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短期の前払費用で節税を行おう!!

今回は短期の前払費用について紹介いたします。

★前払費用とは??

前払費用とは、読んで字のごとく、前払いでお支払いになる費用になります。個人であれば、翌年1月の事務所家賃、法人であれば翌事業年度の事務所の家賃をイメージできます。

 

★短期の前払費用の特例

短期の前払費用の特例は、翌年、翌事業年度の1年分の費用を当期にお支払いになった場合に当期の費用として処理していいですよという特例です。具体的には以下のようになります。

具体例:個人の場合、平成30年分の事務所家賃を平成29年12月に1年分前払い

     法人の場合(3月決算)、平成29年4月以降の事務所家賃を平成29年3月に前払い

といったことを行うことで翌年1年分の家賃を当期の地代家賃として計上することができます。

ただし、継続適用をしなければなりませんので、翌年又は翌事業年度においても1年分を前払いしなければならなくなります。したがって、事業計画の予算を考えるにあたってお金の収支に組み込んでおかないとお支払いができなくなります。

 

★前払費用と前渡金

短期の前払費用の特例では、前払費用なのか前渡金なのかが重要です。要するに前渡金として処理する費用ですと特例は使えないからです。前払費用と前渡金の違いは以下の通りです。

①前払費用となる要件

 -一定の契約にしたがって継続的にその期間中に等質、等量のサービス提供を受けるものであること

 -役務の提供の対価であること

 -翌期以降において時の経過に応じて費用化されるものであること

 -現実にその対価を支払っていること

具体例としては、土地・建物の賃貸料、ロイヤリティ、保険料、借入利子などです。実務上、多く使われるのは、事務所の家賃や保険料(役員のための)になります。税理士報酬や弁護士報酬などの士業の顧問報酬も前払しようと思えばできますが、等質・等量のサービスを毎月しているとは言い難いので短期の前払費用を適用できないことに注意が必要です。

 

②前渡金となる要件

 -一定の契約に従って物や一時的なサービスを受けるためのもの

 -物や一時的なサービスの対価であること

 -翌期以降において物の引渡や一時的なサービスを受けて費用となるもの

 -現実にその対価を支払っていること

具体例としては、仕入の前渡し、展示会の出店費用など一時点の一時的な費用の前払が前渡金として処理することになります。この場合には特例の適用はないこととなります。

 

★前払費用の特例の始まりと終わりの期間はいつか?

一般的には、契約や商習慣によって支払期日が到来した日以後に支払った前払費用に限って特例の適用が認められます。

例えば、支払期間がある場合には、その支払期間、履行期間がある場合にはその履行期間、履行期間が定まっていないときは請求を受けたときといった期間になります。要するに、個人であれば、翌年1/1以降の費用、法人(3月決算)であれば4/1以降の費用ということになります。

終わりの期間は翌年、翌事業年度から1年以内に到来するものです。

個人であれば、翌年12/31、法人(3月決算)であれば翌事業年度の3/31までになります。

1年を超えて支出した費用は、特例の適用は受けられません。

 

★短期の前払費用の特例の消費税の処理は?

実は、短期の前払費用の特例は消費税の納付額も減らすことができます。というのは、法人税、所得税と同様にお支払いになった年、事業年度の収入に対する消費税から控除していいですよということになっているからです。したがって、事務所の家賃であれば消費税を含む取引になりますから、消費税の控除を受けることが可能になります。

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