今回は通期手当や出張費の消費税の取り扱いを紹介したいと思います。
★通勤手当と出張費と消費税
通勤手当、出張費は基本的なスタンスとして業務上の必要に基づく実費弁償であるかどうかということになります。実費弁償ですと課税仕入れ、すなわち、仕入税額控除の対象となります。
★通勤手当の消費税
一般的に、会社では通勤手当として役員・従業員へ支給しているものは実費になっていると思います。
こうすることで、新幹線通勤をしている方などの特殊事情のある方を除き、所得税は非課税の範囲内で支給されているのが現実かと思います。
消費税では、そのような通勤に通常必要と認められる部分は課税仕入れにしてよいものになっています。また、通常必要と認められる部分であれば、所得税の非課税枠を超えた支給であっても実費弁償になりますから、課税仕入れとして処理することが可能です。
ですから、上記の新幹線通勤されている従業員への支給も課税仕入れにしてよいことになります。
ただ、公共交通機関を全員が使用していればいいのですが、自動車通勤などの方がいる場合があります。この場合に、ガソリン代を会社で負担してくれないか?という依頼を受けることもあるでしょう。
このような場合のガソリン代は課税仕入れでいいのかという問題が生じます。
この点も、実費弁償かどうか、合理的な経路なのかという判断を行っていただいて、経済合理性がある場合には、ガソリン代も課税仕入れとして処理ができます。
★出張費の消費税
役員・従業員が仕事で出張をすることがあると思います。この場合の出張旅費、宿泊費、日当などは課税仕入れにしてよいのでしょうか?この場合も、仕事で職場を離れて勤務しているだけなので職務として通常必要であると認められる部分は課税仕入れという処理ができます。
ただ、出張の場合には、出張先で観光や行楽することも現実的にはあり得るのかと思います。その場合の観光等の費用は個人的なものであり、かつ、職務と関係ないものであれば給料になりますので、課税仕入れの対象となりませんし、源泉所得税の対象となります。
こういったことを回避するために、出張規定を設けることも考える必要があると思います。
ただし、海外の出張は要注意です!!
海外の出張は、基本的に課税仕入れの対象となりません。どうしてかというと、海外の消費税に相当するものは、国内の消費税に対応させてよいという規定が存在しないからです。したがって、海外の付加価値税が入った経費を精算した場合には、対象外という消費税の区分で処理します。
ここで問題となってくるのが、海外の経費の中に国内分も混ざっているケースです。このような場合には、国内分のみを取り出さないと課税仕入れの処理ができないので、区分をお忘れなく!
また、携帯電話にも国際電話分と国内電話分が出てくる可能性があるのでその部分の区分も必要です。
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編集後記
昨日は電子証明書の設定と自分の電子申告の開設届を作成しました。
何か不思議な感じがしましたが、これで電子申告に対応することができます。
あとは、現在の事務所から引き継ぐ会社様の資料も持って帰ってきました。
これから整理しようかと思うのですが、多いな・・・・というのが本音です。
まあ、本棚の整理もかねて資料置き場を作ろうかと思います!