サイトアイコン 問題解決を後押しする都庁前のLiens税理士事務所 齋藤幸生

配偶者控除・配偶者特別控除の見直し

今回は配偶者控除・配偶者特別控除の見直しについて紹介いたします。

★配偶者控除・配偶者特別控除とは??

配偶者控除は、納税者に配偶者がいる場合には一定の要件で、国税は38万円(70歳以上の配偶者は48万円)、住民税は33万円(70歳以上の配偶者は38万円)が控除される仕組みです。

配偶者特別控除とは、納税者に一定の所得がある配偶者がいる場合には、その配偶者の所得に応じ認められた控除額が控除される仕組みです。(あくまで所得控除ですので、税額控除ではない点にご留意ください)

 

★どのような見直しなのか?

配偶者控除・配偶者特別控除の判断に納税者自身の所得要件が加わります!

その要件は、以下の通りです。

①合計所得金額900万円(給料だと1,120万円相当)以下、②合計所得金額900万円(給料だと1,120万円)超から合計所得金額950万円(給料だと1,170万円相当)以下、③合計所得金額950万円(給料だと1,170万円)超から合計所得金額1,000万円(給料だと1,220万円相当)以下、④合計所得金額1,000万円(給料だと1,220万円相当)超という4つの区分で控除の金額が下がっていきます。

④の区分ですと、配偶者控除、配偶者特別控除の両方とも適用がなくなりますので、増税になります。

 

配偶者控除と配偶者特別控除の判断で、配偶者自身の所得要件が緩和されます。

その要件は以下の通りです。

現行は合計所得金額38万円(給料だと103万円)が配偶者控除を受けられる上限になっていますが、これが、合計所得金額85万円(給料だと150万円)以下までに緩和されます。つまり、今までですと103万円を目安にパートをする場合が多かったようですが、もう少し労働時間を増やしても大丈夫になったということです。

配偶者特別控除の適用金額は、合計所得金額が40万円(給料だと105万円)超からが適用だったのが合計所得金額85万円(給料だと150万円)超からになります。

最高で合計所得金額123万円(給料だと201万円)以下まで配偶者特別控除が受けられることになります。

 

上記見直しは、所得税(国税)が平成30年分以降、住民税(地方税)が平成31年度以降から適用になります。

 

また、源泉徴収事務(毎月の所得税を給料から天引きする仕組み)で、概念が1つ加わります。

それは、源泉控除対象配偶者という言葉です。

ようするに、納税者の所得要件が加わり、配偶者の所得要件が緩和されたので、毎月の源泉徴収事務への影響があります。したがって、納税者の所得によって配偶者が源泉徴収の扶養親族から抜けることになります。納税者自身への影響はどのようなものか?というと、毎月の給料の手取り額に影響がでる!ということになりますので、平成30年分以降の源泉徴収税額表を参考に、手取り額の確認をしておくことをお勧めいたします。

 

★今回の改正の疑問点!?

配偶者については、所得要件の緩和が行われたことは喜ばしいのですが、問題は社会保険になります。130万円以上ですと、納税者の社会保険の扶養にならなくなります。

また、昨年より、106万円以上だと週20時間以上働くなどといった一定の要件に該当すると社会保険に加入しなければならないことになっているようです。

 

こういったことから、国側の考えとしては、働くことで収入増やしていいよ!、でも社会保険は払ってね!という考えのもとに法整備がされたのかな?という疑問が出てきます。

 

★今後は家庭収入の予算見直しが必要ですよ!

上記のように、ご家庭によっては働き方や収入に変化が出ることが予想されますから、ご家庭の収入(手取り額ベース)の見直しをしておくことも必要かと思います。

上記の様に配偶者の社会保険負担以外にも、収入が多くなれば、住民税の負担も考えなければなりません。(住民税がかかるのは、給料だと100万円以上から)

 

ご家庭の収入状況によっては、稼いだのに手取りは減った!という状況が出てくる可能性があるかもしれませんので、どのくらい働くのか、いくらだったら良いのかというプランニングをしてみてみはいかがでしょうか?

 

 

 

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編集後記

 

昨日は、独立して初の法人税の申告書作成を行いました。

一昨日にその会社様の前年の申告書を復元して、今期分を作成しました。

前の事務所の申告用ソフトとは違ってすべての申告書に数字を入れて作成する

タイプのソフトになっているので、法人税の勉強している時を思い出したような

感覚を味わいました。

 

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