今回は固定資産税の取り扱いを紹介いたします。
★固定資産税の費用計上時期は?
会社様が不動産を所有していると、その年の1/1に賦課決定(国側から税額の決定をうけること)され、固定資産税の納付書が郵送されてきます。この場合に、固定資産税は、4回に分けて分割納付する方法と一括で納付する方法があります。では、費用計上の処理としては、一括で未払金計上してよいのか、現金でお支払いになった時に計上すればよいのかという問題が生じます。
これについては、継続要件があるわけではないので、どちらでも大丈夫です!ただし、決算をまたぐ場合には決算期後に生じる固定資産税の未払金経理はできませんので注意が必要です。1年分をその年に経費としたい場合には、全額現金で納付してお支払いをする必要がございます。
★不動産等を購入した時の固定資産税の精算金の処理は?
不動産等を購入した場合には、固定資産税の精算金が発生することが通常だと思います。では、この固定資産税の精算金は不動産等の取得価額に含めて処理するのか、費用として処理してよいのか、という問題が生じます。この処理は、不動産等の取得価額に含めて処理することになります。
余談ではありますが、売り主側の処理は、売上代金に含めて処理することになります。
どうしてこのような処理をするのかということなのですが、上記でもふれたように1/1の所有者に対して固定資産税が課税されることになります。ですから、売り主側では固定資産税を納付する義務があり、年の途中で購入した側には納税義務は生じないことになります。こうなると売り主側は持っていない期間の不動産等の税金を負担することになりますから、商慣行として固定資産税の清算を行うことが出てきたのかなと思います。
★自動車の取得に関する税金関係の処理はどうする?
会社様が事業用の新車の車両を購入したとしますと、自動車取得税、自動車税、自動車重量税、検査登録費用、自賠責保険料、リサイクル預託金、登録費用、などといった費用が生じます。こういった取得のために係った費用はどう処理すればよいのでしょうか?
上記のうち、費用とすることができるのは、自動車取得税、自動車税、自動車重量税、検査登録費用、自賠責保険料です。こういったものは取得に要するものではあるが、一時的な費用に過ぎないという観点から会社様の任意の処理方法が認められています。ですから、費用処理を行えば、費用として計上できるということになります。なお、余談でリサイクル預託金、登録費用をあげましたが、リサイクル預託金は預託金勘定で別に処理し、登録費用(ナンバー取得などの費用)は取得価額に含まれます。
なお、リサイクル預託金は金銭債権の譲渡ということになりますので、売買の明細書にリサイクル預託金があると印紙が必要な場合があるので注意が必要です。
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編集後記
昨日は、東京青年税理士連盟の租税法連続講座3回目に出席しました。
内容は税務争訟と税理士というお堅い内容なのですが、訴訟の場面を体験したことが
ありませんでしたので、訴訟での考え方などを聞くことができて有益な時間でした。
ですが、現実としては訴訟ではなく、税務調査時になんとしないとどうすることもできない
状況のようですので、なるべく訴訟はすることなく税務調査で完結したいと感じました。