 

税理士試験や会計士試験に合格したところで、

実際に会社の実務上の経理をやらせると最初は

できません。

 

なぜなら、簿記検定、国家試験は、

知識と処理能力を確認するための資格試験です。

 

実務上の経理は、日々の資料から経理処理へ

落とし込む能力です。

 

違いは、資格試験は、資料がすでにあって、

これこれの処理をしなさいという問題へ

回答することになります。

 

経理担当者は、経理処理をするために、

必要な資料を作成するところから始めたり、

会社に経理処理に必要な資料がないかどうかを

確認するところから始めます。

 

つまり、経理担当者として必要な能力が

異なるわけですね。

 

ですから、仕訳ができるかどうかは重要な質問です。

 

また、経理担当者は色々な人と会話をすることで

自分の仕事を円滑にすることになりますね。

 

ですから、会話能力が高い方が実務に合っています。

 

今までの経験で自分の仕事がうまく行かなったときに、

どうやって周りの人に助けを求めたのか?

このような質問もしてみてください。

 

最後に、究極的に求人に応募してきた人が

困る質問です。

 

あなたは、当社にどのような価値を提供してくれますか?

 

これは、会社に入社した後で、

経理担当者がどのような仕事をして、

会社のためになる業務をしてくれるのか?

ということを聞くための質問です。

 

回答が具体的であれば、あるほど

経験がある人だと思われます。

 

 

年齢によって採用ハードルを変える

さて、ここからは採用する人の年齢にスポットを

当てて採用するための判断についての解説です。

 

求人募集をすると、色々な年齢の人が来ます。

 

原状だと、年齢を区切った募集をすることは

原則できません。

 

ですから、年齢不問とすることが多いかと思います。

 

それでは、年齢によって採用基準は

同じで良いのか?という問題が出てきます。

 

結論を申し上げると、年齢によって、

採用基準の緩和、引き締めは合って良いと思います。

 

では、どのように考えると良いのでしょうか??

 

20代の場合

20代を採用する場合には、経験を積ませて、

育成をメインにするのが一般的です。

 

ですから、経歴、経験よりも、

資格とできることに注目して採用基準を

緩和していきます。

 

資格は、最低限、簿記3級ですから、

ここはゆるめません。

 

できることを聞いて、育成すれば、

経理担当者として成長できる人を採用します。

 

成長できるかどうかの判断は、

課題解決能力があるかどうかです。

 

今まで生きてきた中で出会った困難と、

どうやって乗り越えたのかという質問をして

課題解決能力を判断します。

 

この時に、評価としては、

・自分だけでどうにかした・・・1点

・親や友人に助けてもらった・・・2点

・大勢の人に助けてもらった・・・3点

というように、点数をあらかじめ作成して

評価を行っていきます。

 

先ほども申し上げたように、

経理担当者で重要なスキルは会話能力です。

 

大勢の人に助けてもらった経験であれば、

他の人とは異なった会話をしている可能性が

高くなると思います。

 

 

 

 

 

30代の場合

30代の場合には、資格+経験で

採用ハードルを設けることになります。

 

資格は簿記3級でも構いませんが、

できれば、簿記2級を保有していて欲しいです。

 

また、実務でも仕事をしていて欲しいと思います。

 

そして、経験に着目した採用基準で

採用ハードルを決めていきます。

 

所属していた会社によるわけですが、

次のような評価基準が良いかと思います。

 

・仕訳や経理書類の収集、作成ができる・・・1点

・試算表の各種残高まで合わせることができる・・・2点

・月次決算ができる・・・3点

 

私が税理士として関与していると、

1点の人を採用してしまう場合が多いようです。

 

できれば、2点の人を採用できると良いですね。

そのあとの月次決算までのハードルが低いです。

 

40代以降の場合

ここからは、ちょっと採用ハードルは高いです。

資格+経験+知見+できないことで判断します。

 

資格は簿記2級以上は絶対条件ですね。

経験としては、月次決算ができることも絶対条件です。

 

知見としては、40代以上で転職活動をしている人は、

最低でも2~3社は経験してきています。

 

その知見を当社で発揮してもらわないと

いけなくなりますね。

 

そこで、できないことを聞いていきます。

 

40代以上であっても意外にできないことは

結構あるものです。

 

例えば、会計資料を使った分析関係です。

 

40代以降ともなれば、キャッシュフロー管理をして、

資金繰りの助言まで社長にしてほしいものです。

 

そうした経営側の視点に立った経理担当者を

採用するべきだと思います。

 

ですから、この年齢層への質問は、

・財務分析ができる・・・1点

・予算と実績の管理ができる・・・2点

・経営者へアドバイスができる・・・3点

 

このようになろうかと思います。

 

採用基準の評価は数値化する

最後に、採用の不確実性を無くすために、

採用基準の評価は数値化することを解説します。

 

採用基準ですが、かなり抽象的な部分で

決めていませんか?

 

例えば、嫌な印象を受けなかった、

明るかった、はきはき話していたなど

印象だけで決めていませんか?

 

確かに、ビビット来た人であれば、

それでもかまわないのかもしれません。

 

しかし、それだと判断にばらつきが出てしまって、

採用しなければならない人を逃すことになる

可能性が高まります。

 

ですから、仕事にフォーカスした評価を

数値化するのが良いわけです。

 

中小企業であれば、3段階評価で

問題ないかと思います。

 

あまりにも数値を細かくすると

それはそれで抽象的な点数になるからです。

 

例えば、5段階評価にしたとして、3と4の

違いは何なのだという説明ができますかね?

 

アンケートでも5段階評価が多いわけですが、

抽象的なやや満足と普通の違いを説明できますか?

通常できませんよね?

 

説明できないということは、無駄です!

3点までの項目を作って、数値評価を

した方が良いわけですね。

 

評価は色々な部分での評価をしても良いですが、

私としては最低限持っていて欲しい部分だけを

数値化するのが良いと思っています。

 

例えば、印象が悪い、良いなどは、

面接者の心象を数値化しているだけにすぎません。

 

つまり、意味はありません。

客観的ではありませんよね。

 

そうではなく、客観的に判断した部分のみを

数値化をすることで採用基準が分かりやすくなります。

 

 


編集後記

今日は記帳代行祭りとなりますね。

溜まっている記帳代行をすべて片づけます。

 

最近ドラクエウォークにはまっていて、

外に出ることがちょっと楽しくなりました。

 

ARゲームをちょっとバカにしていたのですが、

ゲーム会社の思惑にはまってしまっています。

 

 

ではぼっち税理士の齋藤でした~
それではまた👍

 

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この記事は、その時の状況、心情で書いています。
また、法令に関しては、その後改正された場合には、
異なる取り扱いになる可能性があります。

 

 




ABOUT US
齋藤 幸生税理士・行政書士・経営革新等支援機関・ブロガー
都内税理士事務所にて7年間の勤務後独立。 2017年に税理士として独立後は建設業、フォワーディング業、IT業に特化した税務を行っています。また財務支援として資金繰り支援(会社の資金繰りと資金調達支援)を行っています。行政書士としては建設業許可、利用貨物運送事業の許可業務に特化しております。