サイトアイコン 問題解決を後押しする都庁前のLiens税理士事務所 齋藤幸生

不動産所得の事業的規模はどうすればよいか?

今回は不動産所得の事業的規模の判断について紹介いたします。

★なぜ事業的規模を判断するのか?

不動産所得の場合には、事業的規模か、事業的規模以外の2つに分けます。

事業的規模、かつ、青色申告を適用していると65万円の控除を受けることができます。

ですから事業的規模の判断は重要な要素になってきます。

 

★事業的規模の判断

所得税法基本通達26-9ということろに建物の貸付が事業的規模かどうかの判断を行う指針があります。これを大まかにまとめると次の通りになります。

原則的な判断

-社会通念上事業となる規模で建物を貸付けているかどうかで判断する

特例的な判断(形式的に事業になっているかどうか)

-貸室(アパートの1室をイメージしてください)が10室以上であること

-独立家屋(一軒家をイメージしてください)は、おおむね5棟以上であること

上記のどちらか、一方に該当する場合には事業的規模として判断してよいことになっています。(以下、5棟10室基準といいます)

この通達は割と有名なので、ご存知の方が多いのかなと思います。

続いては、現実で起こりそうな事業的規模の判断についてです。

 

★10室あるのアパートを2人で共有にしている場合の事業的規模の判断は?

日本人が大好きな?共有で不動産を所有している場合ですが一般的なイメージですと10室÷2=5室でしょ?のような判断をしそうです。実は、このような判断は致しません。あくまでも建物の部屋数で判断するので10室以上の要件を満たし、事業的規模とできます。

 

★土地の貸付けに関する形式基準

建物の貸付では、5棟10室基準での判断を行うことは上記にて見てまいりました。今度は土地の貸付けです。通常の土地の貸付ですと事業的規模にはなりませんが、駐車場ではどうでしょうか?という問題です。駐車場に関しては、5台分を1部屋とすることができます。したがって、以下のような場合に事業的規模の判断に使えそうです。

アパート8室、駐車場10台といったときは、8+(10÷5)=10室ですので、事業的規模として判断できます。

 

このように、不動産所得の事業的規模の判断一つとっても現実にはいろいろ起こるものです。こういったことが起こりますから、相続対策でアパートを建築するといった場合には、一度税理士に相談して事業的規模の判断をしてもらってはいかがでしょうか?

 

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