今回は社長貸付金と認定利息に紹介いたします。
★社長貸付金とはどのようなときに計上されるか??
中小零細企業においては、業種や社長様の意向にもよりますが社長貸付金(短期貸付金)という勘定科目が貸借対照表という会社の財務を表す資料に載ってくることがあります。
これは、どういった場合に計上されるのでしょうか?
①社長様が会社のお金を自分で使ってしまった場合
→要するに、使途不明のお金が出て行った状態です。役員なので給料とすると全額経費に
認められなくなりますので、会計事務所や税理士事務所の方針もあるでしょうが、貸付金
にならざるを得ない処理です。
②設立時に登記上の資本金と銀行口座に資本金として入金した金額が違う場合
→例示しますと次のような場合です。
登記上の資本金:900万円、銀行入金資本金:500万円といった場合には、差額が400万円
あることになります。これも①と同様で400万円を貸付金にせざるを得ません。
税法上の考えは、900万円を会社に入金したのだけれど、400万円を使ったという処理にな
ります。そうなると社長しかそのような処理はできないでしょ?ということで、役員の給料に
なってしまうので、貸付金にするわけです。
以上の問題点を解決するためのヒントとしては、会社を設立した場合には、社長様個人と法人様の財布を分けて計算する必要があるということです。
また、会社設立時に無理な登記は行わないということも重要です。
★社長貸付金の注意点!!
社長貸付金の注意点は、【会社様から社長様にお金を貸付けた】という処理になりますので、
会社様は利息を社長様から受け取らなければならないということになります。なぜなら、法人は経済合理的な行動をもって事業を行うという大義名分があること、通常第三者に貸付を行うと利息を取ることになるということという2点が理由です。
加えて、では、その利息はいくらとればよいのか?複利計算をしなければならないか?という問題になります。
まず、複利計算(元本と利息の合計で利息計算するかどうか)はしなくてよいとの税務行政の内規が存在しますので、複利計算にしなくとも大丈夫です。
利息はどうかということですが、平成26年以降の貸付金の利率は、その貸付年度の特例基準割合で計上していよいことになっております。
http://www.nta.go.jp/taxanswer/gensen/2606.htmのサイトに解説があります。
ただし平成25年以前の貸付利息は、4%を超える利息になりますので、過去の貸付金がある場合には利率に注意が必要です。平成25年以前の利率も上記サイトに載っています。
それから、特例基準割合って何?という方が多いと思いますので、解説いたします。
これは、延滞税という本税が遅れた場合の罰金利息を計算する利率になります。
その中で特例的な利率を使って計算するということに法律が規定されているため、特例基準割合という利率で計算してもいいですよということになっております。
https://www.nta.go.jp/tetsuzuki/nofu-shomei/entaizei/entai_wariai.htm
上記に特例基準割合の利率が載っております。平成29年は1.7%のようです。
最後に、利息を計上しないとどういったことが起こるかですが・・・
税務調査時にみなし給料扱いを受けて、法人税と所得税で追徴されます。
また、罰金が発生するケースもあるので認定利息は計上して、元本は減らすように給料を変更するなどの対策が必要だと思います。
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編集後記
昨日は建設中の自社ホームページの若干の修正を行いました。
まだ、操作方法がよくわかっていないので確認しながらやっている感じです。
ちょっと演出がくどいように感じましたが、営業目的のサイトなのでこのくらいで
いいのかなと思っております。