サイトアイコン 問題解決を後押しする都庁前のLiens税理士事務所 齋藤幸生

正社員と外注の取り扱いと注意点!

今回は正社員と外注の取り扱いと注意点を紹介します。

★正社員と外注の違いとは??

給料は雇用契約に基づいて事業主からの指揮命令下で労務を提供することにより、その対価として事業主から支払われる人を雇ったときに正社員として扱うと思います。

外注は雇用関係はなく、いわゆる請負にて契約に沿ったものを納品又は提供して、その対価を得る人との契約を結んだときに外注として扱うと思います。

 

★正社員を外注にするメリットとは?

さて、法人の経済状況やマイナンバー保管や社会保険の費用負担軽減の観点から、社員の外注化をしている法人も少なくありません。また、税法上、正社員だと源泉徴収や年末調整が必要になります。外注ですと源泉徴収を不要にすることができる場合があったり、消費税の仕入税額控除の対象となる場合があったりします。

つまり、会社様としては正社員を外注にできると・・・

源泉徴収不要、社会保険不要、消費税の納付額軽減という一石三鳥になるわけです。

 

★正社員を外注にできるのか?

税法上は、労働法などの私法の影響を受けることが少なくありません。基本的には請負契約や委任契約であれば外注にすることは可能です。しかしながら、通常正社員として雇用すればいいものを形式的に外注にしていると税法上は給料認定を受けるリスクがあります。

 

★外注の注意点!!

ではどのような場合に外注費が給料に認定されるのでしょうか?

税法上、外注費として認められるためには以下のことを含めて総合勘案されます。

①雇用関係の有無がないかどうか

  ・・・請負契約書や委任契約書が必要であるということです

②指揮命令系統の有無

  ・・・外注請負や委任契約は自分の仕事は自分で判断して行うということです。

    契約書に記載しておく必要があります。

③時間的拘束の有無

  ・・・外注は就業時間、就業場所はありません。企業内外注ですとグレーゾーンです。

④材料・設備などの負担

  ・・・外注は自分で必要なものは自己負担で行います。会社様が立替精算するということで

    あれば特に問題ありませんが、PCなどを貸与していると負担していないということにな

    ります。

⑤報酬の算定基準

  ・・・外注報酬の算定は日給や月給のようなものではありません。請負であればその完成

    を基に報酬が支払われることになります。委任であれば委任した内容によってです。

    時間などを基に報酬を定めた場合には、労務性があると判断できます。

⑥責任の有無

  ・・・請負契約なので自己責任になります。

⑦独立性の有無

  ・・・外注の方が独立した事業として成り立っている。請求書が外注から法人へ発行されて

    いるかどうかということも含まれます。

    外注の方が事業所得を給与所得として確定申告したからと言って、外注が給料として

    認定されるわけではありません。

以上の内容を総合勘案して外注かどうかの判断をすることになります。

税法上、外注費ではないと否認される判断としては、企業内外注で、正社員と同様のことを行っている、請求書がない、デスクなどがあり備品の貸与を受けている、報酬は仕事の完成で支払われていない、こういった事実があるかどうかということです。

 

★外注にするにはまず契約書の作成と請求書の受領

私は企業内の外注化を進めたことがあります。その際に税法上のリスクをなくすため指揮命令を行わないこと、材料や設備などは自己負担として契約書に明示しております。なぜかというと現実的には指揮命令はある程度行われていることが多いですし、設備の負担もしてしまっている状況が多いからです。ですから、報酬の内訳に設備部分を記載しないなど請求書も工夫してもらっています。

 

 

 

------------------------------—-

編集後記

 

昨日は税務調査2日目の立ち合いでした。

量が少なく、論点が交際費なのか役員給与なのか微妙なところだったので、

午前中に、調査官は帰っていきました。

その調査官の調査方法を観察していたのですが、調査官の調査能力の向上という

指導は受けていないなという印象です。

自らグレーゾーンの話をしてしまう(役員給与にできるかどうか)、確認レベルの資料コピーの

依頼、税金をとれるポイントを絞っていないなど税務署も苦労しているのかな?

といった感じを受けました。

調査を受けた会社様にとってはラッキー?な調査だったかもしれませんが・・・

モバイルバージョンを終了